担当地区の1つ、片野尾集落には

「片野尾歌舞伎」

という伝統芸能があります。

その名の通り歌舞伎です!


みなさんは佐渡に歌舞伎があるのを御存知でしたでしょうか?


今の佐渡の若い世代は知らない人が多いと思います。

無論、佐渡出身の私もその一人であり、この地に来るまで全く聞いたことがありませんでした。

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明治に旅役者から伝承されたのがこの片野尾歌舞伎の始まり。

戦争や時代の流れで歌舞伎が何度か中断されるものの、

「歌舞伎保存会」を昭和にいち早く結成し、今に至ります。


片野尾歌舞伎の定期公演会は二年に一度。
その第18回目が、5月25日(日)に片野尾の公民館で行われました。



本番に向けて役者の方々は今年の2月頃から稽古に励んできました。

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舞台や照明、音声も地域の方々だけで仕上げるのが片野尾集落の凄いところ。
地域の人達って本当にたくましいなと思います。


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そんな私も今回、家来役として出させて頂きました!



―本番当日―

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朝早く集合し、午後の開演に向けてメイクや着付けが始まります。


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化粧はまず、眉を脂(片野尾の人はロウと呼びます。)で潰し、次に顔全体に脂を塗ります。
これで化粧のノリが良くなるそうです。



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ロウが塗り終わったら白粉を塗り、隈取(歌舞伎独特の化粧法)をしていきます。



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化粧を専門に行う顔師の方(普段は片野尾の漁師さん!)

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みなさんどんどん仕上がっていきます。



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自分も歌舞伎メイクに初挑戦!!!
なんか、これはクセになります…!!




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開演まで化粧が崩れないように黙々と待ちます。

異様な緊張感…





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前座として水津の鬼太鼓、舞踊などが披露され、



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そして歌舞伎の始まりです!



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今回の演目は「奥州安達原 袖萩祭文の段」。

片野尾集落のみなさんの間では、人気の演目のようです。
人気の理由は何といっても、中心人物として出てくる子役の演技です。

子役は片野尾の小学生。

集落のみんなの孫のような存在の名演技に、冒頭から拍手が生まれます。

小学生とは思えない演技。その完成度から稽古の量の多さが伝わってきます。





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腰元役の2人は片野尾の若きレディース。

この2人も子役を経て今、この舞台に立っています。




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要所要所に、ベテランのきわ立つ演技。




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黒子は歌舞伎保存会の部長。今回の歌舞伎を、稽古から常に雰囲気良く牽引してきました。

義太夫は部長の父。親子二代!そして子役は部長の娘さんなので親子三代!がこの芝居を支えています。




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終盤になるにつれて、話も盛り上がって行きます!





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自分もセリフ等ありませんでしたが、一生懸命演じました!!




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一人ひとりが、


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最後まで気持ちを込めて…。




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こうして無事、今回の片野尾歌舞伎定期公演会が終わりました。
大きな拍手が、最後に会場を包みました!






二年に一度の公演。

片野尾歌舞伎の歴史を築いてきた名役者の方々も、年々その姿を消し、

片野尾歌舞伎をこれからも続けるか、続けないかというのは問題にもなっています。


それでも、

「片野尾歌舞伎は続けていかなければいけない」


という志のある人達のもと、
今回の公演は開かれました。






伝統とは「苦しみ」なのか「喜び」なのか。


そんなことをふつふつと、私は考えていました。


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確かに苦しみであるかもしれませんが、

公演会後の慰労会のみなさんの笑顔を見たら、

苦しみの先に必ず喜びがあると感じました。




後継者不足により、伝統芸能というものも今までのようには存続していけない中で、
かたちを変えていかなければいけない部分もいっぱいあり、


「片野尾歌舞伎とは何か?」というのはとても不鮮明なものになっていくかもしれません。


それは佐渡の他地域の伝統芸能にも言えることだと思います。



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それでも、一つの伝統芸能に、集落が一つになれるということは、

片野尾歌舞伎が、集落の人々の元気の「源」の役割を果たしているということです。






二年後の歌舞伎公演は、地域おこし協力隊として任期中最後の年。
私も、今度はセリフのある役をやらせてもらえるようなので、気合を入れて頑張ります!



今まで片野尾歌舞伎を知らなかった人、また今回観れなかった人は、是非二年後見に来てください!



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たくさんの方達が観に来て、観客として芝居を盛り上げ、この島全体で、片野尾歌舞伎を盛り上げていきませんか?


それが、これからの伝統芸能の新しいかたちなのかもしれません。




―水津地区担当 岩﨑―


※この記事を書くにあたり、たくさんの写真を提供して頂きました。誠にありがとうございました!