11月の3連休真ん中、日曜日。


私にとって今年のビックイベント。

岩首棚田にある展望小屋こと空のまめらか家(通称 そらまめ)が、雪の重みで倒壊してから2年。
この度、再建され集落民へのお披露目会を開催することになりました。

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私が岩首に着任してから、ずっと側で関わってきた棚田。四季折々の表情を感じ、そこで生きる人たちの思いにも少しづつ触れながら仕事も生活もをしてきたつもりです。

棚田で過ごす時間が好きです。

岩首に来るまで何の興味もなかったけれど、棚田で過ごす時間が今の私にはかけがえのないものになっています。

疲れて帰っても畑まで歩いて登る。田んぼの様子を見にいく。ひっぽかしてばかりで「田んぼを本当にやる気があるのか!」とみんなに怒られる。
雑草をこまめに抜いて、助けてくれる人がいる。 山からの帰り道に会うと必ず「なんかやろうかー?」と声がかかる。

全部、生活の一部なのです。



そんな場所が、世界農業遺産認定を契機に一気に有名になりました。


棚田が有名になり、棚田を一望できるそらまめを目指してお客さんもたくさん訪れています。そらまめの再建を願い、島内外から寄付を頂くこともありました。
沢山応援してくれ、愛してくれる人達がここには集まってきています。



そらまめの再建が決まった時から、私は一番に集落の人にお披露目をしたい!と思っていました。

再建出来た事を、今まで支援してきてくれた人たちにもお知らせしなくてはいけないけど、絶対その前に集落の人に1番にそこからの景色を眺めて欲しいと思っていました。それは、自分たちの棚田で起こっている様々なことに興味を持ってほしいし、ここで生活している人たちが、そらまめで過ごす時間を楽しいと思って欲しいと思っていたから。

そらまめは、お客さんのための施設だけではなく、自分たちの施設でもあると思って欲しかったのです。


「昔は、あそこ(現在そらまめがある場所)まで、肥やしを背負って、ご飯をもって歩かされたよ。もう何十年も行ってないよ。」、「山は苦労ばっかりだよ。」

そんなばあちゃんやじいちゃんにも行く機会があればと思って、みんなに声をかけてまわりました。

「いや、おらっちには関係ない。」、「役員がいくからいかないよ。」

この言葉は、よく聞く言葉です。でも、無駄でも声をかけ続けたいと思って最後までねばりました。


今回、まめらか家での集落談義を手伝ってくれた東京工業大学特任准教授の豊田さんと神戸市立工業高等専門学校・講師の高田さん。
お二人とも私よりずっと岩首とは長い付き合いです。

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初代のそらまめから、今までずっとここと関わってきています。
「そらまめのこれからについて、たくさん良い意見が出るといいね。」と準備を進めました。


当日、集落のおばちゃん2人に甘酒を作ってもらい、いざ出発。

そらまめでの空中談義の始まりです。

集まった集落の方からは、そらまめでこんな事がしたいと意見が出ました。


・花火を見る
・パラグライダー
・花見
・結婚式
・田植え後に休憩する
・花を植える
・子供たちへ環境学習活動
・何もしないで、のんびりする
などなど

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蓋をあけてみれば、たくさんの人が参加してくれました。

人が集う場は、とても暖かいです。朝の寒さも吹き飛びます。


今回出た意見が1つでも実現できるように、ひっぽかさないように。
思いを集落の人に繋ぎ、そらまめや談議所の活動を手伝ってくれる人が増えてくれたらと願います。
そのためには、談議所の活動も整理して、身の丈にあったものにしていく事が必要です。

そして、受け継いできた棚田についてみんなでもっと話していけたらと思います。




私がここで出来る仕事は、本当に少しだけ。任期終了後、今の活動に対して同じように関わりが出来るとは思っていません。
絡み合った糸を少しづつほどいて、もう一度きれいにしたり、切れてしまったものを繋げていくことが今出来ることであり、私がここに住み続けていくために必要なことだと思っています。

好きになってしまった場所が、たまたまここだったから、棚田で感じる風の気持ちよさをこの先もここにいる人たちと感じていたいと思っているから。

私が真剣にぶつかって向かっていけば、それだけのものが返ってくると感じた日でした。
ここで生きること、1つ1つ関わっているものにもっと真剣に向き合っていけば、もっと違う世界が待っているかもしれません。


ゆっくり、じっくり、思いをすり合わせながら。

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暖かくなってまた、田んぼづくりが始まったらそらまめでやりたい事があります。

それは、また次に。




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Special Thanks: T.Oshikawa(Photographer)