外海府地区担当の重盛です。
先日、外海府地区の小田集落で、江普請に参加させていただきました。
「江普請(えぶしん)」という言葉、都会育ちの私には馴染みのない単語で、
恥ずかしながら、佐渡に来るまで「江普請」という言葉も、その意味も知りませんでした。
―「江」とは、田んぼに水を引くための用水路のこと
―「普請」は、道・橋・水路・堤防・建物などの修理や土木工事のこと
小田集落の江は、全長4キロ程といわれ、水源は大倉川の上流です。
江には、清流。水は、静かに山を下り、田んぼにそそぎます。
木漏れ日のなかの「江」
春になると、田植えの準備として先ず、江普請。
山間部を走る江の管理・維持の大変さは、並大抵のことではありません。
足を滑らせないよう、ロープをつたう
冬の間、江に積もってしまった土や落ち葉を取り除く作業は、まさに体力勝負。
集落の男たち数名で、埋もれている江を掘り起こしていくのですが、
全長4キロ程にもなるという小田の江普請は、本当に気の遠くなる作業です。
江に水管を入れる作業
私もシャベルで掘り起こしてみましたが、
すぐに息切れしてしまいました。
この江普請、当然のことながら1日で終わるものではなく、何日も掛けて行います。
小田集落では、江の当番を決め、
交代で山へ上がり、江の管理と維持を行います。
土のうで作った道の上を歩く
これまで私は、コメ作りの裏にある、この大変な仕事を知ることもなく、
毎日、毎日、お米を食べて生きてきました。
いま、外海府の美味しいお米をいただけるということの裏には、
こうした集落の人たちの努力と、維持してゆく力が無くてはならない存在としてあるのだと、
改めて知ることができました。
炊き上がったツヤツヤのご飯を見るたび、感謝の気持ちも倍増です。
ブルーシートでタープをつくり、虫よけの焚火とともにお昼ご飯
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