私の住んでいる真野新町は佐渡島の中心に位置し、島内の交通のアクセスも良く古くから宿場町、北前船の集荷地として、また明治以降は醸造業や漆産業などで賑わってきました。

そのような歴史的背景から今も町屋造りの立派な建物や古物、美術品などが多く残り、観光資源としても大きな魅力を持っています。

しかし近年は、近隣の佐和田地区に大型店舗が集中し、商店街も高齢化と後継者不足で活気が失せ続け、小木、両津からやってくる観光客も、あっという間に真野新町を通り過ぎてしまいます。

そんな商店街を、町屋の街並みを再生し、真野新町の歴史を保存しながら何とか活性化していこうということで、昨年より「真野新町宿町屋再生プロジェクト」がスタートしました。

プロジェクトのメンバーは真野新町の住民有志。
町屋再生と言っても、素人ですのでそんなに簡単には進みません。

そこで、まちづくりのプロフェッショナルをお招きして、住民の勉強会を始めることとなりました。
「佐渡観光のお客様をも視野に入れた 真野新町まちづくりセミナー」です。

第一回は、まちひと感動デザイン研究所代表の藤田としこ先生による「市民参加で、まちを沸かせよう! 思わず、いいね!とつぶやきたくなるまち歩きMAPプロジェクト」です。

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始めは皆さん緊張の趣きでしたが、地域のMAPづくりは多くの住民を巻きこみながらつくる過程を楽しんでいく、という先生のお話しで「だーれも知らない真野新町の魅力」が笑いを伴っていっぱい出てきました。

第二回、第三回は、「また来たくなるお店づくり」をコンセプトにコンサルティングをされている田中聡子先生による「~お客様に選ばれる!~ 売れる陳列・魅せる陳列のコツ」と「商品価値の伝え方」。

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こちらの講演も皆さん真剣に聞いておりましたが、最終の「いますぐ出来ることとこれから取組むこと」をワークショップ形式で話し出すと、次から次へと楽しいアイディアが生まれてきました。
例えば「大酒飲みの特性を活かして、真野のお酒をPRする!」などなど。。

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商店街では田中先生のアドバイスをいただきながら、陳列方法の改善に取り組む商店も出てきました。

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先日住民たちで絵入れした佐渡の土人形も、4月に予定している「土人形と真野公園桜祭り」に向けてスタンバイしています。

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こうした取組みを通じて、真野出身の建築士で東京で都市・地域デザインに携われている方が、真野新町の町屋再生に協力していただけることになりました。

また、真野新町でガラス工房を営む若い方も真野新町宿町屋再生プロジェクトに参加することになりました。

まずは、昨年黒格子を取り付けお茶会の会場にもなった「せいない邸」。

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お茶会では、店舗を閉店時の状態そのままでフリーマケットを行いましたが、これから住民の手で内装をきれいにして、ギャラリーと住民の拠り所として利用できれば良いなと考えています。

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一足飛びに村上のような町屋通りにはなりませんが、少しずつ住民の連帯感や夢に向かう気運が高まってきていることを感じます。

「真野新町宿町屋再生プロジェクト」は、今後も住民たちの手で楽しみながらまちづくりを行って行きたいと思います。