カンゾウ。
佐渡の人ならみんな知ってるこの名前。
初めて聞いた時はなんだか勇ましい名前だな、と思ったものです。
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カンゾウの花

正式名称はトビシマカンゾウ。佐渡市の花として認定されています。
佐渡随一の観光地である大野亀は日本一のカンゾウの群生地で、毎年5月下旬から6月中旬にかけて、丘一面に黄色いじゅうたんのように花を咲かせます。毎年その時期になると島内外よりたくさんの方が花を見に訪れます。
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カンゾウが咲き誇る大野亀(2015年の様子)

昔、この地域では佐渡牛の飼育がされており、牛の飼料に大野亀の雑草がよいとされていました。たまたまカンゾウが種を落とした後に毎年刈り取りをしていたためカンゾウが大群生を形成する要因となり、このような景観を作り出しました。
しかし、佐渡牛を飼育する家も少なくなったため、雑草の刈り取りも行われなくなり、それとともに過去70万本あったといわれるカンゾウも半分くらいまで減少していきました。
カンゾウの花を後世に残したい、そんな思いで平成9年よりはじまった保護活動により、カンゾウは次第にその数を取り戻してきています。毎年、地域の方達の地道な活動により支えられています。

今回、4月に大野亀で開催された2つの保護活動に参加させていただきました。
13日に開催した苗取り作業は地域の方約15名が参加。

大きく育った苗を傷つかないように堀上げて・・・
苗上げ作業

20本の苗に束ねてわらでぐいっとカンゾウを縛ります。
カンゾウの苗2
カンゾウの花の根は球根のようになっているのですね~。

この苗取り作業はなかなかの重労働。汗をかきつつお昼ごろまで作業は続きました。
苗上げ作業2
苗上げ作業3

16日の定植作業は約150名の方が参加。
地元の集落の方や小中学校の子供たち、団体・企業の方など大勢の方が参加しました。それぞれグループに別れ、作業にあたります。

こちらは苗の苗植え作業。
定植作業3
定植作業

こちらは苗の鉢上げ作業中。
鉢上げ作業2
鉢上げ作業
みんなでぺちゃくちゃおしゃべりしながら作業は進みます。汗をかきながら働く姿はみんなにこやか。

お日様の下で久しぶりに土に触れて、私自身もとても楽しく作業させていただきました。たくさんの方のご協力のお陰であっという間に作業は終わり、11時頃には解散となりました。
集合写真
お疲れ様でした、はいチーズ!

カンゾウについて、海府観光協会会長・大野亀ロッジの北澤さんは言います。
北澤さん
大野亀ロッジ北澤さん

「カンゾウの花は独特の色をしています。淡い黄色、赤みがかった黄色、なんともいえない絵に描けない美しさがある。大野亀の緑の色と、空と海の青さと、そこに加わるカンゾウの黄色。その3色のコントラストが本当にすばらしいです。

佐渡の観光資源の中で島外から来る人達の数は、カンゾウがダントツで多い。保護活動を始めてから、花ひとつでこれだけの人が集まるということを改めて知り、大事な資源であるカンゾウをきちんと守り、先の世代へ残していきたいという気持ちが生まれました。

また、種草であるカンゾウは種をまくところから始まります。私自身も子供の時、カンゾウの種を蒔き、育てたことを覚えている。子供たちが一緒に種から育て、身をもって経験することで、ひとつの植物の成長の過程を知り、学ぶことができる。大人も子供も一緒になってできるこの活動を後世に繋げ、カンゾウの花を残していきたい。」

大野亀
4月末現在の大野亀

こうやってさまざまな人の手やおもいが加わり、地域の誇りとして守られているカンゾウの花。毎年みんなに愛情たっぷり注がれて、カンゾウも喜んでいるに違いありません。今年もすくすく育ち、皆さんに会えるのを楽しみにしていることでしょう。

そして、恒例のカンゾウ祭りが今年も開催されます!

【第39回佐渡カンゾウ祭】

【会場】 佐渡大野亀
【日時】 平成28年6月11日(土)20:00~21:00 前夜祭
            6月12日(日)10:00~15:00 本祭
【お問い合わせ】 
佐渡カンゾウ祭り実行委員会 0259-26-2410(事務局 大野亀ロッジ内) 

祭中はカンゾウ花祭り唄や鬼太鼓、佐渡民踊の披露などさまざまな佐渡の芸能を披露する予定です。
その他にもお楽しみイベント盛りだくさん!カンゾウの花の苗も販売します。

お誘い合わせの上、ぜひいらしてくださいね。