1月14日「賽の神」がおこなわれます。これは厄払いの行事で、子供たちが各家の前で一斗缶や空き缶を叩きながら次の文句を唱えます。
賽の神かんじん とうどや さんぎりちょう 大もうけ 小もうけ
あっちの家は繁昌し こっちの家は上作し
銭も金もわくわく 賽の子は13人 銭も金もわくわく
集落の大人たちは今でもこの文句をスラスラと唱えられます。子供の頃の記憶は、何十年経っても残っているんですね。
昔は、家々の壁を叩いていたそうですが、今は壁の代わりに缶を叩きます。一生懸命叩くので、缶がへこんでいきます。
岩首郷土史によるとこの行事は、明治の頃から始まったそうです。集落の大人たちが子供だった頃は、男子中学生が担っていたそうですが、子供が少なくなった今は小学生も加わっています。
子供たちが回ってくると、各家ではお菓子や果物などを渡します。昔は、お茶碗にお米を入れ渡していたそうです。お米が貴重品だったことがうかがえます。
翌日15日は「どんど焼き」です。島内ではトウドヤとかトウライヤと呼び名がいろいろあります。岩首では、7日に子供たちが集落の家々を回り、飾ってあった松やしめ縄を集め、それらを焼きます。
この火で焼いたお餅とイカを頂きました。この火で焼いたものを食べると病気災難を除けると言われています。
最後は、どんど焼きの灰に水を加え炭を作り、その場にいる人の顔に塗っていきます。大人も子供も関係ありません。顔中に塗られます。子供たちに混ざって大人も加わり大騒ぎです。これも健康を願っておこなわれる立派な習わしです。
炭で黒くなった顔で家路につきました。鏡を見て驚きましたが、今年は元気に過ごせそうです。
16日は「鳥追い」です。田畑を鳥の被害から守ることを祈念して行われます。朝まだ暗い4時30分、子供たちが集落を3周し、最後は神社で唱えます。
コメント
コメント一覧 (1)
賽の神、トウドヤ、鳥追いの行事レポートを拝見させていただきました。非常に興味深い行事なので、私どもNPO地域資料デジタル化研究会のデジタルアーカイブ「小正月行事どんど焼き全国・世界調査」のデータ項目に引用採録させていただきましたので、よろしくお願い致します。
どんど焼きをトウドヤと呼ぶのは全国に例が少なく、佐渡以外には愛媛県新居浜市大島の「トウドおくり」が1件あります。また、佐渡の同じ日本海側の 鳥取県鳥取市の「鳥追い」とも関連性がある可能性が高く今後分析を行いたいと思います。鳥取の鳥追いでは、七草かゆ行事と一緒に行われ、「唐土(トウド)の鳥が 日本の土地に 渡らぬさきに 七草 ナズナ をそろえて ホーホー」と3回唱えるそうです。
小正月行事の全国世界調査の集計と分析報告のページは以下にありますので、よろしければご覧ください。
https://archive.digi-ken.org/koshogatu.html
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