読者の皆さまこんにちは。
小木町地区担当の奥野です。

小木が江戸時代から栄えた歴史ある港町だということを、
以前の記事でお伝えしました。

そんな歴史ある町並みの中でも、
特に昔の姿をよく残す建物がいくつかあります。

今回はそんな見るべき!建物をいくつか紹介します。

まずひとつ目が、喜八屋旅館旧館です。
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小木町の入り口に位置しており、訪れた人は目を奪われること間違いなしです。

現在の建物が建てられたのは明治38年のこと。小木大火の翌年でした。

当初2階建てだったこの建物は、昭和4年に5階建てへと増築されました。
増築によって、景勝地である矢島経島を眺めることができたと言われています。

中に入ると、吹き抜けと共に帳場や囲炉裏が残されており、旅館だったころの面影を感じることができます。※2階以上は消防法により公開しておりません。
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平成18年に国の登録有形文化財として登録されました。

現在は1階部分のみカフェとして営業をしております。

赤泊のカニを使ったピザや、小木の野草で作ったコーラなど、
佐渡を感じられるメニューが豊富に揃っています。


続いて紹介するのが、鍋屋です。
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※現在居住中です。内部見学はできません。

小木のメインストリートのほぼ中央に位置するこの家は、間口が大きいことが特徴です。
旧喜八屋旅館と同じく、明治38年頃に建てられました。

江戸時代、幕府は間口税というものを設けて財政難を克服しようとしました。
そのため、当時は間口が狭く、奥に長い住居が一般的でした。

小木町は江戸時代の地割を良く残しているため、
現在でもそうした家が多く見られます。

そんな中、鍋屋がこれだけの間口を維持できたのは、
代々廻船問屋を営む名家だったからです。
主に越中(今の富山県)の船を相手にしていました。

また、越佐初の定期船「占魁丸」の運行に尽力したことでも知られています。


以上、「喜八屋旅館旧館」と「鍋屋」の紹介でした。

幾度もの大火を経験し、その度に財を失いながらも復興してきた小木町。
今も当地に息づく、先人たちの不屈の精神を感じてみてはいかがでしょうか?