白装束をまとい、四国のお寺を回る信仰の旅…
というお堅い印象があった「お遍路さん」。
しかし最近では、
「お遍路ガール」なる女子が増え、パワースポットとされる寺社仏閣を巡ることがブームになっているという特集をテレビで観ました。
そのお遍路が佐渡島にもあることをご存知でしょうか。
そもそも、「遍路」とは―
真言宗の開祖 弘法大師空海のことを「お大師さま」と呼び、お大師さまが生まれ、修行された四国の旧跡を巡拝することを指します。
その目的は、亡き人の供養、健康祈願、自分探しや開運・縁結び、癒し、建築やたたずまいの鑑賞、ご朱印集めなどそれぞれです。
佐渡には281ヶ寺のお寺がありますが、明治維新の時には539ヶ寺あり、信仰の島といわれる由縁になっています。そして、真言王国というほど真言宗寺院が多く、それだけお大師さまへの信仰が篤く、霊験話も伝わるそうです。
佐渡から海を渡り他国へ出掛けることが難儀であるため、島内各地には本四国の写しの霊場が開かれました。小木周辺の三崎遍路、国仲の国仲遍路や多田・河内遍路、歌見遍路、加茂新町の新兵衛遍路、金井泉の又兵衛遍路、春日の安照寺遍路などがありました。
里謡に〽四国西国及びもないが、せめて七日の佐渡遍路 と唄われ、農閑期には1週間ほどかけての巡拝も行われたそうです。
島内には、こうした歩き遍路のほか、寺堂内に掛け軸のご本尊を掲げ、ご詠歌を唱える居座遍路(ねまりへんろ)や、1ヶ所に88躰の石仏を並べて拝する石仏霊場も設けられました。
昭和6年、乱立していた佐渡遍路が整理統合され、現在の佐渡霊場の礎となる「佐渡一国遍路」が始まり、第二次世界大戦後の札所変遷、佐渡の10ヶ市町村合併を機に改編を重ね、現在の「佐渡八十八ヶ所霊場」となりました。
私が担当する相川金泉地域には、それに該当するお寺が3ヶ所、小川集落「多聞院」、姫津集落「萬福寺」、北狄集落「胎蔵寺」があります。
そこの住職から「佐渡へんろ」の存在を聞き、88ヵ所を6回に分けて回り、立ち寄りスポットで佐渡を楽しむことができるバスツアーを紹介してもらいました。”お寺や風景を楽しみながら、
佐渡をぐるりとまわる1日バスツアー"に惹かれ、ちょっとした旅行気分で参加することにしました。(完全プライベートな時間です☺)
私は、第1回(第1番~14番札所+立ち寄り:尾畑酒造見学)と第2回(第15番~27番札所+立ち寄り:賽の河原巡拝)のツアーに参加し、27のお寺を回りました。
その様子を私目線の写真にてお伝えします。
※たくさん写真を載せますが悪しからず。
島内に数多くあるお寺、1つの島に存在していた多くの遍路、昔から集落ごとにある様々な仏事などは、佐渡の伝統や生活を知るうえで、欠かすことができないものだなと改めて思いました。
来年4月に第4回(第44~61番札所+立ち寄り:真野公園にて桜観賞)、
5月に第5回(第62番~77番札所+立ち寄り:姫埼灯台見学)、
7月に第6回(第78番~88番札所+立ち寄り:北雪酒蔵見学、蓮華峰寺にてあじさい観賞)
が開催され、国仲から小佐渡方面をまわります。
途中の札所からの参拝でもよいそうです。
お遍路は、参加者それぞれの目的でよく、決められた服装や持ち物もなく、堅苦しくありません。私のように、お寺を中心に佐渡あるきをしてみようという気持ちでもよいと思います。
お寺で気持ちを落ち着かせつつ、集落のまち並みや海や山の春景色を感じながら、バスに揺られてみませんか。先達する僧侶やほかの参加者とのお話も楽しいですよ。
来年のお遍路にまた参加したいです。
参考文献:
佐渡八十八ヶ所霊場会【HP】http://sadoreijoukai.jp/
「佐渡八十八ヶ所霊場案内 佐渡へんろ」佐渡八十八ヶ所霊場会
問合せ先:
安照寺(第29番札所)℡0259-27-2673
東光院(第62番札所)℡0259-22-3837