佐渡市地域おこし協力隊サイト

佐渡市地域おこし協力隊全メンバーによる活動報告のサイトです

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長南潤子(子どもの元気は地域の元気プロジェクト)

松ヶ崎小中学校の放課後プロジェクト(※今年度より正式な「放課後子ども教室」という名称になっています)について、前回の投稿までで2つのバージョンをご紹介しましたが、
今回は最後のバージョン…「イベント版」をご紹介します!

「イベント版」は、主に土日を使って 地域の名人に講師になって頂き「〇〇教室」という形で開催するものです。小中学生対象ですが、保護者や地域の大人も参加してくださいます。

これまでに開催した「イベント版」はというと…

★紅葉山を知ろう&焼き芋大会(講師:地域の自然や歴史に詳しい名人)※紅葉山=学区内にある紅葉の名所

焼き芋ボカシ

焼き芋

★木工教室(講師:その道
50年の大工さん)

木工ボカシ

木工

★釣り教室(講師:海釣り名人たち)

釣りボカシ

釣り

「イベント版」で大事にしているポイントは…

➀地域に住んでいるスゴイ人を発掘、講師としてスポットライトを当てる
②企画・進行は、地元ママさんチーム 自らの手で

の2点です。

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【➀講師について】

子どもたちにとって、普段よく会う地域のオトナ…

「あのおじさんは、よく学校で顔を合わせるよね」
「あの人が大工さんだってことは知ってる」
「いつも釣りしてるよね」

…という感覚はあるものの、その人が一体どれぐらいスゴイのか?どんな人生を生きてきたのか? それをリアルに知ったり見たりする機会は…実は、中々ありません。

そのようなオトナたちを 「〇〇教室」の講師に指名させて頂くことで、参加する子どもたちは、昔話や仕事の話を聞きながら、その人しか持っていないスペシャルな知識や技を目の当たりにできるのです。

講師1

講師2

だから…

「近所のおじさん」が「スゴイ人」に見えてくる…!!


子どもたちの感想は、

「いつもよく行っている紅葉山の自然が、〇〇さん(=講師名)たち
 地域の人々の努力で守られてきたことを初めて知った」

「今回自分で小さい作品を作るだけでも、ズレが出て大変だったので、
 家みたいな大きなものをズレなく作れる大工さんは、カッコいい!」

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【②ママさんチームについて】

「放課後子ども教室」では、「運営委員」というメンバーが企画・運営を担うのですが、松ヶ崎では主に小中保育園のママさんたちが運営委員をやって下さっています。つまり子どもにとっては…

企画を練って当日の司会進行をするのが、自分たちのママ!!

ママたち

これは、少人数で保護者同士の距離が近い松ヶ崎だからこそ、のウリです。普段から地域行事に積極的で、卓越した企画力や行動力を持ったパパママがわんさかいて、しかもチームワークがバツグン!

だから、協力隊の私がやることとしては、ミーティングを招集するぐらい(笑)あとはどんどんママさんたちのアイデアで、子どもが喜ぶ企画が生み出されていきますし、当日はパパさんも加わって、準備から撤収までの段取りもカンペキです!

自分たちの子どもを楽しませたい…

そんなピュアでシンプルな親御さんたちの想いから来る行動力は、東京から来た私には とても新鮮にうつり、学ぶところが多々ありました。

(なぜなら東京では親が自ら開かなくても、色んなイベントがあちこちで開かれていて、親はただ連れていくだけのことも多いので。それはそれで、子どもがたくさんいる都会の良さでもあるのですが…)

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<最後に>

近所に住むスゴイ大人たち、そして自ら行動する親の背中こそが、
子どもたちにとって最高のお手本であり、未来へと導く指針になる――

…それが、私が協力隊員として 松ヶ崎小中の放課後プロジェクトに関わる中で、一番強く心に刻まれたことです。私自身が親としてみなさんから教わったメッセージでもあり、私からみなさんに贈りたいラブレターでもあります。そう、あなたたちは、みんなステキだ――!!

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私事で大変恐縮ですが、8月末をもって地域おこし協力隊を退任することになりましたので、ここにご報告させて頂きます。短い任期の中で、どこまで佐渡や松ヶ崎のみなさんのお役に立てたか分かりませんが…

協力隊ではなくなっても、佐渡の子どもたちの幸せな未来を願う気持ちは、ずっと変わりません。

大変お世話になりました。ありがとうございました!!!

前回の投稿では、松ヶ崎小中学校の放課後プロジェクトの一つ「居残り組」をご紹介しましたが、このプロジェクトには、まだまだ違うバージョンがあります!

今回は、目玉企画である「人生授業」について、ご紹介したいと思います。

私が書いた企画書を見てみると…

 「人生授業」とは地域のオトナたちが、自分が今の職業を選んだ理由や、仕事のやりがい・苦労など、自分自身の人生から得たものを子どもたちにメッセージする。子どもたちに、世の中にはいろんな仕事があること、自分次第で人生は選べること、挫折をどう乗り越えるかなどを、身近なオトナから学んでもらう。

これまでに、どんな職業の方が「人生授業」をして下さったかというと…

・「菓子職人」(松ヶ崎小中にお子さんがいるママさん)
・「造園業」 (      〃      パパさん)

その内容は…

・どんな幼少期を過ごしたか(お二人とも松ヶ崎小中の卒業生)
・今の仕事を選んだ理由
・仕事の大変さ、喜び、やりがい
・失敗談、挫折を乗り越えたエピソード
・これからの夢

…などを、熱-----く語って頂きました!

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最近嬉しいことに、この「人生授業」に注目して下さる方が ちらほらいらっしゃるのですが、聞かれるのが、なぜこれを企画したのか?ということ。

そんなわけで、私の熱----ーい思いも、ちょっとだけ聞いてもらってもいいですか?😊

実は私、協力隊になる前の25年間、取材の仕事をしていました。人の「人生」を取材し、マスメディアに乗せて発信する仕事です。

著名人から市井の人まで、老若男女、国籍問わず、さまざまな人生を垣間見てきました。(佐渡に移住したきっかけも、佐渡のトキ関係者の人生を取材したご縁なんです)


そこから導き出した結論
すべての人生が かけがえのない宝物、すべての人生が 唯一無二の物語
⇒ああ、どれも全部知りたい!伝えたい!

だけど…そんな私でも…自分の両親の人生は、あまり知りません。身近であればあるほど、聞きづらいし、そもそも聞く機会なんて中々無いですよね。

だったら!!
協力隊=いわゆる”よそ者”の私だからこそできることとして、松ヶ崎・岩首地区の人たちの人生を根掘り葉掘りして、子どもや地域の人たちにどんどん伝えていこうじゃないの!

…というわけで、「人生授業」と名付け、講師の方に、我が子を含む近しい子どもたちやご近所さんを前に、唯一無二の物語を熱-----く語って頂くことにしたのです。

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ただし、最初はみなさん、必ず躊躇されます。
「自分の人生なんて、大したもんじゃない」

そこで、まずは私が時間をかけて、ご本人から人生を聞き取ります。
まさに取材ですね。
すると必ず感じるのが…
「いやいやいや、充分スゴい人生ですって!!!」

そして、ご自身で伝えたいメッセージを熟考して頂き、話の内容を補足する写真を選んで頂き、当日はTVモニターに写真を映し出しながら、語って頂きます。

また、取得した資格の免許証や、仕事で使っている道具、思い出の品などを持ってきて頂き、子どもたちに直接触ってもらいます。

DSC_2183 (2)

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その反響は…

授業を受けた子どもたち:
「普段よく会う〇〇さんのパパ/ママだけど、知らなかったことがたくさんあった」
あらためて尊敬した」「目標にしたい大人が身近にできた」

講師のお子さん:
親の深い話を、初めてちゃんと聞いた」「カッコいいって思えた」

授業を聞いたご近所さん:
「お互い知っているようで知らなかった。知られざる一面を見られた」
大人の生きざまを子どもたちに知ってもらえるのが良い」

講師:
「照れくさかったけど、普段 絶対に話さないことも伝えられた」
「子どもたちが自分に真剣に向けてくれた瞳が忘れられない

…そんな嬉しい声を頂きました。

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授業を終えたあとの、講師の方のやり遂げた表情や、子どもたちの反応を見て、私自身、羨ましくて仕方がありませんでした!

だって…ほんとは誰よりも私が、自分の父や母の人生授業を受けたかった。そして、我が子に私自身の人生授業を伝えたいのかもしれません…

以上が、「人生授業」に込めた、企画者である私の想いです。
どうです? 松ヶ崎小中学校の放課後、ますます目が離せなくなったでしょう?😊

次に「人生授業」の教壇に立つのは……あなたかも知れません


突然ですが、みなさんは小学生のころ、
「放課後」をどんな風に過ごしていましたか?

私は、近所の友だちと野球チームを作って、隣町のチームとの対戦に燃えたり、
公園にダンボールで隠れ家を作って、親の目を盗みお宝を持ち込んでは、
みんなでワクワクしてました😊

ここ、佐渡の松ヶ崎小学校区には、学童がありません。
また、学校統廃合の影響もあり学区が広いため
スクールバスで通学している子もいて、
一旦下校すると、友だち同士が中々会えません。

あるとき、「放課後の悩みについて」子どもたちと保護者に
一斉アンケートを取ったところ、

 子どもたち:「放課後にみんなで集まって遊びたい」
 保護者:「近くに子どもがいないため、一人で留守番させることになり不安」

…などの声があることが分かりました。

そこで、平日の放課後に小学校内で居残って過ごす
「居残り組」という取り組みを始めてみました。
(命名したのは、小学生のママたちです😊)

 ※主催は、私もメンバーである「子どもの元気は地域の元気プロジェクト」。
  松ヶ崎・岩首地区在住の保護者を中心とした団体で、
  子どもたちや子育て世代が住み続けられる地域の未来を目指して活動中。

学校の先生方にも快くご了承頂け、たくさんの場所や道具類をお借りできました。
空き教室・図書室・ボードゲーム・楽器・スポーツ用品など。

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一番大事にしたかったのは、かつて私自身が隠れ家を作ったときのワクワク感。
あれって、オトナが管理していない中で、自分たちだけで自由に過ごせたからこそ
楽しかった気がしたんです。

でも、今は危機管理の時代。
まるっきり子どもたちを放置するのも、いかがなものか…

そこで、どうせなら「管理」ではなく、
「見守り」や「一緒に遊ぶ」というスタンスで
寄り添ってくれるオトナを探そう!という気持ちで
近隣の方々にお声がけを始めました。すると…

「子どもたちの動きについていけなさそう」
「子どもが目の前でけがをしてしまったらどうしよう」
「最近子どもと接していないから様子が分からない」

など、不安な気持ちがあることも分かり始めた中で
何人かの方たちが引き受けてくださいました。


いよいよ初日。
松ヶ崎小学校の全校生徒7名が参加!

この日の見守り役は、毎朝スクールバスの誘導で
旗を振ってくださっている地元のおじさま😊
子どもたちとは顔なじみです。

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最初に、私の方から「居残り組」のたった一つのルールとして
「ほう・れん・そう」の説明をしました。

そう!会社で上司からよく言われる(?)あの「報告・連絡・相談」ですね😊

校内と校庭を自由に使える代わりに、どこに誰が行くのかだけは
オトナに知らせておいてね、ということです。

でもそれさえ守れば、あとは全部自分たちで決めていい!
それが松小の「居残り組」のコンセプトです。

まず、宿題をする?しない?
するなら何分間?
宿題が終わったら、何して遊ぶ? を話し合いで決めました。

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こちらの写真は、宿題中。
6年生と5年生が、4年生にアドバイスをしています。
学年を超えて、少人数で一緒に育っている松小ならではの光景です。

宿題が終わったところで、全員で外へ。

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ドロケイをしたり、遊具で遊んだり… ほんと、兄弟みたい😊
最後は、教室に戻って将棋やオセロを楽しみました。

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帰りは、スクールバスで帰宅します。

 ※松ヶ崎は小中連携校。小学校と中学校の校舎がつながっています。
  この日は、小学生が「居残り組」で過ごしている間、中学生は部活でした。
  そこで帰りは、元々中学生のために出るスクールバスの便があることを活用し、
  小中一緒のバスで帰宅しました。
  

そんなこんなで、無事に第1回「居残り組」終了!

コロナ禍で学校行事も少なくなってしまった中、
久しぶりにみんなで自由に過ごせた時間でした!

ところで。。。
実は、この松ヶ崎小中学校の「放課後プロジェクト」、
「居残り組」以外の、別バージョンもあるんです!

それはまた、次回のお楽しみということで💓

今年の夏は、各種イベントが中止となり、寂しい思いをしていた子どもたち…。
「子どもの元気は地域の元気プロジェクト」では、そんな子どもたちに少しでも楽しんでもらおうと、地元松ヶ崎・岩首地区の親子を対象に、zoomを使ったオンラインでの料理教室を開催しました。

教室

作ったのは、地元松ヶ崎の食材を使ったメニュー。身近にある食材の魅力を、地元のみなさんに再発見してもらいたい!という思いもありました。「タラとイカの米粉ピザ」と「あんぽ柿と米粉クリームのデザート」の2品です。

ピザ

デザート

実は、このメニューを考案し、今回の講師も務めてくださったのは、松ヶ崎在住のママ。そしてこのママさん、かつて島内の有名菓子店で菓子職人をしていた方なんです。さすが「佐渡の宝は”人”」、こんなすぐ身近に凄腕の人材が! レシピ執筆、材料の準備、当日の進行など、ほぼ全てを担って頂きました。

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あらかじめ参加者を募集し、全員が同じ材料を使って進められるように準備しました。材料のうち、イカ・タラ・あんぽ柿は松ヶ崎産、米粉は佐渡産です。

材料

あんぽ

参加してくれたのは、松ヶ崎小中学校・多田保育園に通う親子など、総勢26人!
子どもでも料理できるよう、講師のママさんが手順を工夫して下さったこともあり、子どもたち、ほとんど親の手助けナシで、講師のママさんに「この固さでいいですかー」「もうちょっとゆっくりやって」「できたよー」などと呼びかけたり、兄弟で協力し合ったりし、みんなが大成功の出来ばえ。

最後は、画面越しにみんなで「いただきます」をし、ワイワイおしゃべりしながら頂きました!

いただきます

今回、協力隊員として着任して以来、初めてイベントを企画してみたのですが、私がやったことといえば、「やってみたい!」って言い出しっぺになっただけ。あとはもう、講師のママさんや子どもたちの「楽しもう」というパワー、それを陰で支えた保護者のみなさんの協力で、どんどん進んでいった感じです。今後もまだまだオンラインの可能性を探っていく状況が続きそうですし、また新たなイベントも企画してみたいと思います!


まとめ(良かったこと):
・コロナ禍でガマンの続く中、子どもたちがみんなで交流して楽しめた
・地元食材の魅力を、地元の方たち自身が再発見できた
・地元の方が活躍できる場を作れた


※以下にレシピを公開しますので、みなさんも是非作ってみてください♬
(手に入りにくい食材は、別のものを代用してアレンジしてみてくださいね)

ピザレシピ


デザートレシピ

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長南潤子(ちょうなんじゅんこ)隊員の記事一覧

投稿名 長南潤子(子どもの元気は地域の元気プロジェクト)

担当 松ヶ崎・岩首地区「子どもの元気は地域の元気プロジェクト」

出身地 愛知県名古屋市(大学以降はずっと東京)
 
任期 2020年4月~2023年3月(予定)

ひとことコメント
9年前、仕事で佐渡に来てたくさんのステキな人々と出会い、人生観が変わりました。佐渡の宝は「人」だと思います。もっと佐渡のみなさんと深く関わりたいという思いから、協力隊に応募し移住してきました。
担当地区にある松ヶ崎小中学校(小中連携校)は、全校生徒18人(2020年4月現在)。少人数ならではの魅力的な教育が行われている一方、学校存続の危機に直面しています。そんな中、保護者のみなさんが学校と地域の未来を守ろうと「子どもの元気は地域の元気プロジェクト」を自分たちで立ち上げるなど、行動力のあるカッコいい人たちがたくさんいる場所でもあります。
そんなみなさんと一緒に、私もこの地域と学校のことをもっと多くの人に伝えていきたいです!

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