佐渡市地域おこし協力隊サイト

佐渡市地域おこし協力隊全メンバーによる活動報告のサイトです

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小川佳奈子(新穂地区)

「その日は種まきだな~」

3月末で協力隊を終え、先週開催した地域に向けた活動報告会では、開催日が見事に農家さんたちの稲の種まきと被り、まだまだ佐渡の暦を読み切れていないな…と一人反省したものの、これまでお世話になった方々が大勢集まってくださり、これまでの活動の振り返りと、感謝の気持ちを伝えることができました。

この4月から一新穂住民になった私ですが、現役協力隊のご厚意に甘えて、最後の記事を書かせて頂きます!
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(奇跡?的に、ご参加頂いた方が撮って下さった写真)

いつも忙しなく、余裕のなかった私。
最後も報告会の様子を写真に撮ってもらおうと思っていたのに、すっかり忘れる始末。報告会の後半で上映した鬼太鼓の映画も、音声が小さすぎて全然聞こえなかったり…。でも懐かしい景色に皆喜んでくれてホッと胸を撫で下ろしました。

「かなちゃんらしいわ」

詰めの甘さまで、受け入れてくれる新穂の人たちに、私は唯唯感謝の気持ちしかありません。この2年半が、どれだけ貴重な時間だったかを改めて噛みしめました。

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「地域おこし」の捉え方は人それぞれで、答えのないものだと2年半やってきて思いました。年代によって、性別によって、関心のあることによって、その人が求める「地域おこし」は違うものです。そう自分を納得させられるようになるまで、随分時間がかかってしまいました。(今でも正解は分かりません。)

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私は、私のやり方で、自分の身の丈でやろうと構えられるようになって初めて、やっとこの仕事の有り難みを実感できるようになりました。それもすべて、いつも見てくれていた人たちがいたからこそだと思います。

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いつも応援して下さった人たちのためにも、これからがきっと本番なのだと思います。新穂という土地が気に入って、人生の伴侶を得てここに住み着くことを決めました。ここからは任期無しの、地域との時間をゆっくりじっくり成熟させていきたいと思っています。

協力隊の活動のなかで、多くの方々に支えられ、助けて頂きました。本当にありがとうございました。これからも一市民になった私、そして佐渡市地域おこし協力隊をどうぞよろしくお願いします。 

佐渡めぐり塾もとうとうシリーズ最終回となりました。3月の連休初日、いつものように雨雲と睨めっこしながら金井を出発、目指すは高千の池野牧場さんです。

池野牧場さんで車を降りると、牛舎から「ゥモーーーーー!」とひっきりなしに聞こえる牛たちの声。池野さんの声もかき消されるほどの大きな鳴き声に、子どもたちも少しビビり気味。

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大きな声の原因は、仔牛にお乳を飲ませたい母親たちが、モウ抗議していたのです。仔牛がお乳を飲まないと、母親もお乳が張って辛いのだそうです。

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「待たせてごめんね」と、参加者で成牛と仔牛の間にある柵を外してあげると、仔牛たちは一目散に母親の元へ駆け込んでいきました。抗議の声もひと段落したあとは、早速グループに分かれて牛舎内の掃除と、餌やりをしました。

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大きな塊のビニールを裂くと、中身は乳酸発酵させた草がロール状に。独特な発酵臭がします。牛は4つの胃袋を持っていて、1番大きな第1の胃袋が満たされるまで、長い舌を干し草に巻き付けながら、どんどんと平らげて行きます。(第1胃の容量は約100ℓだとか...)大動物の食欲を間近で感じた瞬間でした。

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代わって中学生と高校生には、牛舎内の掃除をしてもらいました。初めて間近で接する大きな牛たちに戸惑いながらも、池野牧場の従業員の方々に教えてもらい、足元の糞をかき集め、きれいになった場所には新しいもみ殻をまいて行きます。近くで接してみると、それぞれの性格が何となく見えてきます。神経質な牛、新参者の私たちにも動じない牛、人懐っこく近づくとザラリッと舐めて来る牛。

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干し草の他に、稲わらも一緒に食べさせます。干し草も、稲わらも、池野さんの農場で刈り取ったものです。牛たちの部屋にまいてあげたもみ殻も、池野さんの育てたお米のもみ殻。そして、掃除してかき集めた糞は、堆肥となって田畑の土を豊かにしてくれます。

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前回のめぐり塾in鷲崎では、ワカメや魚の残さを堆肥化し、米づくりをしている農家さんに登場してもらいましたが、今回は牛が身近にいるからこその、循環する農の仕組みも発見することができました。ほんの少し前までは、各家庭に1頭は牛がいて、当たり前だった農村の暮らしが、池野さんの元にはまだ残っていました。

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牛舎での体験後、お昼ご飯を挟んで、池野さんから6月頃から始まる林間放牧について、少しお話していただきました。昭和40年代には島内で3,000頭いた牛たち。高千では飼育している牛のほとんどが林間放牧されていました。しかし、徐々に軒数が減り、今ではドンデン山での放牧は、池野さんの牛数十頭だけに。牛たちが食むことで美しく保たれてきたドンデン高原の芝も、池野さんの牛たちだけでは間に合わず、荒れ始めているのだそうです。

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林間放牧の様子がイメージできたところで、午前中に作業をした牛舎とは別の、少し山へ入ったところにある牧場へと足を延ばしました。海岸段丘の田んぼを抜けると、運動場でのんびりする佐渡牛たちが。ここにいる牛たちは種付けを終え、春には山へと上がる予定です。山を知り尽くしたベテラン牛が、若い牛たちを連れて行ってくれるのだそうです。夏にドンデンに上がったら、彼女たちに会えるかもしれませんよ。

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めぐり塾in高千の最終目的地は、佐渡牛の競りが行われる「高千家畜市場」。JA佐渡の菊池さんに案内していただきました。年3回行われている牛市には、県外からも買い付けに関係者がやってきます。佐渡生れの仔牛たちが、いずれ名高いブランド牛になるわけです。次回の牛市は4月2日。ご興味ある方は、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。(佐渡牛についてはこちら

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そして、めぐり塾恒例のこびりは、参加者の期待を裏切らない「佐渡牛」でした。色んな意味で貴重なお肉を、最後にみんなで味わいました。

「牛の世話をして、最後に肉を食べることで、より牛農家さんの仕事や命を頂くことが身近に感じられた」

参加された方の感想から、池野牧場さんでの体験に始まり、市場の見学、こびりまで、詰め込み過ぎたかな?と心配もありましたが、一日を通して様々なことを感じてくれたのだと、嬉しく思いました。

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全てが循環し、巡っていた仕組みだからこそ、その一つが欠けることで、うまく回らなくなってしまう。世界農業遺産(GIAHS)って、きっとその仕組みのなかにある、小さな片鱗ひとつひとつなのかもしれません。

その片鱗を拾い上げ、気付くきっかけ作りをこれからもしていきたいな。


最後に、今年度佐渡めぐり塾開催にあたり、ご支援ご協力をいただいた行政、現地の皆さま、そして楽しんで参加して下さった参加者の皆さまに感謝申し上げます。
4回に渡って素晴らしい写真を撮って下さっためぐり塾スタッフと、「一緒にやろう」と声をかけてくれた(一社)佐渡生きもの語り研究所さん、ありがとうございました!

 

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その瞳で見つめられたら、誰しも心の一部分が、じんわり溶けていくような感覚を持つのではないでしょうか。

でも、365日、牛たちとともに暮らす牛農家さんたちのこと、どれだけ私たちは知っているでしょう?
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今年度最後となる佐渡めぐり塾in高千編では、いけの農援隊の皆さんやJA佐渡さんにもご協力いただき、牛たちへの餌やり(どれだけ食べるか想像できるかな?!)、牛舎の掃除などを体験しながら、長い歴史を持つ佐渡牛(さどうし)と人との営みを、感じていただきます!

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定員まで残りわずかです。今回は、牛たちの側で作業をしますので、親子ペアでの参加大歓迎です。小さなお子様がいる場合は、参加をお断りさせて頂くこともありますので、ご了承ください。

☆☆☆第4回 佐渡めぐり塾 山と共に 里と共に 牛農家編☆☆☆
日 時         2016年3月19日(土) 8時~15時 ※8時集合
集 合・解散場所   佐渡市役所前駐車場(佐渡市千種232)
定 員         親子10組20名(要申込・先着順)
対 象    小学生、中学生とその親御さん
       ※小学3年生以上のお子さんは一人参加可としていますが、牛の側で
        作業するため、親子参加大歓迎です。
       ※小さいお子様連れの参加は、お断りさせて頂くことがあります。
        ご了承ください。
参加費      大人1,000円 小・中学生500円※昼食、こびり(おやつ)有り!
持ち物      長靴・合羽(上下あるもの)・滑り止め付き軍手・帽子・着替え・飲み物

※雨天決行
※汚れてもいい格好で来てね♪

申込〆切   3月14日(月)

申し込み&問い合わせ
(一社)佐渡生きもの語り研究所 電話&FAX:0259‐22‐2658
メール:ikimon●sado-ikimonoken.jp ※送る際は●を@に直して送って下さいね。 

これまでの佐渡めぐり塾を振り返ると、岩首の昇竜棚田を散策したり、竹林で筍取りをしたり、国仲平野から谷津田と呼ばれる田んぼを巡って鳥たちを観察したりと、どちらかと言うと佐渡の「里山」に触れる回が続きました。

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2月20日に開催した第3回では、里山と共に佐渡の魅力を語る上で外すことのできない要素、「海」と共にある暮らしに着目。山もあり、海もあり...そんな贅沢な土台があるからこそ、成り立ってきた人々の暮らしに触れ、その恩恵をたっぷり味わってもらおうと企画しました。

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いつもより少し早い8時集合、オリエンテーションも手短に、まず向かった先は島内唯一の佐渡魚市場です。獲れたての魚たちが船やトラックで運ばれ、ここで競りが行われています。その道のプロ、せり人として働かれている石川さんにお願いして、市場のことや水揚げされた魚の種類、競りのことなど丁寧にお話して頂きました。

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実際の競りの様子を見せてもらったり(何を言っているのか素人にはさっぱり...)、競り落とされた海産物の出荷作業や、停泊しているイカ釣り船なども見せてもらいました。佐渡沖で獲れた魚の7割は島外へ出荷されるのだそうです。大きく、最新の機器が積まれた立派な船(豪邸が建つ程のお値段だそうです!)に、「乗組員は?」と聞くと「この船は一人で乗ってるよ」と石川さん。漁業の現場でも担い手不足は深刻なようです。

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市場内では、行きかうフォークリフトに十分注意しながら、あちらこちらと案内をしてくれる石川さんにくっ付いて、色々質問する子どもたちや、親御さんの姿が印象的でした。

石川さんに別れを告げ、次に向かうは今回の舞台、鷲崎です。鷲崎までの道中、海岸線沿いの道をひたすら走っていると、海面に点々と「浮き」が浮いているのが分かります。これは定置網という漁の一種で、陸から見える部分はほんの一部、垣網といって潮の流れに乗って泳いできた魚たちを次の仕掛けまで誘導する網なのだそう。

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定置網の解説をして下さった新潟県水産庁舎の阿部さん。海のことも魚のことも全くど素人の主催者に代わって、参加者の方々からの質問に答えてくださったり、準備から何からとてもお世話になりました。

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鷲崎漁港に到着すると、さらに今回のゲストたちが参加者の皆さんを出迎えてくれました。海の米でも有名な本間太郎さんと木村さん、そして地域おこし協力隊海府担当の木野本さん。

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すでに沖の養殖場から上げてきてもらったワカメの付いたロープを、更にトラックへと引き上げて載せていきます。ロープにびっしりと付いた養殖ワカメ。想像以上に重たくてビックリしました。高校生がワカメを引き上げている間、プチ海の生き物探しを楽しんだ小学生たち。よーく見ると、引き上げたワカメには小さく動く物体が...。

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小さなカマキリのようなこの海の生き物はワレカラ(又はアリカラ)。藻場では稚魚たちの大事な餌になるのだそうです。ワレカラのような小さな生き物を育むワカメは、田んぼの稲と一緒ですね!(通じるなぁ!)ちなみに、太郎さんはワカメや魚の残さなどを使って、独自のたい肥を作り、田んぼや畑に還元しています。それこそ、海と田畑のつながる仕組み、ここだからできる特別な「技」だなぁと感じました。

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ワカメをトラックへ積んだら、太郎さんのお家の庭先へ移動して、ロープからワカメを切り落とす作業をお手伝いしました。 ロープにぶら下がったワカメの全貌とご対面。根があり、メカブがあり、茎があって、そして食卓でよく目にする葉の部分で1本のワカメなのだと分かります。透き通った茶色のワカメカーテンに、子どもたちの眼もきらきらしていました。味見してみるとしょっぱい海の味。太郎さんが、「こういう体験が子どもたちに必要なんだ。それが当たり前にできる機会を、大人たちが作ってやらなきゃいけないんだ」と語りかけてくださいました。

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めぐり塾のそもそものの原点。それは子どもたちに、佐渡の身近な自然に触れられる機会を作りたいと思ったことでした。太郎さんの言葉に、背中を押されたような、励まされたような、とても嬉しい言葉でした。

さぁ、めぐり塾in鷲崎編は内容盛りだくさん!続いては、場所を鷲崎ふれあいセンターに移し、合羽に長靴姿から、三角巾とエプロン姿に変身です。

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鷲崎で年間通じて漁をされている漁師一家の森川さん。この時期もタラ漁で忙しいなか、料理名人の奥様に講師になって頂き、鷲崎で獲れた小ぶりのアジを、みんなでさばきました。子供用の包丁を握りしめ、子どもたちも、真剣な顔つきで魚と向き合いました。

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小ぶりのアジだったので、皮も手で剥きました。気持ちよく剥けると癖になりそうな感覚...。三枚にうまくさばけなくても、たたいて味噌とネギを加えれば、美味しい美味しいなめろうに!

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アジ以外にも、ワカメを茹でて一瞬で鮮やかな緑色に変わる瞬間を見せてもらったり、イカのさばき方を教えてもらったり、そしてデモンストレーションの目玉は森川さんのところで獲ったタラのさばき!みんな食い入るようにその無駄のない動きに見入ってしまいました。さばいたタラは、美味しい美味しいタラ汁に。(ネギと大根は太郎さん作!)

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最後は、待ちに待ったお昼ご飯。自分たちでさばいたアジのお刺身やなめろう、鷲崎の恵みが凝縮したタラ汁に、森川さん作のタラの刺身に茎ワカメを使った一品、そして白いご飯。

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今日一日で見て、感じて、触れてきた海の恵みがすべて詰まったお昼ご飯でした。森川さんの口から次々と美味しそうな魚料理のレシピが出てくるので、参加者のお母さんも興味津々でした。折角佐渡にいるんだもの、もっと魚を食卓で食べたい!と無精な私もやる気が出てきました。

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お土産には、たくさんのワカメと宿題用のアジ。イベント中一度も包丁を触らなかったお父さんが、家でアジをさばいた(結果なめろうになった)という嬉しい後日談や、余りに大漁のワカメに、お家で待っていたお母さんから嬉しい悲鳴?が届いたりもしました。

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普段私たちの目には、その一部分しか見えていないことが多いのかもしれません。魚だって、スーパーに行くと切り身になった状態で売られていて、かつて大海原で泳いでいた姿を想像することは、なかなか難しいものです。

めぐり塾in鷲崎編で出会った、魚たちやそれに携わる人々との触れ合いが、参加して下さった方一人一人にとって、少しでも海とのつながりを身近に感じてもらうきっかけになればと思います。

今回も、たくさんの方々にご協力を頂き、佐渡めぐり塾in鷲崎編を開催することができました。素晴らしい方々と縁を繋いで頂けたこと感謝しています!次回は、3月19日。今年度最後のめぐり塾も、どうぞご期待ください♪


 

佐渡めぐり塾も、お陰さまで第3回目を迎えます。里山や棚田、トキと田んぼなど農業に主にフォーカスしてきた第1回、第2回。今度はガラッと舞台が変わり、海のある暮らしを覗きに出かけます!

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普段子どもたちが眼にしているお魚たちは、スーパーで売られた切り身ではないですか?一本の木のようなワカメ見たことある?海の資源に富んだ島ならではの、恵みをたっぷり味わえる回になっています。お昼は自分たちでさばいた魚を実食!

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応募締め切りは2月15日(月)。今回は会場の都合上、募集人数も限られています。皆様お早めにお申し込みくださいね。ご応募お待ちしています♪

☆☆☆第3回 佐渡めぐり塾 農と漁 共にある暮らし編☆☆☆
日時         2016年2月20日(土) 8時~15時 ※8時集合
集合・解散場所   佐渡市トキ交流会館(新穂潟上1101-1)
定員         親子6組12名(要申込・先着順)
       ※小学3年生以上はお子様のみの参加もOK!
参加費      大人1,000円 小・中学生500円※昼食、お土産付!
持ち物      雨具・長靴・帽子・飲み物・着替え・エプロン・三角巾

※寒さ対策を万全に!
※雨天決行
※汚れてもいい格好で来てね♪

申込〆切   2月15日(月)

申し込み&問い合わせ
(一社)佐渡生きもの語り研究所 電話&FAX:0259‐22‐2658
メール:ikimon●sado-ikimonoken.jp ※送る際は●を@に直して送って下さいね。

先週のちょうど節分の日、私は東京でおむすびをむすんでおりました。

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そうです!facebookでもお伝えしましたが、今年開催されるリオ五輪のセーリング日本代表への、朱鷺と暮らす郷米の贈呈式があったのです。

おむすびをむすぶのももちろん大事な役でしたが、それ以上に私にとって重要な任務がありました。

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マイクの前でしゃべるのは非常に苦手ですが、私なりの言葉で、農家さんの思いを、そして選手たちの活躍が、農家さんたちのやりがいに繋がるということを、お伝えして来ました。

セーリング連盟の方からも、実際に選手が体重を増やすための食事として、おむすびが優れていること、朱鷺と暮らす郷のお米を食べて、普段と違う!と選手から反応があったことなどをお話いただきました。佐渡のお米を選んでもらえたんだ!と誇らしい気持ちに。

世界の舞台で戦う代表選手たちが、朱鷺と暮らす郷のお米を食べている。大会中、おむすびを食べながら、選手たちはどんな思いを巡らせるのでしょう。(考えただけでワクワク!)

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生産地まで、お米を食べてくれている人たちの声は、なかなか届きにくいものなんだなぁ、と佐渡に来てからずっと感じていました。自分の祖父がお米を作っていた時は、電話口で「美味しかったよ!」とすぐに伝えることができたのに...。選手たちのリオ五輪での活躍が、朱鷺米農家さんの新たなやりがいに繋がって、生産地と消費者のすき間を少し埋めてくれるかも?!と期待しています!

そして、今まで縁のなかったスポーツにも、お米のおかげで興味が湧いてきて、リオ五輪も応援したい競技が増えました♪ 

※※※選手たちが食べる朱鷺と暮らす郷のお米 詳しくはこちら↓をご覧ください※※※
http://www.ja-sado-niigata.or.jp/Mainmenu/27_sado_mai/sadomai_index.html
 

大寒入りし、またこの季節がやってきました。

岩崎隊員の味噌作りのブログを見て、「先越されたぁ!」と思いつつ、島のあちらこちらで味噌作りが今年も始まったのだと実感しています。日本の歳時記が、まだまだ生きているのも佐渡のいいところ。

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私も週末、地元グループ「ゆきつばき会」の糀の仕込みを手伝いに行ってきました。ゆきつばき会特製の「とき味噌」は、糀から自分たちで作るこだわりお味噌です。

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蒸した米を麹菌が死んでしまわない温度まで冷ますと、種菌をお米に振りかけてよく擦り込みます。お米に傷をつけて菌が付きやすいようにするのだそうです。 

糀になるまで3日。これから2月頭まで、毎日糀の仕込みが続きます。手作り糀と佐渡産大豆、そして天然塩だけで作られた、昔ながらのおふくろの味。ファンが多いのも納得ですね。

私も昨年初めてお味噌づくりを教えてもらいました。1年経った私の手前味噌、そろそろ味見してみようかな! 

「11月に子牛が生まれてな」

境内で甘酒をすすりながら、毎年訪れている参拝者の方々が世間話をしていました。

毎年1月8日は、新穂ダム近くにある大日孁(おおひるめ)神社の例祭です。佐渡牛の守り神として島内各地の信仰を集めてきた神社で、本殿には、ご神体として大日如来が安置されている、珍しい神社でもあります。

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10時の開始時間にはまばらだった参拝者も、例祭が進むにつれ、金井から、南部からとマイクロバスが続々とやってきました。島内の畜産農家さんたちが、一年の無事を願って毎年、お祓いを受けにやってきます。

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昔は6、7台のマイクロバスが横付けされ、出店も出たそうで、佐渡牛や乳牛だけでなく、農作業や鉱山の労働力としても、牛たちが島の暮らしに寄り添う存在だったことが伺えます。

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1から10まで、丁寧に行われる例祭。なかでも、恵比寿様の舞は佐渡に来て初めて拝むことができました。神様にお願いし、見事鯛を吊り上げる恵比寿様の姿に、つい頬が緩みます。恵比寿舞と大黒舞が一度に拝めるのも、今では珍しくなってきたようです。

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北鵜島(大野亀に近い佐渡の北部にある集落)から、2頭の牛飼いのじいちゃんばあいちゃんが来ていました。牛を飼う人たちにとっては、それだけ知られる神社ですが、地元ではあまり知られていない神社かもしれません。

こじんまりとした神社ですが、茅葺屋根の拝殿、大日堂は県の指定有形文化財でもある大日孁神社。安産の神様、今年の干支、申と未年の人の守り神でもあるそうですよ。今まで縁のなかった人たちも、山へ上がってみてはいかがでしょう?

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毎年1月8日 午前10時ごろ~
※例祭中、年に一度だけ大日如来坐像の本殿の扉が開けられます!
(大きい像なので、扉からはほとんど見られないですが...)
・県道沿いの案内は「大日堂」と表記されています。
・狭い道沿いにあり、駐車場はありません。※Uターンは可能。
・場所はこちら→https://goo.gl/maps/K424shCbEk72


東京、イルミネーションが輝き、金融マンが行きかう丸の内。関東で暮らしていたときでさえ、縁遠かった東京のど真ん中で、佐渡の暮らしをお話する機会を新潟NPO協会さんから頂きました。

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この一年を通して、東京と佐渡を舞台に開催された対話型のイベントで、この回が3回シリーズの最終回でした。参加者の方々も、この事業をきっかけに初めて佐渡を訪れた方から、日頃仕事に追われて気づいたら年の瀬…ちょっと違った空気を吸いたいと、初参加の方まで、様々なキーワードを持った人たちが集ってくださいました。

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私からお話したことは、本当に基本的なことだけ。佐渡に渡った経緯や、活動紹介、その背景や思いをお話しました。集った方々の観点が皆それぞれ異なり、私の話から、様々な方向へ世界が広がっていく感じが、とても新鮮でした。私の他にも、島根県海士町で起業され、現在は東京を拠点に農村と都市をつなぐお仕事をされている信岡さんもゲストでいらっしゃり、、単に魅力発掘に終わらず、失われつつある農村の魅力を、どう解決していくかという問いにも気づかされました。

都会のど真ん中で、佐渡と全くつながりのない人から、縁のある人までが集って、佐渡の未来について語り合っている光景...。
都会と佐渡をつなぐ動きは大切だ!と、一人大興奮の夜でした。

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「自分が活かされる場所」。そう私が発した言葉に、心に沁みましたと仰ってくださった方がいました。日々、自分の引き出しをひっくり返しては、挑んでいる協力隊のお仕事。これまで31年生きてきて、無駄なことは一つもなかったと思わせてくれるこの仕事と、地元の人たちに改めて感謝。

来年以降も、続いていきそうな今回の事業。私もどこかで関わっていけたらと思います。今からワクワクです♪

先日、佐渡めぐり塾新穂編をアップさせて頂きました。(記事はこちら)

その際、記事に書き切れなかったお昼ごはんの様子。実はこの時間も、とても貴重なひと時だったんです。

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お昼を頂いたのは、以前民宿をされていた正明寺にある「国見荘」さん。この大広間からは、田んぼや朱鷺のためのビオトープ、そして林といった「朱鷺の里山」 の風景を堪能することができます。普段、一般には開放されていませんが、今回はご厚意で使わせて頂きました。ため池には沢山の鳥たち…思わず双眼鏡でウォッチング。

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正明寺集落の有名人本間さんから、朱鷺のお話を聞いた後は、待ちに待ったお昼ごはん!今回のメニューは朱鷺と暮らす郷米粉カレー!ご飯はもちろん、朱鷺と暮らす郷認証米です。高校生の大盛りっぷりに、ご飯が足りるかヒヤヒヤでした。

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この米粉カレー、島内の若手農業者が集う4Hクラブという会のメンバーで作りました。「島内でお米を食べる機会を増やしたい!」。そんな目標を掲げた今年は、まず取っ掛かりとして、親しみやすく作りやすい米粉カレーのレシピ研究から始めました。固形ルーを作ってみたり、隠し味を色々試してみたり…。そうして出来上がったレシピを、このめぐり塾で初披露したわけですが、お代わり続出の大盛況で、ホッと大きく胸を撫で下ろしました。

それもそのはず、実は11月23日に開催される地産地消フェスタで、この米粉カレーの販売をすることになっているのです!大人数の調理に慣れていないメンバーで、四苦八苦しながらも「美味しい!」と言ってもらえるものができたので、本番への自信につながりました。(フェスタの詳細は記事の最後にて。)

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お腹いっぱい食べた後は、引き続き本間さんから、正明寺集落と縁のある山下清のお話などを聴かせて頂き、ではそろそろトキ交流会館へ移動…というところで、待ってました!朱鷺が姿を現してくれました。

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「電話しといたのが、やっと通じたな~」なんて、冗談交じりの本間さん。子どもたちに朱鷺の姿を見せたいと最後まで粘ってくれたおかげでした。

国見荘でのお昼時間、お腹も大満足、朱鷺とも出会えて、さらに大大大満足な内容でした。佐渡めぐり塾では、毎回違う地域を訪れるので、せっかくの機会、その土地のもの、季節ものを味わってもらえたら…と毎回お昼ごはんやこびりには気合が入っています。次回もお楽しみに♪

☆佐渡市地産池消フェスタで4Hクラブ米粉カレー出店します☆

米粉カレー
100人分のカレーなんて生まれて初めて作るメンバーです…。当日はご迷惑かけることもあるかもしれませんが、どうぞ皆さん食べに来てください!(限定100食)メンバーが作っている野菜や、ポン菓子も販売しますよ♪

日 時  2015年11月23日(月・祝) 10時~14時
場 所  サンテラ佐渡スーパーアリーナ ※今までの会場から変わりました!
※詳しくはhttp://www.resource.sado.jp/chisan-chisho/festa/2015/02.htmlをご覧ください。
 

岩首にて棚田と竹林に触れた第1回(様子はこちら)に続いて、11月8日、小雨が降りしきるなか、佐渡めぐり塾第2回を開講しました!
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今回の舞台は、新穂。「トキと田んぼに迫ろう」というテーマのもと、今までとは違ったかたちで、子どもたちに田んぼとそこに暮らす生きものたちについて、そしてトキとの上手な付き合い方について学んでもらおうとプログラムを練りに練りました。参加者一人一人に配られた双眼鏡と調査票。いざ、1日ジュニアレンジャー体験の始まりです!

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双眼鏡の使い方(これ、重要です!)のレクチャーを受け、早速車に乗り込み向かうは国仲平野。その道中、幸運にもトキたちが田んぼでエサをついばむ様子を見ることができました。車のエンジンを止めて車内からの観察がルール!

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「トキがどんな風にエサをとっているか良く見てほしい。餌を捕まえたときの動作もじっくり観察していると分かるよ。」と本間獣医さん。普段トキと触れ合っている獣医さんの話は、血が通った、生き物であるトキを感じることができます。

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今回ジュニアレンジャーたちをサポートしてくれたのは、環境省の遠矢レンジャーとトキの森公園の本間獣医さん。車内は恰好の質問タイムで、レンジャーさんや獣医さんから、佐渡で観られる渡り鳥の話や、トキのことを直接聞くことができるいい機会になりました。

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「上手なトキとの接し方、付き合い方を佐渡の人たちに、子どもたちに知ってもらうことは大切なこと」。今回めぐり塾の趣旨をお話したとき、できることはなんでも協力しますよ!と心強い言葉をくれた遠矢レンジャー。生き生きとしたレンジャーの姿を、特に高校生に見てほしいなと思っていたので、4名の高校生の参加は願ったり叶ったりでした。

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国仲平野を一望すると、大きな田んぼがきれいに格子状に並んでいるのが分かります。国仲平野でのラインセンサス(定められたコースに沿って、鳴き声や目で見て野生動物の数や種類を調査する方法)では、サギたちやトビ、渡ってきたミヤマガラスなどを確認できました。カラスにも、この時期しかいないやつもいるんだ!

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お!トキがいる…と見せかけて、ラインセンサスの次はトキのモニタリング体験。田んぼに仕込んだトキのデコイに装着した本物のカラーリングとナンバリングを、望遠鏡で読み取ります。子どもたちも、佐渡総合高校生たちも望遠鏡の使い方に四苦八苦しながら、個体識別表を頼りに、個体の同定に挑戦。今回仕込んだ「03」という個体は、第一回放鳥組でいろんなところに旅に出ているのだそう。トキの個性を知ると、それだけで愛着が沸いてきます。

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国仲平野を後にして、続いて向かった先は天王川に沿って作られた谷戸です。だだっ広い平野の景色から一変、林に囲まれた田んぼは、トキにとって住みやすい環境のひとつ。止まり木となる木が近くにあり、そのすぐそばにエサ場となる田んぼがあります。さらに山へと上り、平野と林が入り混じる、新穂の景色を眺めました。これだけ多様な環境が島のあちこちに散らばっています。めぐり塾を通して、その土地土地を訪れながら、その違いを感覚的でもいいので、実際に見て感じてもらえたらと思っています。

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林のほうからはサドカケスの鳴き声が。私も童心に帰って、野鳥探しに夢中に…。

お昼を食べた後は、トキ交流会館に場所を移し、トキが生きていくのに欠かせない田んぼの生きものを調査しました。と言っても、いつもの生き物調査ではなく、トキになりきってのエサ取りです!
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トキのくちばしに見立て、ピンセットで生きものを探したり、くちばしの感覚でエサをとるトキに代わって、手の感触を頼りにエサとなる生き物を捕まえたり…。謎のボックスにビビる高校生をしり目に、次から次へと生き物をゲットする子どもたち、と本間獣医さん。

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捕まえた生き物たちの種類や重さを量り、カロリー計算も行いました。お腹いっぱい食べるには、こんなにも大変なのか…誰もが体験して感じてくれたようです。普段から生きもの調査をやっている佐渡kids生きもの調査隊の子も、いつもと違った視点での生きものとの触れ合いを楽しんでもらえました。

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最後には、今日一日で学んだこと、感じたことを、人へ伝えるため一枚のポスターを仕上げてもらいました。レンジャーとして、自分の知識や活動をほかの人たちへ伝えることも重要なお仕事です。

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親子で楽しく体験、体感してもらい、そこから学び感じ取ってもらう。めぐり塾の目指すかたちが、今回はだいぶクリアになったかと思います。惜しくも、親子参加が少なくこじんまりした会にはなりましたが、総合高校生と小学生がじゃれ合ったり、初めは遠目に構えていた高校生たちも、遠矢レンジャーや本間獣医さんの気さくな態度に、午後には笑顔を見せてくれたり…参加者同士の触れ合いが何より嬉しいです。

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高校生が最後に描いてくれたポスターの一枚。

トキのため エサ場を増やそう 全国で!!

佐渡から、トキとの付き合い方を広められる若者たちが、今後はどんどん増えていくように!そして佐渡の恵みを実感できる機会を作れるように!めぐり塾、第3回は来年1月末の予定です!
※次回以降の開催のお知らせや主催者の(一社)佐渡生きもの語り研究所さんの情報はこちら)

今回ご参加頂いた皆さま、そしてご協力頂いた関係者の皆さま、本当にありがとうございました! 

 

今日は朝から、幻想的な風景と出くわしました。慌しく職場に出勤すると…。

なにやら田んぼから、道路に白い靄が流れ漂っています。
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稲刈りをした田んぼから立ち込める朝露の湯気、とでも言うのでしょうか。 
(仕組みを語ると少し情緒に欠けるので、やめとこ。)

夜の冷え込みが嘘のように、朝はあたたかな太陽の光に包まれています。朝から日向ぼっこがしたくなる陽気です。

いかん、いかん。お仕事、お仕事! 

雨が降ったり止んだりの今朝は、新穂小学校へお邪魔してきました。1時間目の授業が始まる前の15分間、子どもたちが毎週楽しみにしている時間があります。

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朝のちょっとした時間を利用した絵本の読み聞かせ。ボランティアの方々が毎週木曜日にやって来て、自ら選んだ絵本を各学年ごとに読み聞かせしてくださっています。

読み聞かせが終わると、子どもたちは1時間目の授業に入ります。ボランティアの方々もこれでさよなら、かと思いきや、皆さん別室に集まって、先生や図書館司書さんも交えて、情報共有の時間。それが何とも和やかで、大人の読書会のような、楽しいひと時なのでした。

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自分が読んだ本について紹介し合ったり、子どもたちの反応を話したり。読み手はベテランさんもいれば、生徒の親御さん、読み聞かせの勉強をした地元の方など様々です。自分が大好きな絵本を子どもたちに…。子どもたちと絵本に対する愛情が、このボランティアが5年も続いている秘訣なのかもしれません。

「子どもたちの聞く姿勢が素晴らしい!」と皆さん口を揃えて話してくださいましたが、読み聞かせに関わる大人たちの真っ直ぐな姿勢が、子どもたちにも伝わっているのだと思います。

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帰る前に、校内の図書室を案内してもらいました。畳スペースまである立派な図書室は明るく、授業で調べものをしに子どもたちがやってきます。休み時間になると、本を返しに来た女の子たちが、カウンターごしに図書館司書さんと楽しそうにおしゃべりをしていました。先生とはちょっと違う立場の大人って、子どもの頃特別に感じたなぁっと懐かしく思い出しました。

毎週木曜日の朝は、子どもたちにとって絵本の時間でもあり、普段交わらない大人との接点の時間でもあるのかもしれませんね。

11月中旬から冬季休館に入る新穂歴史民俗資料館。今年最後の企画展は、さっこりサークルさんによる「裂き織展」です。

毎年恒例となっている裂き織展に合わせて、今年は佐渡の裂き織研究の第一人者、柳平さんの講話が開催されました。
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元相川郷土博物館館長でもあった柳平さんの研究フィールドは海府。厳しい環境のなかで、海府の女性たちが山仕事の合間にたて糸(当時はヤマソやシナ等)を紡ぎ、寝る間も惜しんで古木綿を裂いて織った裂き織は、仕事着として当時の生活のなかに生きていました。

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柳平さんが見せてくれた海府の特徴的な紺色の仕事着。横糸には裂いた木綿布だけでなく、和紙も織り込まれているため、軽量化されていて暖かく、雨で濡れても沁みにくい工夫がされています。

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生活のなかに当たり前にあったものたちも、時代とともにその役目を終えてしまうと、過去の遺物として遠いものになってしまいがちな現代。

柳平さんが織り機を収集し始め、裂き織の講習を博物館でやるようになってから、それまで観光客しか来なかった博物館に、地元の人たちも来るようになったそうです。
新穂歴史民俗資料館も、地元の人たちが、自分たちの文化や生活を振りかえる「原点」のような場所に来年以降もなっていけたら…と感じました。

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柳平さんの講話の後は、さっこりサークルのお姉さま方と新穂小学校の文化祭へ。裂き織に通ってくれた生徒さんたちの作品をじっくり見ながら、「伝承」というもう一つの大きな役割を、みんなで噛みしめたのでした。

○さっこりサークル裂き織展○
会期 : 2015年10月12日~11月11日(水)
場所 : 新穂歴史民俗資料館(佐渡市新穂瓜生屋492)
開館 : 8時30分~17時 ※月曜休館
入館料 : 大人200円 小人100円 ※常設展示もご覧いただけます
連絡先 : 0259-22-3117
 

「新穂ダムの土手、センブリの花が咲きだしたよ」

昨年、松茸狩りに出かけ、松茸の代わりに摘んで帰ったセンブリ。(過去記事)予想どおり、年末激しい胃痛に苛まれ、半信半疑で煎じて飲んだところ、あまりの苦さに全身がビックリ。見事胃痛は一発で治ってしまいました。
(効果には個人差があります。)

そんなわけで、今年も花が咲いたら常備薬に摘んでおこうと思っていた私のもとへ、山野草の大先生黒部さんから連絡が入りました。新穂ダムへ向かうと、土手はきれいに草が刈られた後でした。センブリも一緒に刈られちゃった!?とがっくりしている私の横で、「ほら、そこにあるよ」と指さす黒部さん。丈の小さい子たちが、可憐な花を咲かせていました。

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お目当てのセンブリを摘んだ後は、黒部さんと瓜生屋集落の方々が整備中の山草苑へ。瓜生屋青少年旅行村の管理棟下、道から少し上がったスペースに、ひょろりとした若木が何本も立っています。

「植樹祭で植えたモミジ、ナナカマド、ドウランツツジだよ。ここを新穂ダムの紅葉スポットしたいんだ」と黒部さん。旅行村の管理棟で働いていた黒部さんは、新穂ダムの整備をずっと続けながら、山草会の仲間たちと旅行村のキャンプファイヤー広場に、山草苑を作っています。

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斜面に植えられたモミジが、周りの草木に負けないよう、瓜生屋のおじさんたち草刈り機を片手にズンズンと山へ入っていきました。

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まだまだ小さいモミジの若木も山の紅葉とともに色づいています。5年も経つと、若木もだいぶ大きくなって見応えも出てくるそう。5年後には、新穂の紅葉山になっているかも?

若木の植えられたスペースは、週末家族で余暇を過ごすにももってこいの空間です。ボール遊びなどの際は、衝撃に弱い若木に、気を配ってもらえると嬉しいです♪

お待たせしました!めぐり塾の第2弾が決まりました!

今回の舞台は、私の担当地区である新穂にて、トキと田んぼの世界に迫ります。

11月は佐渡市の生物多様性月間。トキの野生復帰シンポジウムも開催されます。自然界でトキの姿を見る機会も随分と増えました。この風景が「当たり前」と思ってしまう前に、もう一度トキとの距離感、確認しませんか?

レンジャーになったつもりで、トキの生態に迫ろう!
皆さんの参加、お待ちしております♪
 トキ編ポスター

☆☆☆第2回 親子で楽しむ♪佐渡めぐり塾☆☆☆

日時         2015年11月8日(日) 9時~15時 ※9時集合
集合場所   佐渡市トキ交流会館(新穂潟上1101-1)
定員         親子10組20名(要申込・先着順)
参加費      大人1,000円 小・中学生500円※昼食、お土産付!
持ち物      飲み物・雨具・長靴・帽子・あれば双眼鏡
申込〆切   11月2日(月)

※雨天決行
※汚れてもいい格好で来てね♪

☆申込み&お問い合わせ☆
(一社)佐渡生きもの語り研究所 Tel&Fax 0259-22-2658
Mail:ikimon@sado-ikimonoken.jp
※申込みの際は、参加者全員の氏名とお子様の年齢、連絡先をお伝えください。
 

「新穂いいところだよ~」というと、「ん~、でも海ないしなぁ」と返されることが時たまあります、国仲平野、新穂担当のおがわです。

海が近い隊員の地域に行くと「やっぱり海いいなぁ…」なんてちょっと羨ましくなるのも事実。祖母の家も海まで3分のところなので、その魅力は十分承知しています。

ここのところ、米農家さん泣かせの雨が降ったり止んだりの佐渡。昨日もだいぶ降りましたが、夕方には晴れて見事な虹が見えました。 
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この色のコントラスト。もちろん虹もきれいでしたが、その美しさだけじゃないものが、ここにはありますね。だから私は新穂が好き!

虹を追いかけながらの帰り道、馴染みのガソリンスタンドを通ると、空に向かってなにやら携帯をかざしている店員さんが。後ほど「虹の写真撮ってましたね!私も撮りましたよ~」とメールを入れると、お返事が返ってきました。

「虹がきれいと、思える人は、心も虹のようにきれいなんだって。」 

今日は職場に二宮(佐和田)から一人の農家さんがやってきました。

手にはA4サイズにプリントされたカマキリの写真が何枚も。

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「このカマキリ何ていう名前か分かる?分かったら教えてくれんかなぁ」

生きもの初心者の私には到底判断がつかず、(一社)生きもの語り研究所さんにヘルプを求め、ハラビロカマキリの幼虫かな?という結論に。

生きものに対する農家さんのまなざしが、何とも嬉しい 出来事でした。

腹広い トンボにカマキリ ハラビロと呼ぶ 
(農家さんのおかげで、また一つ生きものに詳しくなったぜぃ!) 

今日は新穂潟上に、沢根小学校の5年生12名がやって来ましたよ!

「佐渡学」という授業の一環で、朱鷺のお話を聴いたり、朱鷺の餌場となるビオトープの整備や、生きもの調査が目的です。今日の先生役は潟上水辺の会の皆さん。

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鍬を使ってうったビオトープを、みんなで一列になりながら大行進。

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生きもの調査では、特大のガムシやコオイムシ、ドジョウに子持ちのサワガニとたくさんの生きものが見つかりました。

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今日の体験から、朱鷺のことや自然環境について学んでもらえれば嬉しいですが、それと同時に、この環境を作り、守っている大人たちがいることも、子どもたちに伝わればいいな、とバスから手を振る子どもたちを見送りながら思ったのでした。

佐渡が「朱鷺と暮らす郷」であり続けるために。なくてはならない環境と、人々の想いです。



 

時折、大工道具らしきものを背中に背負い、自転車をこぐ若者を見かけます。佐渡にも不思議な若者がいるもんだなぁと思っていたら、金井千種にある佐渡伝統文化と環境福祉の専門学校に通う学生さんでした。

今まで絡む機会がなく、どこか得体の知れない存在だった専門学校生。そんな彼らと、この夏は色々なかたちで接点を持つことができました!

伝統文化と環境福祉の専門学校で、自然環境保全を学ぶ山田さんが卒業研究のテーマに選んだのが、新穂潟上温泉の活性化でした。その一環として、温泉を中心としたガイドマップを作成するということで、私も微力ながらお手伝いをさせて頂くことに。

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先日は、せっかく作るのだから、地元の人たちにも参加してもらいたい!ということで、「潟上集落の魅力再発掘」をテーマに、簡単なワークショップを開催しました。

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「潟上のここがイイ!というものを僕らに教えてください!」。そんな投げかけに、眉間にしわを寄せながらも一所懸命、皆さんが思う集落の資源や歴史的な出来事を挙げて頂きました。こちらの予想以上の魅力が集まりました!

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私も知らないおススメのデートスポットが出てきたり、まだまだ知らないことだらけ...と目から鱗の夜でした。ガイドマップ完成の暁には、お披露目会が楽しみです♪


専門学生の活躍はそれだけではありません!先週末新穂の北方集落で行われた子どものお楽しみ会では、山田さんと同じ学校で、伝統建築を学ぶ学生さんたちが、子どもたちの先生役に。
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北方の山から切り出して来た竹を、そうめんを流す用に真っ二つに割ったり、めん汁を入れる容器にするために、鋸で切ったり。子どもたちの道具を持つ手に初めはヒヤヒヤしながらも、お兄ちゃんたちと伸び伸び作業する子どもたちに、企画した大人たちもしたり顔でした。

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北方集落では、集落の空き家を、学生たちのシェアハウスとして貸し出す代わりに、今回のような集落行事への積極的な参加を、条件としています。(なるほど!な仕組みです。)

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彼らが佐渡にいるのは、一時的なことかもしれません。それでも、彼らなりのやり方で、この地に証を残してくれていることが何とも嬉しい発見でした。地域おこしって、特定の人が意気込んでやることじゃなくて、色んな人が自分ができることをやって、それが地域の活力に繋がっていくんだ...と、ビシビシと若者たちから良い刺激を頂いたのでした。

なかには、県外から来て佐渡へ就職したいという学生さんも...。良い就職先が見つかりますように! 

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