佐渡地ビールSADO LAND BEERのご紹介 


こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

今回、「かないいねマルシェ」に出店いただいた「クッチーナ」さんが製造販売するクラフトビールを紹介させていただきます。

 

佐渡の金井地区は、大佐渡山脈の麓に広がる地域であり、その豊な水を利用してかつては酒蔵も何件か存在していたと聞いています。今は、加藤酒造(金鶴)の酒造工場が日本酒を製造している地域でもあります。

 

「クッチーナ」さんは、もともと食堂と居酒屋の飲食店を経営されています。コロナ禍による飲食店経営の危機感から新規事業としてクラフトビール製造に約1年前から取り組まれています。従って、飲食店でもありますがブルワリーでもあるのです。

クッチーナ-外観

「クッチーナ」のオーナーである長岡さんのご厚意でブルワリーを見学させていただきました。今回は、その工場のようすを紹介します。

  

【寸胴鍋が2つと冷凍庫があればビールがつくれる】

最初の寸胴では、仕込み槽として麦汁までを作ります。もう一つの寸胴では沸騰釜として麦汁にホップを加えて煮た後に冷却し発酵・熟成します。

 

■クラフトビールの仕込み行程について

丁度このときに「KINZAN(ゴールデンエール)」を仕込み中で既に潰したモルト(麦芽)と真之介が寸胴に投入されていました。


寸胴



まず仕込む前にモルト(麦芽)を潰して寸胴に入れるのですが、これはエキスのしみ出しやすくするためだそうです。
破砕機

この機械で麦芽(モルト)潰します


つぶし方は、麦のカラもそのまま潰します。それは、皮が濾過の役割をしてくれるそうです。

麦芽は、水飴の原料でもあり糖分が豊富なのでその糖分がアルコールに分解されることになります。その後に発酵・熟成行程前で投入されるビール酵母が糖分を食べてアルコールを出してくれます。

 

仕込みの行程では、液体の中のでんぷん質が麦芽糖に変わるように温度管理を行います。この作業が終わると濾過をしながら隣の寸胴へ麦汁を移動させます。寸胴に残った絞りカスにはまだエキス残っているので、さらにお湯をたしながら二番絞りとしてとなりの寸胴に麦汁を移していきます。移したら沸騰させます。これは、殺菌やいやなニオイなどを飛ばすために沸騰させるのだそうです。

しぼり工程

一番絞りの絞りかすにお湯を加え二番絞りを行い、移ったら沸騰させます



この後、沸騰処理が終わったら沸騰釜(二番目の寸胴)を冷やします。ビール酵母は、30度以上で死んでしまうそうで、できた麦汁を冷まして20度まで下がったらそこにビール酵母を入れるのだそうです。

 

仕込み全体の時間は8時間から10時間掛かるそうです。(煮込んで冷えた麦汁に酵母を入れ冷凍庫内のビニール袋内に移すまで)

 

■発酵・熟成へ

ビールの仕込みが終わったら、床置き型の冷凍庫にビニール袋を入れその中に仕込んだビールを移動させます。その後、冷凍庫で発酵・熟成されるのです。

 

発酵・熟成する冷凍庫の電源の先には、0.1度単位で温度管理が出来るサーモスタットが繋がっていて常時庫内の温度管理が行われます。

発酵・熟成



冷凍庫を使っているのは、外付けのサーモスタットが電源をONOFFするので冷凍庫でも問題なく温度管理ができるからだそうで、なるほどです。

貯蔵・熟成期間は約1ヶ月必要で、その期間が過ぎればビールができあがります。完成したビールは、樽詰めされ保管されます。

樽

今回のように一度の仕込みで150L(350mlビン400本ぐらい)の製造ができます。この工場内で仕込みから瓶詰めまで全て行っています。

 

2階には、原料のモルト(麦芽)の保管庫や樽詰め、瓶詰めなどを行う機材がそろっていました。

 

このように、工場設備も工夫されていて小スペースでコンパクトに配置され、最小限の投資が行われ、ローコストに製造が可能な工場でありました。

小さな地域で個性的なクラフトビールを製造し我々が味わえる、クラフトビールがとても身近に感じられ、金井地域にこのようなビール工場がある事を自慢できる事はとても嬉しく感じました。

 

私もこの後にクラフトビールをいただきました。それぞれ特徴があり、それぞれに製造者の意図が感じられ特徴ある味わいを楽しむことが出来ます。ビール製造を始めて1年位で佐渡の酒屋さんや飲食店、ホテルで使ってもらっているそうです。見つけたら是非、味わってみてください。また、近々新潟の三越伊勢丹やイオンさんへも出荷されるそうですので、新潟の方にも飲んでみていただきたいと思います。

ふるさと納税の「さとふる」等でも登録されているようです。

 

■現在販売されているビールの種類は

beerラインナップ-1


写真の左から

1,ONDEKO インディア・ペールエール ホップを大量に加えたビール

 

2,OKESA ベルジャンホワイト

小麦を使用しコリアンダーシードやオレンジピール入り

 

3.KAYANOMI スタウト 黒ビール カヤの実入り

 モルトと黒く炒ったモルトを使っている

 カヤの実をそのまま炒って砕いている

 

4. HONEY FRESH LEMON ハニーエール

はちみつを原料としたエールビール。蜂蜜の香りとコク、なめらかな口あたり、レモンの甘酸っぱさが特徴

 

5.KINZAN ゴールデンエール 新之助入り

 今回、仕込んでいたビール

 

6.KANZOU ペールエール カンゾウとアップルミント入り

 カンゾウは、佐渡の生産者から入手している

 風味のバランスを取るためにアップルミントを入れている

 

7.TANEMAKIZARU ヴァイツェン 小麦入り

小麦麦芽を使用したドイツの伝統的なビール

 

8.ECHIGOHIME 佐渡産越後姫入り

 イチゴの風味が香るビール。スイーツとともに楽しめます
越後姫


■これからの予定

 近々、ラベルのデザインが変更されるそうです。

 今後は、工場をもっと大きくしたいとのことでした。工場も大きくして、多くの方々から味わってもらえるようにこれからもがんばっていただきたいと思います。

 

SADO LAND BEER FACTORY

〒952-1209
新潟県佐渡市千種88‐1
☎ 0259-67-7900

ブルワリー

今年の「かないいねマルシェ」では、コロナ禍もありみんなで楽しくビールを飲むことが出来なかったので、来年以降は皆で楽しくビールを楽しめる時が訪れることを祈っております。これからも地元のビールSADO LAND BEERを応援して行きたいと思います。