立春。
もうすぐ春が来るのかと思うと、心なしかわくわくしてきます。
この日はいつもより風も柔らかく、お日様も少し顔を出しました。
いよいよ暦の上では春を迎えた2月4日。
真更川集落にて「百万遍念仏講」が行われました。
大数珠を持ち、五穀豊穣や無病息災を願って円を描いて1000周回るこの行事は、真更川集落に100年以上伝わるものです。
この大数珠は大小合わせ約1000個の数珠が連なっています。
(当日数えてみると980個でした。元々は1000個あったそう)
約1000個の数珠を持ち1000回回る、1000個×1000回=100万回念仏を唱えるということになるそうです。
集落へ着くと遠くから「カーンカーン」と高く響く音が聞こえてきます。
23メートル、30キロにもなる大きな数珠を持ち、みんなで回っています。
この数珠、みんなで持ってもかなり重いです。肩に力が入ります。
ぶれちゃってますがポーズを決めてくれました。
この大玉の数珠が回ってきたら、それぞれの願いを祈ります。
数珠には一つ一つ梵字が彫られています。
月日が経ち、みんなが回してきたことにより少しずつ薄くなってきたそうです。
みんなが回るこのリズムを操っているのは、こちらのお母さん方。
この太鼓のリズム、お母さん方のさじ加減により、「ドコドコドコ」と突然早くなったりするのです。
そのリズムの速さが変わったと同時に、今まで穏やかに歩いていたみんなが走り出します!!
走って、
走って、
走って、
走りまわる!!!
そんな中、クールに数を数える数取役の長老
オオ~~~~~!!!!と子供から大人まで雄たけびを上げながら走り回ります。
ぶつかってみたり、数珠を人に巻いてみたり、押したり押し出されたり、はちゃめちゃにぐるぐる走り回ります。中には転げてしまう人も。
これがむちゃっくちゃ楽しいのです。
走り回る時間もお母さん方のさじ加減。
リズムが元に戻るまで続きます。
そして、リズムが戻るとまた歩きだします。
朝から休むことなくお昼までエンドレスで続きます。
みんなへとへとです。
こんなに汗をかいたのはいつぶりでしょう・・・
最近はみんなずいぶん大人しくなっちゃって、無理やる人がいなくなっちゃったんだよ、昔はわざと抜けそうな床を踏み落として穴を開けたりしていたよ、もっと激しくて毎年命がけでやってたんだよ、と集落の方が教えてくれました。
命がけの百万遍・・・・それはぜひ見てみたかったです・・・
一旦数珠を置き、みんなでお昼休憩。走り回りお腹もぺこぺこです。
あわびやブリ、いごねり、炊き込みご飯などなど豪華なご飯をたくさん頂きました。
真更川のお母さん方が、前日からおいしいご飯をたくさん準備してくれました。ごちそうさまでした!
お昼ご飯の後は歩いたり走ったり、またノンストップで回ります。
ばんざーい!
私自身初めて参加しましたが、正直こんなに楽しい行事だとは思っていませんでした。みんなで一緒に回りながらたくさん笑って祈る、とっても和やかで素敵な真更川の百万遍。
こんなに楽しかったのですから、一年みんな健康で平和に過ごせるに違いないですね。
今回は約45名の方が参加したそうです。協力隊メンバーも駆けつけてくれたり、集落外や島外からの参加者もいらっしゃいました。
しかし高齢化のため、集落内の回し手の数は少なくなってきています。
興味を持った方いらっしゃいましたら、筋肉痛を覚悟の上、来年ぜひ数珠を回しに来てください。
楽しいですよ~~!