佐渡市地域おこし協力隊サイト

佐渡市地域おこし協力隊全メンバーによる活動報告のサイトです

佐渡市地域おこし協力隊サイト

味噌

2017年4月から小木町・宿根木地域を担当させていただきました岩瀬祥子です。

今年度の“地域おこし協力隊活動報告会”が中止となりましたので
このブログで、ひとつ活動報告をして任期を終えたいと思います。

       *************

一年目は地域の集まりごとへ参加したり、地域の任意団体の事務作業をしたりと
活動内容の方向性や自主性が薄かったように思います。
二年目は出産と育児のため一年お休みしたことが良かったのか、
三年目はひとつやりたいことに挑戦してみようと考える時間になりました。

私はもともと農家になりたくて夫婦で佐渡に移住しました。
やりたいことは田畑に出て土をいじること。
それをいかにして協力隊の業務に結びつけるか・・・
考えながら、大豆のちょっと変わった栽培方法に挑戦しました。

その作業の流れをざっとご紹介します。
大豆は種を畑に直接播いて育てる方法が一般的かと思いますが、
私が挑戦したのは育苗箱(トレイ)で苗まで育て、その最中にいろいろと手を加え
多収をねらう方法です。
20190604101400022019060410160000
6/4種蒔き。育苗箱に床土を入れて種を播き、しっかり水やり。寒冷紗をかぶせた上に赤玉土で覆土。

2019061011040001
6/7苗箱の底から根が出てきたので、寒冷紗ごと覆土を取り除き、太陽光に当てる。
天気が曇りだったため二日間。二日目の夕方に再び軽く覆土。

2019061313070002
ぐんぐん育っていきます。苗箱への播種量が多かったようで混み合いすぎました。

201906131310000120190613131300002019061316380002
6/13~子葉が開ききる前に摘心と、根を残さないよう断根(左図から右図)。
それを育苗培土を入れたトレイに挿していきます。

2019062708480000
6/21~定植。摘心した子葉の付け根から二本の芽。これが“多収”となる理由。
予め鶏ふんをたっぷり入れておいた畑に定植。
7畝歩の広さの畑に、2000苗を植えました。

7月末、追肥と中耕。
2019080913020002
8/9花が咲き始めた頃。主茎が二本!

8月末、倒伏防止のための支柱立て。
(草取りと草刈りは随時!)


2019102810500000
10/18~葉が落ちてサヤを振るとカラカラ音が聞こえてきた頃に収穫。
屋根のあるところに広げて追加乾燥。


2019102913570000 - コピー
10/29~脱穀。豆たたき棒を集落の方に借りて、ひたすらたたいて五日間。


こうしてとれた大豆の総量は約60㎏!台風等の影響により、
目標の量には及びませんでしたが、良い豆がとれました。


さて、育てながら考えていた大豆の使い道・・・

       *************

担当地域の宿根木では、住民間の交流とふれあい、健康づくりを目的に
年に6回サロンを開催しています。そして私はその副代表。
ワークショップのような形で味噌仕込みをしてはどうだろう!
と呼びかけたところ、
20200110131600012020011013190002

年季の入った道具をお借りすることができ、(現役で使われているもの)
2020011214500000
84710850_486376688964147_1417352092581888_n
1/12 老若男女が集う、賑やかな味噌仕込みが開催できました。


またその翌週には、子育てを楽しむ仲間の集まり「つくしんぼ」さんにも
企画を持ち込み、ママたちとの味噌仕込みを楽しみました。
DSC06175
ちょうどインフルエンザが流行りはじめ、参加は予定していた人数の
3分の1ほどでしたが、好反応だったのでまた企画したいと思います。


6月の種蒔きから1月の味噌仕込みまで、
それから人と人とが、
つながった活動をできたことが良かったです。
簡単ですが、活動報告とさせていただきます。
三年間お世話になりました。

       *************


担当地域であった小木町と宿根木集落は、それぞれ次の協力隊を募集中ですので、
ご興味のある方は佐渡市ホームページをご覧ください。
https://www.city.sado.niigata.jp/info/data/2020/0221_4.shtml




冬の間、あまり見ることのできない青空を、
今日は久しぶりに、見ることができました。


IMG_7671

冷たい風が吹いていましたが、久々に感じた陽射しが嬉しく、
青い海を横目にわくわくしながら車を走らせ、向かった先は、関集落。

とあるご家庭の「味噌づくり」に密着しました。

DSC_0514

「味噌」は、私が佐渡へきて感動したものの一つでもあります。

味噌は購入するものだと思っていた私にとって、
家庭で仕込んだ味噌を使った食事が日々の食卓にあがるというシンプルなことが、
とにかく感動的でした。

家庭で造られる味噌がどのようなものであるのか、一度見てみたいと思っていた時、
私の想いを見透かしたように、一本の電話が掛かってきました。

「今から味噌つくるから、見に来な~~」

というわけで、本日は、味噌づくりについてレポートしたいと思います。


DSC_0462

こちらの家庭は夫婦二人暮らし。

味噌づくりに使う大豆の量は、1斗と7升
1升=10合なので、大豆170合ぶん、ということです。

DSC_0494

なぜこんなに・・・・・・

と思いますが、親戚や子供に送ったり、自家消費したり、保存食を作る際にたくさん使ったりしていると、あっという間に無くなるのだそうです。

「昔から、味噌と米は貴重な食べ物だった」と語るお母さん。
こちらの家庭では、たくさん作って保存して、3年ほど熟成させてから食べるのだそうです。

近頃は、味噌づくりをする家庭も少なくなってきたようですが、
以前は、数軒がまとまって味噌を作っていたとか。

これには、ある理由があります。

DSC_0492

茹で上がった大豆をすりつぶす、この機械。
どこの家庭にもあるものではないですよね。

DSC_0469


味噌をつくるために、この機械を麹屋さんから借りてくる家庭が多かったそうで、
一台を数軒が交替で使用するよりも、数軒分の大豆を一回でまとめて擦ってしまおう。という流れがあったようです。
(その他にも理由があると思います)

DSC_0497

漁師であるこちらの家庭では、魚を加工するための機械を、現在は味噌づくりのための「すりつぶし機」として活用していました。

DSC_0504

夫婦二人三脚です。

もっと昔は、家庭にある臼と杵で、大豆をすりつぶしていたとか。
機械が導入されたことで、「数軒がまとまるスタイル」に変化していったのでしょう。

DSC_0528

大豆のすりつぶし作業が終わると、塩が投入されました。

保存食を作るための大切な調味料にもなる味噌ですので、
塩は、すこし多めに入れます。

DSC_0540

よーくかき混ぜます。

混ざったら、荒熱を取るため一旦休憩。

DSC_0563

そして、

DSC_0572

次は、この麹を入れていきます。
ちなみに、こちらの麹は、お隣の高千地区で造られたもの。

DSC_0585

麹を入れたら、ひたすら混ぜます・・・・
大豆のゆで汁を少しずつ足しながら、適度な柔らかさになるまで混ぜまていきます。

DSC_0520

この茹で汁も、後で煮物に使うため、最後までとっておきます。
これで作った煮物が、「なめぜ」と呼ばれる郷土料理なのです。
(はやく食べたい)

DSC_0589

そうこうしているうちに、いっちょあがり。

これを、

IMG_7682

まとめて・・・・

DSC_0611

味噌蔵へ運び・・・・・

DSC_0612

樽の中へ・・・・・

ここから熟成に入ります。

あぁ、はやく食べたい。


こちらの家庭には、これまでにも何度かお邪魔しており、
毎回、母ちゃんの手料理を頂いては、ほっぺたを落としています。

それもそのはず。納得の調味料が、ここにはありました。

私は、外海府の「暮らし」に、日々、感動しています。

DSC_0619

余談ですが、今回の味噌づくりで、大豆が茹であがるのを待ちながら、たくさんお喋りをしました。

地元の方との会話から、おもしろい発見があったり、新たな知識を与えてもらったり・・・
その一つ一つが、これからの人生に生きていくものばかり。
味噌づくりを通じて、また一つ、貴重な体験をさせていただきました。


ちなみに、以前にも、本ブログで片野尾の味噌作りについて紹介がありました。
こちらも是非ご覧ください。

http://sado-chiiki-okoshi.blog.jp/archives/1050454047.html


大寒入りし、またこの季節がやってきました。

岩崎隊員の味噌作りのブログを見て、「先越されたぁ!」と思いつつ、島のあちらこちらで味噌作りが今年も始まったのだと実感しています。日本の歳時記が、まだまだ生きているのも佐渡のいいところ。

IMG_5323

私も週末、地元グループ「ゆきつばき会」の糀の仕込みを手伝いに行ってきました。ゆきつばき会特製の「とき味噌」は、糀から自分たちで作るこだわりお味噌です。

IMG_5327

蒸した米を麹菌が死んでしまわない温度まで冷ますと、種菌をお米に振りかけてよく擦り込みます。お米に傷をつけて菌が付きやすいようにするのだそうです。 

糀になるまで3日。これから2月頭まで、毎日糀の仕込みが続きます。手作り糀と佐渡産大豆、そして天然塩だけで作られた、昔ながらのおふくろの味。ファンが多いのも納得ですね。

私も昨年初めてお味噌づくりを教えてもらいました。1年経った私の手前味噌、そろそろ味見してみようかな! 




月布施集落の方が味噌を作るとのことで、見学してきましたー!

毎年親戚で集まり、協力して味噌づくりをしているそうです。

IMG_3021


「味噌って簡単に作れるんだよー?」

(な…何ですって?!)


レシピをお聞きしました!
―――――――――――――――――
大豆        7.5㎏
麹          5.6㎏
塩          4.5㎏
大豆の煮汁   適宜
焼酎         適宜
―――――――――――――――――
確かに…。材料はこれだけ。簡単に作れそうですね!


行程も「煮る・潰す・混ぜる」で終わりです。

IMG_2960IMG_2995

①:1日水に浸した大豆を、鍋で煮ます。
ポイント:親指と中指で豆が潰せるくらいが煮上がりだそうです。

IMG_3013IMG_3012

②:①をミンサーで潰します。

※家で作る場合はミキサーや大豆を袋の中に入れて瓶などで叩いて潰すそうです。


IMG_3002




IMG_3016IMG_3025

③:②に塩を加えて、馴染ませます。

IMG_2958IMG_3027

④:粗熱をとった③に、麹を加え、馴染ませます。

IMG_3033IMG_3040

⑤:④の仕上がりが耳たぶくらいのやわらかさが理想だそうです。固い場合はゆで汁で調節。調節し終わったら、丸めて団子をいくつも作っていきます。

ポイント:丸めることで味噌の中の空気を抜くそうです。


IMG_3042IMG_2952

⑥:⑤を容器にいれていき、敷き詰め、ならします。表面に焼酎を塗り、ラップなどで密閉。木の板などをかまし重石をのせ、完成です。


IMG_2968


一か月に一回かきまぜ、半年くらいで出来上がるそうです。(写真は一年モノ)
市販のものより塩分が強めなので、味噌汁などで使うときは半量で良いそうです。

IMG_2984

帰りにちゃっかり頂きました!

んー!半年後が楽しみ。

IMG_2982

こうやってみんなで集まって世間話しながらって楽しいですね!

IMG_3008

物を大切にすることも、とっても大事。
自分が年を取って、次の世代に同じように伝えていけることって、いくつあるんだろう。

IMG_3022




IMG_3068

貴重な体験をさせて頂き、本当にありがとうございました!!

このページのトップヘ