佐渡市地域おこし協力隊サイト

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岩首昇竜棚田

こんばんは!
みなとオアシス佐渡両津担当の棚村です。

【佐渡市地域おこし協力隊インタビュー】
こちらのシリーズでは、佐渡に在籍する地域おこし協力隊が日頃どんな業務をしているのかについて紹介する自己満足のシリーズとなります。
今回は11月に退任した 岩首集落担当 村山 凜太郎(むらやま りんたろう)隊員 にインタビューしました!

岩首談義所の閉鎖から『岩首めぶきラボ』立ち上げに関わった村山隊員の奮闘記!

・棚田の可能性を探った3年間
・棚田の荒廃から起こりうる負の連鎖
・岩首とこれからも


ご一読いただけますと幸いです。

【note】佐渡市地域おこし協力隊インタビュー (1)


👆記事を読む方はこちらの画像をタップ!
※現在のブログの表示の都合上、隊員全員の記事を次々に書くと初期の投稿が埋もれてしまう可能性があるため記事本編はnoteで読むことができます。


みなとオアシス佐渡両津推進担当
棚村 麗乃


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 もうひと月経ってしまいましたが…824日に岩首談義所にて「竹灯りの集い」が開催されました。
今年で13回目を迎えたこの集いは、竹林整備によって伐採された竹を活かして竹灯ろうを作り、集落内に設置して竹灯りの美しさをみんなで楽しむイベントです。
このイベントは、首都圏から来た大学生が、集落の方々の協力をいただきながら進め開催します。今年は22名の学生さんが来ました。
写真1
 8月上旬、竹灯りの集いに間に合うよう集落の男性陣によって竹の伐採、運搬など下準備が進められます。お盆には、竹の伐採、運搬の手伝いに学生やOBが来島し、暑い中での下準備の大変さを感じていました。822日から学生が岩首集落に集まり、開催に向けて最終の準備が始まりました。竹の伐採を体験したり、竹筒の洗浄、竹筒をどんなデザインで配置するかなど毎日朝から夕方まで準備します。
写真3竹の伐採
写真2岩首談義所へ伐採した竹を運搬

写真4竹筒をひとつひとつ拭き上げます

滞在する学生たちの食事は、学生たちが朝・昼・夜の当番制で作ります。今年は、岩首集落で採れた野菜やイカをふんだんに使ったメニューを考えました。そして、集落の女性にお手伝いいただき一緒に作ってもらうようにしました。学生たちは、アジフライを揚げたり、イカをさばいて刺身や煮つけにしたりと、都会から離れて初めての経験ばかりだったようです。
新鮮な食材と手間暇かけて作られた料理はどれも好評でした。毎食、食べ残しなしで下げられてくるお皿を見ると一安心しました。
写真5
写真6イカのさばき方を習いました
写真7みんなで揃ってのごはん。食事リーダーから毎食メニューの発表がありました。

 竹灯りの集い当日は、お天気にも恵まれ、風もなく穏やかでした。岩首談義所周辺だけではなく、海沿いの道路、坂道にも竹灯ろうを並べました。学生みんなで考えた図案を画家の小川温子さんにデザインしてもらい竹筒で描きました。

たそがれが近づくと、竹の中に入れたろうそくに学生や集落の子どもたちが連れ立って火をと灯し、竹灯りの集いを開催しました。談義所では、来場者への振る舞いや岩首余興部による鬼太鼓の披露、竹を打楽器にした佐渡バンブークラブ「サドラム」による演奏もあり、賑やかな催しとなりました。写真8竹のアーチに願いを込めた短冊を吊るしました写真9竹の打楽器が設置されました写真10竹の打楽器は子供たちに大人気!

写真11集落の子供たちも参加しての点灯式写真12


写真13岩首昇竜棚田の風景をデザイン

写真14
集落内外からたくさんの方にお越しいただきました。
里山の竹を使った作業や岩首の集落の人との交流を通して、学生にとって心に残る佐渡での日々となったと思います。


816日、18日 アース・セレブレーション2019佐渡体験プログラムの1つ「ぬか釜で幻の岩首昇竜棚田米を炊こう!」が岩首集落で開催されました。両日ともに11名もの方に参加いただきました。

この体験プログラムは、まず、岩首の竹でコップと箸を作っていただき、その後、岩首昇竜棚田でとれたお米を「ぬか釜」で炊いておむすびを作っていただき、棚田を見ながら召し上がっていただくという内容でした。

1決定版

コップと箸の製作では、集落の男性陣が先生となってもらいました。参加者が1人ずつ竹の切れ端を受け取り、自由に加工してもらい、世界に1つだけのコップと箸を完成させました。

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 凝った細工をほどこした箸も出来上がりました。

炊飯とおむすび作りでは、集落の女性が先生です。ぬか釜は、米を脱穀したときに出てくる「もみがら(すりぬか)」を燃料にしてご飯が炊ける釜です。初めて見られた皆さんは、興味津々で説明を聞いていました。参加者に実際にもみがらに火をつけてもらい、待つこと20分。

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ぬか釜にもみがらを沢山入れて、ご飯を炊く準備です。


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木ぶたを開けると、ご飯がツヤツヤにたきあがって「わあ~」という歓声があがりました。

炊きあがったご飯は、一人ずつ実際におむすびをにぎってもらいました。おこげはしょう油を加えて味付けしました。最後におむすびを竹の皮で包み完成です。この竹の皮は、岩首の竹林で採れたものです。下処理は集落のおばあちゃんに教えてもらいました。今は簡単に便利な包装資材が手に入りますが、竹の皮の風味や美しさにはかないません。

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「おむすびを初めて作るよ」、「地元の竹で包んだ棚田米のおむすびなんてぜいたく!」といった声も聞こえてきました。

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海外から来られた方にとってはどれをとっても未体験。試行錯誤をしながら、いろいろな作業を楽しんでもらいました。竹やお釜といった佐渡の里山の恵みを使ったオモテナシに感激されていたようでした。

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16日はあいにくの雨だったので岩首談義所(旧岩首小学校)での昼食となりましたが、皆さん自分で作ったおむすびをおいしそうに召し上がっていました。18日は快晴!おむすびのお米のふるさと「岩首昇竜棚田」へ向かいました。展望小屋までの最後の400mは、バスから降りてみんなで歩いて登り、道中で眺望を楽しんでもらいました。

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展望小屋に到着する頃には、ちょうどお昼の時間。棚田と海を見ながらの特別な昼食会です。自分で作ったおむすびと岩首産のおかず。そして、眼下に広がる絶景。ここでしか味わえない貴重な体験に、参加された方はいずれも、感動されていました。海外からのお客様は、梅干しは大丈夫かな?と思いましたが、とても気に入っていただけたようでした。自分たちで作った竹のコップで飲む佐渡番茶はほんのり竹の香りがしたそうです。

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短い時間での体験でしたが、岩首昇竜棚田の美しさとそこに暮らす地元の方々との交流を楽しんでいただけました。
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新しい年を迎えました。今年は雪が少ない佐渡です。

岩首集落では昔から守り続けられている小正月行事(賽の神(さいのかみ、せいのかみ)、どんど焼き、鳥追い)がおこなわれています。いずれも五穀豊穣や無病息災を願って続けられてきている行事です。これらの行事には、集落の子供たちが大きな役割を果たしています。

1月14日「賽の神」がおこなわれます。これは厄払いの行事で、子供たちが各家の前で一斗缶や空き缶を叩きながら次の文句を唱えます。


賽の神かんじん とうどや さんぎりちょう 大もうけ 小もうけ  

あっちの家は繁昌し こっちの家は上作し 

銭も金もわくわく 賽の子は13人 銭も金もわくわく


集落の大人たちは今でもこの文句をスラスラと唱えられます。子供の頃の記憶は、何十年経っても残っているんですね。 

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昔は、家々の壁を叩いていたそうですが、今は壁の代わりに缶を叩きます。
一生懸命叩くので、缶がへこんでいきます。

岩首郷土史によるとこの行事は、明治の頃から始まったそうです。集落の大人たちが子供だった頃は、男子中学生が担っていたそうですが、子供が少なくなった今は小学生も加わっています。

供たちが回ってくると、各家ではお菓子や果物などを渡します。昔は、お茶碗にお米を入れ渡していたそうです。お米が貴重品だったことがうかがえます。

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集落全戸を回ると日が暮れます。そんな中、缶を叩く音と子供たちの文句が響きました。

翌日15日は「どんど焼き」です。島内ではトウドヤとかトウライヤと呼び名がいろいろあります。岩首では、7日に子供たちが集落の家々を回り、飾ってあった松やしめ縄を集め、それらを焼きます。

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この火で焼いたお餅とイカを頂きました。この火で焼いたものを食べると病気災難を除けると言われています。

最後は、どんど焼きの灰に水を加え炭を作り、その場にいる人の顔に塗っていきます。大人も子供も関係ありません。顔中に塗られます。子供たちに混ざって大人も加わり大騒ぎです。これも健康を願っておこなわれる立派な習わしです。

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炭で黒くなった顔で家路につきました。
鏡を見て驚きましたが、今年は元気に過ごせそうです。

16日は「鳥追い」です。田畑を鳥の被害から守ることを祈念して行われます。朝まだ暗い430分、子供たちが集落を3周し、最後は神社で唱えます。

京の鳥と 田舎の鳥と 渡らぬ先に 七草あてて トホンボー
四郎左エ門の田の畦に 白い黒い寒鴉 追うて頼む 田の神さん トホンボー
十六日は 月の出 粉餅のか欠片は 今朝ばかり トホンボー

小正月行事は子供たちの役割が大きく、それを集落の大人たちが見守り、支えています。こうして昔からの年中行事を集落が大切にし、受け継いでいくんだと感じました。これからもこの農村文化を守り続けてほしいと思います。

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