佐渡市地域おこし協力隊サイト

佐渡市地域おこし協力隊全メンバーによる活動報告のサイトです

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昨日、仕事終わりに小木の隣にある羽茂(はもち)へ行ってきました。
目的は、草苅神社で公演される薪能をみることです。
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かがり火が焚かれ、その中で能楽が演じられる「薪能」。
人生初めての能楽鑑賞でした。
私にとっては高尚な世界で、ただ幻想的な雰囲気が心地よかったという感想です。
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神社に到着した時は、開始にはまだ時間があったので拝殿へお参りに行きました。
すると、地面を見ながらうろうろしているおじいさんがいて、
「佐渡市指定の木の若木があるんだよ~」と教えてくれました。
「アテビ!ですか?」
「そうそう、これなんか5年くらいじゃないかな。」
(佐渡弁でお伝えできずごめんなさい。。)
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ほぉぉ~、アテビはゆっくり成長する木なんですね。(立地条件等にもよるのでしょうが。)
先っちょの淡い緑色が、今年伸びた部分だそうです。
たまたま居合わせた地元のおじいさんに、境内の木をいろいろ教わりました。


能を見に来ていた人々の中にも、手を振り合うくらいの関係性の知り合いが
10人くらいいて、佐渡に徐々に馴染んできた!?とニンマリ。



そして(?)あさって18日(日)には、小木で
「佐渡小木 たらい舟・さざえ祭り」が開催されます。
芸能ステージや、たらい舟競漕の他、さざえのつかみ取りもあります!
日本海浜汁の無料振る舞いや大抽選会はなくなり次第終了ですので、
ぜひ朝からお越しください。

ネコも宣伝中!   ん?・・・魚狙い!?

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先月31日、猿八・越敷神社では「-能・人形浄瑠璃・サックスと光の共演-越敷神社共同舞台」が開催されました。今年で3回目の開催を迎えた今回、約120人の方が見に来てくださり、盛大な拍手の中で舞台は幕を閉じました。
共同舞台には、たくさんの方の協力があり、舞台にかける思いが込められています。公演から少し時間が空いてしまいましたが、舞台準備の様子をふまえてご紹介したいと思います。

7月28日。この日は越敷神社の拝殿にある板戸、柱、敷居を外す作業が行われました。
作業前の越敷神社(舞台側)
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東側と南側の板戸を外していきます。
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板戸を外した状態(南側)
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次に2本の柱を外します。大人5人がかりで柱を支えます。
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次に敷居を外します。
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拝殿の床は雑巾で水拭きし、ぬか袋で磨いて艶を出します。
力と根気のいる作業です。
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ぬか袋は手ぬぐいを縫い合わせて作った手づくり。
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7月29日。この日は外に観客席(30脚)を並べました。
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スタッフが続々と到着し、舞台上の準備が始まりました。出演者・スタッフが一緒になって照明機材を設置します。
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今回は天井から球型の照明を吊り下げることに。下の写真は取り付けの様子。
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31日当日。本番前の舞台。
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境内の石段にはLEDランプ、灯篭にはろうそくを設置。
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本番当日。開演して間もない様子。まだ薄っすら明るい。
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過去に越敷神社で能が上演された記録が残っているのは大正時代のこと。
その後は長期にわたって舞台として利用されることはなく、集落内でも神社の拝殿が能舞台になったところを見た人はいなかったといいます。
 
共同舞台を開催するきっかけとなったのは、「鳥越文庫※」の名前にもなった早稲田大学名誉教授の鳥越文蔵先生が、2013年に知人だった舞台に携わるメンバーを連れて猿八を訪れたことによります。
来訪された方を猿八在住で人形遣いをしていた西橋さんが越敷神社に案内した際、その場にいた全員で公演を決めたそうです。その背景には、伝統芸能の魅力を知ってほしい、猿八の環境と越敷神社を活かした舞台を創りたいという共通の思いがありました。

試行錯誤の結果、再現されたのがこの共同舞台です。
能、人形、そしてサックスという、個性的な組み合わせに、猿八の夜の暗闇を利用した「光」が合わさり、この斬新な演出が観客を魅了する要素となっています。

越敷神社には他の能楽堂のように立派な舞台設備はありませんが、だからこそ今あるものや舞台に関わる人のアイデアや技術が活かされ、かえって出演者と舞台を支える人、そして観客の「距離」を近づけているように感じます。みんなで作る舞台だからこそ、猿八の魅力が引き出され、猿八でしかできない舞台になる、そんなふうに感じました。


なお、当日の公演の様子がBSジャパンの「招待席」という番組で取り上げられる予定です。(9月を予定)
興味のある方はぜひご覧ください。


※鳥越文庫
早稲田大学名誉教授であり、元早稲田大学坪内博士記念館演劇博物館館長である鳥越文蔵氏が寄贈した演劇関係の図書約2万冊を収蔵する。1998年に開館。 開館時間:午前9時から午後5時まで 休館日:水曜日、第3金曜日、12月28日から翌年1月3日まで

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