佐渡市地域おこし協力隊サイト

佐渡市地域おこし協力隊全メンバーによる活動報告のサイトです

佐渡市地域おこし協力隊サイト

里山里海

佐渡島の豊かな里海でとれた新鮮な魚を、島外の人に調理して楽しんでいただこうと「オンライン魚さばき教室」を企画しました。

 新型コロナウイルスの感染が広がり、さまざまな活動が制限されている中で、今回は、地元岩首の漁師さんと都市圏にお住まいの方々のご自宅の台所をインターネットでつなぐ「オンライン形式」で開かせていただきました。

1
 魚のさばき方を教えてくださったのは、岩首集落で家族で漁業を営む女性です。
普段から島内の学校を訪問して、たくさんの子どもたちに魚料理や魅力を伝える活動をされている、とても頼もしい方です

NewImage003
 感染症拡大の影響で、これまで盛んに行なってきた対面の体験や交流の活動が中止となっていたところ、今回、活動の幅を広げるという実験的な意味もかねて、オンラインの講師役に挑戦していただきました。うれしいことに、この企画に東京と大阪にお住まいの方4名に参加いただきました。

料理教室に先だって、各ご家庭に佐渡の海でとれた、アジ、ウマヅラハギ、スルメイカの3種類の魚介に、魚料理にぴったりの岩首棚田のお米も一緒に入れて、お届けさせていただきました。
メニューは盛りだくさん!

・アジのお刺身とたたき、

・ウマヅラハギのお味噌汁、

 ・スルメイカのゴロ煮
3
 実は、今回の教室に先だって、モニター試験も行なっており、その際は、イナダを送って、いろいろな魚料理を作っていただきました。 
その時のお客さんからの反応もよかったということもあって、

「これで準備OK!万全の形で本番にのぞめますね」
とお話をしていました。

 しかし、開催日が近づいてくると、予定していたイナダの水揚げがなくなったため、急きょ魚種を変更させていただく形となりました。
「大丈夫かな…」
と内心ドキドキしていましたが、私の心配をよそに、講師の先生の明るく柔軟な対応で、終始なごやかな雰囲気で順調に進んでいきました。

4

主役のアジは3枚おろしに挑戦しました。
包丁はまな板と平行にしてくださいね
骨にたくさん身がついても気にしないでくださいね。あとで使いましょう
皮をはぐのは難しいですよね。残っても大丈夫ですよ
包丁の動かし方や、さばく順序など、1つずつポイントを押さえながらお伝えしました。

5
あれっ?

えっ!
進めるごとに不安そうな声もモニターの向こうから聞こえてきました。

途中で皆さんの様子を見せていただくと、上手にさばいていてホッとしました。

6

ウマヅラハギは、上品な白身と脂が乗った肝を持ったおいしい魚で、佐渡ではコウグリと呼ばれています。スーパーなどでは皮がはがれた状態で売られていることが多いようです。今回は、もちろん、皮をはぐところも体験していただきました。ペリペリと音を立てながら、きれいに、しかも意外と簡単に皮がむけていきます。参加者から楽しそうな歓声があがりました。

スルメイカはワタと胴体を離し、スミ袋を取り除くまで、ていねいに1つずつコツをお伝えしました。
8
 魚さばきの合間には、佐渡地域振興局の職員さんから佐渡の里海と里山、世界農業遺産などをPRしていただきました。

9
 慣れないオンライン形式で伝え方の難しさもあり、とまどうことも多かったですが、一緒に魚料理を体験しながら、ゆっくりと時間を共有することで、地元の方と交流を深めていただくことができたのではないかと思います。
10-1

参加された皆さまからは、

「気軽に旅行に行けない状態でしたが、今日は旅先に来たような雰囲気で参加できました。」

「ていねいな説明で一生懸命伝えようとしている事がひしひしと伝わりました。」

「佐渡の皆さんとの話も楽しく、やさしい雰囲気でリラックスして取り組めました。料理したものはどれもおいしく(ご飯も最高!)、作ったものが夕飯でそのままいただけるというのも良いですね!」

「佐渡島への興味もわいて、あの素晴らしい棚田をいつか必ず見に行きたいなぁと思いました。佐渡島ステキですね!」

「初めてのオンラインの料理教室でしたが、想像以上に楽しかったです。」

「和気あいあいとして親戚同士で調理しているような雰囲気がとても良かったです」

「慌ただしい毎日の中で、とてもリラックスできました」

たくさんのうれしい言葉をいただきました。
11-1
都会で暮らす人たちもさまざまな制限を受けて過ごされています。
そんな中で、普段の生活からしばし離れ、佐渡の人とお互いにモニターや魚に顔を「間近に」近づけて、楽しくお話をしながら、一緒においしい料理をつくるというとても楽しい時間と場所をつくることができました。

「佐渡が大好き」

「佐渡で頑張っている方を応援したい」

「魚さばきって楽しそう」

「写真で見た棚田と海の景色の美しさに魅了されて」

皆さんそれぞれの「思い」で参加くださいました。

佐渡の海で働く漁師さんのお話を実際に聞きながら、1つずつ手ほどきをうけて、自分の手で1つずつおいしい魚料理をつくっていくということは、普通の旅行ではなかなか得られない経験だったのではないかと思います。
オンラインの集まりには、良さ・悪さ、両方があるかと思います。
けれど、新たな挑戦で、活動の幅を広げることができました。
初めての試みで、至らない点も多々ありました。
今後に生かしたいと思います。


こういった取組を通して
「佐渡の魚介類やお米を食べてみたい」
「いつか佐渡島へ行ってみたい」
「佐渡のあの人に会いたい」
という思いを持ってくれる人を少しずつでも増やしていくことができればいいなと思っています。

12

そして、次はどんな企画をしようか…思案中です。

 このイベントを開催するにあたり、企画、集客、撮影などたくさんの方に協力をいただきました。

みなさんありがとうございました!

先日、岩首集落で行なわれているわかめの出荷作業をお手伝いさせていただきました。
生わかめは佐渡に来て初めて食べました。柔らかく、ほんのり磯の香りがします。わかめがこんなに美味しいとは知らずにいました。

このおいしいわかめは、私たちの食卓に届くまでに、たくさんの人の働く手を通っています。

岩首わかめ (8)
朝早く、ベテラン男性2人(70代と80代!)が颯爽と船で出港!沖で大切に育てたわかめを収穫してきます。今年は豊漁で、この日もたくさんのわかめを船に積んで戻ってきました。

岩首わかめ (9)
漁港では、女性たちが船を出迎え、船に積んであるわかめを木箱に入れて作業場に運びます。わかめは思っていたより重さがありましたが、みなさん軽々と作業を進めていきます。

岩首わかめ (1)
岩首わかめ (10)
収穫したわかめの大部分は、乾燥わかめにして出荷しています。

作業は、まず最初に陸揚げしたわかめを水で洗い、次に茎とめかぶを切り、最後に吊るして乾燥庫へ入れます。皆さん慣れた手つきで作業を担当しつつ、進捗を見ながら持ち場を変えてテキパキと働いていました。

岩首わかめ (7)
岩首わかめ (11)
私は、わかめを吊るす作業をお手伝いしました。洗濯物を干すよう順番に竿につるしていきます。わかめの大きさは大小様々です。乾きやすいように幅の広い大きなものは吊るす隙間をあけたり、端に吊るすなどしていきます。
すべての竿にわかめを吊るし終えたら乾燥庫に移し、乾燥させます。
岩首わかめ (2)
作業の合間の休憩。みんなでおしゃべりしながら、こびり(佐渡弁でおやつ)をいただきました。

岩首わかめ (3)
休憩のあとも作業を続け、半日で乾燥庫が満杯になる量のわかめのカーテンができました。

岩首わかめ (5)
この日は、生わかめも出荷しました。手際よく切り揃えられたわかめは、発砲スチロールにきれいに詰められて市場へ出荷されました。

岩首わかめ (4)
乾燥後のわかめは、作業小屋の2階で袋に詰められます。乾燥したわかめに、少しだけ蒸気を当てて、きれいに折り曲げ、きっちりと長さをそろえて袋に入れていきます。

ひとつひとつ丁寧にすべて手作業でおこなわれ、袋詰めされていました。

岩首わかめ (6)
ここで働いている方は70代以上で高齢者と呼ばれる年齢の方々ですが、高齢者と呼ぶのが失礼なほど元気で生き生きと働いています。みなさんを見ていると、歳を重ねても働くことの大切さを感じます。

おいしいわかめをいただけるのは、佐渡の里山里海の恵みとそこでたくましく働くみなさんのおかげです。毎日感謝しながら、春の旬を楽しみたいと思います。


このページのトップヘ