地域おこし協力隊 羽茂地区担当の澤村です。

もう1週間前になってしまいましたが、業務が休みの秋晴れの日曜日、友だちが耕している田んぼで稲刈りを手伝ってきました。


田んぼは山間の開けた場所にあります。
標高が低い場所にある田んぼからは1~2週間遅れての稲刈りです。


この田んぼは完全無農薬で、機械はまったく使わずに昔ながらの農機具を使い、手作業でお米を作っています。
稲刈りも、すべて鎌を使っての手刈りです。


みんなが作業のときに着ている野良着も、繕われて大切に着続けられてきた昔ながらのもの。
見た目はレトロですが、動きやすく作業しやすくて、とっても着心地がよいです。
僕は、腰巻の鮮やかな「協」マークをポイントに、コーディネートしてみました。


前日の土曜には、師匠に教わりながら、たくさんの鎌の刃を砥石で砥ぎあげて準備しました。
なかなか一苦労です。


稲刈りでは、ひたすら稲を鎌で刈り、乾燥した藁で稲をくるくるっとまとめて、手だけでぎゅぎゅっとしばります。
説明するのは簡単ですが、これがけっこう難しい。


しばった稲は、はざかけを行って、天日と自然の風で乾燥させます。


乾燥させる方法もさまざまで、岩手にいる友人の田んぼでは、垂直に立てた木の棒に藁たばを交互に干す「ほんにょ」というやり方をしていました。


手刈りはかなりハードな作業です。
水分補給やおやつなど、ときおり休憩時間を設けます。


日陰に吹く風が、とても気持ちいい。

何百年も前からほんの数十年前まで、日本のあらゆる場所でこんな風景が見られていたのでしょう。


たまたま通りかかった車に乗っていた人たちが、僕たちの稲刈りをめずらしそうに見ていました。

僕も写真を見返していて、今もアメリカで昔ながらの生活を送っているアーミッシュという人たちのことを思い出しました。


刈り取りが終わった夕暮れの田んぼでは、虫たちを観客に、小さな楽団がヴァイオリンでバッハを奏でていました。
宮沢賢治の世界ですね。