今年で2年連続となりましたが、1月3日に、月布施集落の毘沙門堂にて行われた、
「堂押しという奇祭に参加してきました!
1700年代から続く行事。(享保末年から元文ころまでに成立。)
25歳と42歳の厄男にあたった者を、ふんどし姿の男衆が担ぎ上げ、堂内を押し回り、振り回すことで厄を祓います。
この堂押しは、市の無形民俗文化財にも選ばれています。
ふんどし衆は鬼(おに)と呼ばれます。
このように担ぎ上げられながら堂内を押し回ったり、
手足をつかまれ振り回されたりします。激しいです!
堂内にある囲炉裏で豆がらを焼いているのですが、
この囲炉裏の炎の上を駆け抜けることが、厄を払うという点で最も重要だそうです。
にしても、熱いです!
厄年ではないのですが、今年も担いで頂きました。
「来年は減量して参加します!」
という約束を果たせなかったことをまず初めに謝罪…。
…脂がしたたるくらいたっぷりと炙ってもらいました。
押し回り、振り回され、炎の上を駆け抜けた後、魔法の呪文のような言葉
「しゃんしゃんしゃんとせ おしゃしゃんのしゃんとせ」
と唱えて、終わります…。
おしゃしゃん…。
今年は私を含む5人の方が、担がれ、行事を終えました。
この最後に唱える言葉の意味を知りたかったのですが、担ぎ手の鬼の方に聞いても
「良く分からない」
とのことで…。
図書館に行き堂押しについて調べても、この言葉の意味についての書いてある文献は見当たらなかったです。
気になって夜も眠れなくなった私は、毘沙門堂の堂守さん(堂の番人。堂を守っている人。)である脇坂さんのお家に、お話を伺いに行きました。(最初からそうすれば良かった。)
―脇坂さんご夫婦―
「しゃんしゃんしゃんとせ おしゃしゃんのしゃんとせ、とはいったいどういう意味なのですか?」
と聞いたところ、
「昔は、しゃんしゃんしゃんとせ、おっしゃりさんのしゃんとせ、と言っていたんだけどねぇ…。」
とのこと。
おしゃしゃん✕ おっしゃりさん〇
このおっしゃりさんというのは、月布施集落で昔からとれ大事にされている、お米のような形をした白っぽい石のこと(石自体はセキエイ)を言います。
大昔、弘法大師さんが月布施集落を訪れた際に、白いお米のようなものを撒いた物が、このおっしゃりさんに変わった、という言い伝えもあるそうで。
堂守の脇坂さんも、あくまで推測らしいのですが、
しゃんとせ=しっかりしなさい
おっしゃりさん=月布施集落の代表的な石。つまり大きく言えば月布施、月布施の人を指す。
ということから、
「しっかりしなさい。月布施の人ならしっかりしなさい。」
という意味なのではないか。と、おっしゃっていました。
これならすんなりと意味も通る気がしますね!
月布施集落の方で、丁度おっしゃりさんを探しに行くという方がいたので、同行しました。
思ったより早く見つかりました!粘土質な岩の中に、お米のように丸くて小さなセキエイが入っています。
これがおっしゃりさん。
堂押しという行事からジオパーク的な話までに広がり、地域の伝統ある行事と、そこの風土は、やはり深い関わりがあるんだと、実感。
300年も続く、無形民俗文化財の堂押し。
担ぎ手の高齢化もあり、月布施集落の方達だけでは、継続は難しくなってきています。
あくまで地域が主体となり、また地域が望むのであれば、この伝統を、自分のような人間などが、もう少し輪の中に入り、守っていければと強く感じます。
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