美味しいモノ大好きの福田です。
前回のブログにも書いた、魚の鮮度・食味向上の為の技術講習会の様子を書きたいと思います。
その前にちょっと寒ブリについて・・・
今はちょうど「寒ブリ」のシーズン、佐渡や氷見でブリが獲れています。
ブリは成長するにつれて名前が変わる出世魚で、地域で名前が異なるので、
ここではブリと表記します。
春、水温20℃前後の九州周辺で孵化した全長数cmのブリの稚魚は、海藻の合間で
プランクトンを捕食しながら成長します。やがて回遊魚であるブリは対馬海流に
のって日本海を北上し、餌が豊富な北海道沖で成長して、秋から冬にかけて産卵の
ためにまた九州沖に戻る1年をたどります。
ちょうどこの時期、産卵に備え脂ののった状態のブリは、佐渡から石川県の輪島沖を通過します。海が時化ると、回遊しているブリは、荒れた外洋を避け、富山湾などに逃げ込みます。それで、能登半島が日本海に張り出している地形的理由や歴史的な食文化などで、氷見は日本で有数のブリのブランド産地です。

冬のブリは脂がのっています。諸説ありますが、一説には アブラ➜ブラ➜ブリ の説が有力とあるくらい脂ののったブリは好まれてきました。また、大きくなるにつれ名前が変わる「出世魚」で縁起が良いと 正月に食べられている歴史もあり、
北陸地方では多く食べられています。
ところで、佐渡の寒ブリは氷見に揚がる寒ブリとまったく同じで美味しいブリです。しかし、TVで放送されたとおりブランド力で正当な評価を受けていないと感じます。
実際、10kgのブリで氷見と佐渡の市場価格では10,000円の差があります。
そこで、少しでも付加価値を付け、佐渡ブランドとして高い評価をしてもらえる
ように、佐渡全体の技術向上への第一弾です。



今回の鮮度・食味向上の為の技術講習会も、ブリに限らず佐渡産の魚全体に、より鮮度の良い魚で、より美味しい魚を消費者に届けられるよう、そして商品に対し正当な評価を受けられるように、また佐渡ブランドを向上させるためという強い想いがあります。
漁師を目指す後継者の育成や漁業の継続が困難な今日にあって、佐渡の魚(海産物)が正当な評価を受ける事で、安定した収入を得ることが佐渡漁業の活性化には
必要と思います。
今回の技術講習会の「神経締め」は、全国では一般的ですが、新潟では海も近くて環境が良かったために普及しなかったもので、弾正さんたちは普及させようと取り組んでいます。
釣れた魚をそのまま放置したものを「野締め」といい、これに対しエラから急所を刺し、尾ひれに切れ目を入れて血抜きするものは「活け締め」です。
さらに進んで、切れ目を入れた尾ヒレから神経に脳までワイヤーを入れ、処理したものを「神経締め」といいます。
ここまで処理すると、生臭さはまったくありません。最初の野締めと味を
比べると、数段違います。
魚の旨さについても教えて下さいました。

・第一のピークは魚が死んでから硬直するまでの間に、筋肉中のエネルギー物質(ATP)が分解して生じる甘味を主体とした旨味(イノシン酸主体)。硬直が始まると、この旨味の生産は停止します。
釣れた魚を活〆して晩御飯時に食べると美味しい。ちょうどこの時間ですね。
・第二のピークは死後硬直が終わったあと、細胞が自己消化して生まれる
アミノ酸類の複雑な旨味(熟成味)。熟成が更に進んでいくと腐敗していく。
適切な活け締めをすると・・・
1、死後硬直までの時間が長くなり、旨味のピークは高くなる。
2、旨味の第一ピークが高いほど第二ピークも高くなる。
3、旨味のピークが高いほど保存期間が長くなる。
・・という3つの法則があります。
死後硬直部分を輸送時間に充てると、消費者に届くときちょうど旨味がピークになる訳です。
美味しい「寒ブリ」にはちゃんと訳がありました!!!
大変な手間をかけています。
今回教えて下さった弾正さんは、網で獲ると漁獲量は多いが、網の中で魚と魚がぶつかり、魚にとってストレスになり、また身も傷んでしまう為、1本釣りでブリを
釣り、船上で「神経締め」をすることで、高品質なブリを消費者に届けることを実践しています。
1本釣りで神経締めした寒ブリの旨さは食べてみるとわかります!!!

普及に尽力されている方、一生懸命講習会に参加されている方を見ていると、佐渡産ブランドの寒ブリも高く評価される日はそう遠くないと感じました。
出世魚「ブリ」の成長過程の名前の変化
関東:ワカシ・ワカナゴ➜イナダ➜ワラサ➜ブリ
関西:ワカナ・ツバス➜ハマチ➜メジロ(イナダ)➜ブリ
北陸:ツバエリ➜コゾクラ➜フクラギ➜アオブリ➜ハナジロ(ガンド)➜ブリ
山陰:ショウジゴ➜ワカナ➜メジロ➜ハマチ➜ブリ
九州:ワカナゴ➜ヤズ➜ハマチ➜メジロ➜ブリ➜オオウオ
この弾正さんの寒ブリを食べたYさんも絶賛していました!
長文失礼しました。
前回のブログにも書いた、魚の鮮度・食味向上の為の技術講習会の様子を書きたいと思います。
その前にちょっと寒ブリについて・・・
今はちょうど「寒ブリ」のシーズン、佐渡や氷見でブリが獲れています。
ブリは成長するにつれて名前が変わる出世魚で、地域で名前が異なるので、
ここではブリと表記します。
春、水温20℃前後の九州周辺で孵化した全長数cmのブリの稚魚は、海藻の合間で
プランクトンを捕食しながら成長します。やがて回遊魚であるブリは対馬海流に
のって日本海を北上し、餌が豊富な北海道沖で成長して、秋から冬にかけて産卵の
ためにまた九州沖に戻る1年をたどります。
ちょうどこの時期、産卵に備え脂ののった状態のブリは、佐渡から石川県の輪島沖を通過します。海が時化ると、回遊しているブリは、荒れた外洋を避け、富山湾などに逃げ込みます。それで、能登半島が日本海に張り出している地形的理由や歴史的な食文化などで、氷見は日本で有数のブリのブランド産地です。

冬のブリは脂がのっています。諸説ありますが、一説には アブラ➜ブラ➜ブリ の説が有力とあるくらい脂ののったブリは好まれてきました。また、大きくなるにつれ名前が変わる「出世魚」で縁起が良いと 正月に食べられている歴史もあり、
北陸地方では多く食べられています。
ところで、佐渡の寒ブリは氷見に揚がる寒ブリとまったく同じで美味しいブリです。しかし、TVで放送されたとおりブランド力で正当な評価を受けていないと感じます。
実際、10kgのブリで氷見と佐渡の市場価格では10,000円の差があります。
そこで、少しでも付加価値を付け、佐渡ブランドとして高い評価をしてもらえる
ように、佐渡全体の技術向上への第一弾です。



今回の鮮度・食味向上の為の技術講習会も、ブリに限らず佐渡産の魚全体に、より鮮度の良い魚で、より美味しい魚を消費者に届けられるよう、そして商品に対し正当な評価を受けられるように、また佐渡ブランドを向上させるためという強い想いがあります。
漁師を目指す後継者の育成や漁業の継続が困難な今日にあって、佐渡の魚(海産物)が正当な評価を受ける事で、安定した収入を得ることが佐渡漁業の活性化には
必要と思います。
今回の技術講習会の「神経締め」は、全国では一般的ですが、新潟では海も近くて環境が良かったために普及しなかったもので、弾正さんたちは普及させようと取り組んでいます。
釣れた魚をそのまま放置したものを「野締め」といい、これに対しエラから急所を刺し、尾ひれに切れ目を入れて血抜きするものは「活け締め」です。
さらに進んで、切れ目を入れた尾ヒレから神経に脳までワイヤーを入れ、処理したものを「神経締め」といいます。
ここまで処理すると、生臭さはまったくありません。最初の野締めと味を
比べると、数段違います。
魚の旨さについても教えて下さいました。

・第一のピークは魚が死んでから硬直するまでの間に、筋肉中のエネルギー物質(ATP)が分解して生じる甘味を主体とした旨味(イノシン酸主体)。硬直が始まると、この旨味の生産は停止します。
釣れた魚を活〆して晩御飯時に食べると美味しい。ちょうどこの時間ですね。
・第二のピークは死後硬直が終わったあと、細胞が自己消化して生まれる
アミノ酸類の複雑な旨味(熟成味)。熟成が更に進んでいくと腐敗していく。
適切な活け締めをすると・・・
1、死後硬直までの時間が長くなり、旨味のピークは高くなる。
2、旨味の第一ピークが高いほど第二ピークも高くなる。
3、旨味のピークが高いほど保存期間が長くなる。
・・という3つの法則があります。
死後硬直部分を輸送時間に充てると、消費者に届くときちょうど旨味がピークになる訳です。
美味しい「寒ブリ」にはちゃんと訳がありました!!!
大変な手間をかけています。
今回教えて下さった弾正さんは、網で獲ると漁獲量は多いが、網の中で魚と魚がぶつかり、魚にとってストレスになり、また身も傷んでしまう為、1本釣りでブリを
釣り、船上で「神経締め」をすることで、高品質なブリを消費者に届けることを実践しています。
1本釣りで神経締めした寒ブリの旨さは食べてみるとわかります!!!

普及に尽力されている方、一生懸命講習会に参加されている方を見ていると、佐渡産ブランドの寒ブリも高く評価される日はそう遠くないと感じました。
ちなみに、この「寒ブリ」を食べてみたい方は、高千漁協 弾正さんまで。
漁獲量が少ないので、ご希望に応じられないこともありますのでご了承ください。
高千漁協では、四季を通じ、いろいろな旬の魚が水揚げされています。
佐渡漁業協同組合/高千支所 0259-78-2010 まで!
佐渡漁業協同組合/高千支所 0259-78-2010 まで!
出世魚「ブリ」の成長過程の名前の変化
関東:ワカシ・ワカナゴ➜イナダ➜ワラサ➜ブリ
関西:ワカナ・ツバス➜ハマチ➜メジロ(イナダ)➜ブリ
北陸:ツバエリ➜コゾクラ➜フクラギ➜アオブリ➜ハナジロ(ガンド)➜ブリ
山陰:ショウジゴ➜ワカナ➜メジロ➜ハマチ➜ブリ
九州:ワカナゴ➜ヤズ➜ハマチ➜メジロ➜ブリ➜オオウオ
この弾正さんの寒ブリを食べたYさんも絶賛していました!
長文失礼しました。
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