飲む前に香りが立つまで煎り、茶葉のできあがりです。できあがったお茶を煮出して飲んでみました。香ばしく、すっきりとした味でした。

昔は、山へ仕事に行く際にお茶をたっぷり煮出してやかんに入れて持って行ったそうです。
「うちでは、夏の頃、茶葉を枝ごと刈り取ってきて、大きな焙烙(ほうろく)で丹念に煎り、一年分のお茶として保存していたよ」と、おばあさんが懐かしそうに話してくれました。手作りのお茶をたっぷり飲めるとは、なんと贅沢なことでしょうか。
茶摘みをしながら「親戚が昔飲んだあのお茶の味が忘れられないから、お茶を作って欲しいって言われるんだけど、手間がかかって今は無理だな」という話を聞きました。確かにお茶作りは手間暇がかかります。だからこそ、手作りしたお茶は、記憶に残る味になると感じました。
この夏には茶葉だけではなく枝ごと刈り取りお茶を作り、地域のみなさんと一緒に飲んで、なつかしい味を楽しみたいと思います。