佐渡市地域おこし協力隊サイト

佐渡市地域おこし協力隊全メンバーによる活動報告のサイトです

佐渡市地域おこし協力隊サイト

伊藤英敏(金井地域センター地域支援)

こんにちは。

佐渡市役所 金井地域センター 地域おこし協力隊の伊藤です。

 

佐渡 金井地域では田植えも終わり、畦の草刈りに奮闘する毎日が始まっています。

佐渡市は、島全体が「トキと共生する佐渡の里山」世界農業遺産に認定されていますので、他の地域と違い除草剤などを使わないで、日々草刈りを行っているのです。

草を枯らすこともないので、景観が維持され美しい田園が広がる島でもあります。このように、環境に配慮した取り組みが、CO2削減にも少し貢献しているのではないでしょうか。

 

大和田の棚田-1

緑豊かな佐渡の棚田



今回は、タイトルの通り藤津川水系上流にある秘境 黒滝、白滝を探しに行ってきました。

※タイトルに「秘境」としたのは、ルートが完全に整備されていない急斜面を行く行程だからです。

 そのため、十分注意が必要です。行かれる方は、入念な準備を怠らないようお願いします。 


入山までの道路は、
防衛省管理道路を登り航空自衛隊 佐渡隊分屯基地から400m程下に林道地獄谷線への分岐があります。この道路を進むと黒滝、白滝の入り口らしき看板が見つかります。

 道路標識

 

暫く林道を進むと、既に根元から折れて道の脇に横たわる看板に出会います。
看板-001

道路脇に横たわる特徴ある看板

 

この看板を目印にスタートします。スタート地点から踏み固められた山道を進んでいきます。このあたりが標高550m、大佐渡山脈の妙見山(1042.2m)、旧キャンプ場や白雲台周辺からの水が集まり流れに変わっていく場所です。

 滝の場所-1

こんな、場所を目指します

スタート地点の山道-1

中央の山道を進みます

  

最初は、尾根伝いに踏み固められた山道を進むので、迷うことはありません。更にピンクのマーキングも所々に取り付けられていてマークを確認しながら山道を進むことができました。

少し進むと急斜面に変わります。滑らないようにゆっくり進んで行きました。更に下っていくとマーキングがされた杉の木が見えてきました。

 

最初の杉林-1

杉の木のマーキングと人工林らしき杉林

 

マーキングを確認ながら道を探すのですが、このあたりからは道らしきものがしっかりと判断できなくなってきました。見渡せば、マークが続いているので、それを頼りに下って行きました。

 

この杉林、人工的に植えられたようですが、こんな山奥まで昔の人が植えたのかと思うと驚きます。杉林を抜けると直ぐに黒滝が見えてきました。

 

新緑の黒滝-1

最初に見えた黒滝

 

更にマーキングを確認しながら滝壺に降りました。

 もみじと黒滝-1
モミジと黒滝

 

何ともいい場所にモミジが生えていました。モミジと黒滝、秋の紅葉が楽しみになります。

そして、シャッタースピードを遅くしてもう一枚。

 黒滝-2

黒い岩肌と岩肌に白く糸を引く滝



黒滝の動画

 

今度は、もう少しアングルを変えて、全体をとらえました。

黒滝-3

新緑に包まれる黒滝

 

一瞬、日差しも差し込んできました。新緑に包まれる黒滝です。近くからでは分からなかったのですが、遠くから滝を見ると、一段上にも滝が存在することが分かります。

 

黒滝を堪能したあと、白滝を目指します。白滝は、黒滝より約50m下流にあるとのことですので、川伝いに降りることにしました。

しかし、黒滝のルートとは違ってマーキングも踏み固められた山道も見つかりません。危険が無いように注意しながら下流を目指しました。

 

確かに、50m程でしょうか水の音が強くなってきました。川の方に近づくと滝壺を見下ろす形で見えてきました。

最初の白滝-2
 
最初に見下ろした白滝

 

このあたりから滝壺へは、周りは崖、適当な場所も見つからず危険なので降りることをあきらめました。

 

仕方なく、そのまま南方向の斜面へ向かって、左手に川を感じながらゆっくりと下って行きました。そして、さらに進んでいくと杉林が見えてきます。ここからはかなり急な斜面でしたが、崖ほどの急傾斜ではないので、木につかまりながら降りて行きました。どうやらこの先で川が右に蛇行しているようで、正面遠くに川が見えてきます。


白滝を目指す途中の杉林-1

急斜面に生える杉林、根元が曲がっている

 

黒滝から300m近く下ったでしょうか、今度はその川を右手に見ながら上流を目指します。

更に進むと川に入ることができました。ここからは、沢登りです。装備も林業用 スパイク付地下足袋に脚絆きゃはんですので、滑ることもなく順調に登って行きました。

沢登り-1
 
この沢を登ります

 

今までは、ほぼ下りだったので、ここから登りとなり息も上がります。スパイクがあっても足下は滑る危険があります。ここも慎重に登って行きました。

 

しかし、なかなか白滝は見えてきません。何か滝とも言えない、ちっちゃい滝が見えたなと思って進むとその先が白滝のようです。

 白滝-1

最初に見えた滝

 

しかし、ここからは沢を上がることは出来ないと判断して、右手の斜面に迂回し更に上の白滝本体を目指しました。

 白滝-3

白滝全容

 

上流に向かって右斜面から登り、白滝全体を見られる場所に出たので、全体写真を撮りました。白滝は、何段かの滝で構成されていて上の方にも滝が見えました。これが、最初に見た白滝だったように思います。

 

この高い位置から中段の滝壺へ降りて撮影を行いました。

白滝-4
 
滝壺からの白滝

 

白滝は、見ての通り水が主役の本来の滝です。水流が白い帯を引いていてまさに白滝だと納得しました。


 白滝の動画

 

一方、黒滝は黒い岩が主役。黒い岩に糸を引く白い水の流れが特徴で岩の色から黒滝となったのでしょう。

 

白滝までたどり着くのに苦労しましたが。それぞれ、特徴のある滝を堪能できました。

 

さてこのあとはスタート地点に戻らなければなりません。単純に標高差360m以上を登り返さなければなりません。急斜面を降りた場所もあり、苦労しそうです。

帰り-1
 
帰り道

 

道無き道を登って行きました。急斜面は、枝に捕まりながら体を持ち上げつつの場所もあり体力も奪われます。何とか体力も続き、スタート地点にたどり着くことができました。

 

佐渡の秘境は、いかがでしたでしょうか、佐渡にもこんな場所もあります。このように素晴らしい滝があるので、観光名所にもなりそうですが、整備がされていないので、多くの方に楽しんでいただくことは叶いません。

 

佐渡にはまだまだ、開発の余地がある場所があると実感して帰路につきました。

 

ルートを確認されたい方は、YAMAPから見ることが出来ます。ただし、アカウントが必要になると思います。

黒滝・白滝ルート(YAMAPのリンク)

 ここまで、見ていただいてありがとうございました。

もう6月ですので、私はこの6月末をもって地域おこし協力隊を退任することになります。ブログを見てくださった皆様、3年間ありがとうございました。

また、協力隊活動にご理解いただき支援してくださった皆様にも感謝申し上げます。

 

私は、引き続き佐渡の金井地域、大和田集落で暮らして参ります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

改めて、ありがとうございました。

 


こんにちは。

佐渡市役所 金井地域センター 地域おこし協力隊の伊藤です。

 

佐渡 金井地域では田植えのピークも過ぎ新緑の世界が広がる季節となっています。

とても良い陽気なので、初めて金北山登山にチャレンジしてきました。

 金北山-002

金北山全景

 

ルートは、金井の新保水系から沢口登山口をスタートし、神子岩を経由して山頂を目指します。

沢口登山道の標高が約357m、金北山(キンポクサン)山頂が1172mですので標高差815mの登山となります。

 

当日は、登山届けを提出し山登りの準備もしっかり済ませ、出発しました。

 

【金北山初詣での風習】

登山の工程を書く前に、明治、大正時代から昭和初期までの金北山登山について書きたいと思います。

当時の金北山は、良くある女人禁制の山、佐渡では男の子の成長を願って金北山へ初詣でするのが習わしだったようです。

そのことが大和田開発集落センターに掲示されています。

 金北山登山-001


大和田集落は、金北山の麓にあたる集落なので、このような風習が盛んな頃は多くの人が集落を通り抜けていったと、聞いたことがあります。

しかし、私の子どもの頃は、既にこのような風習はなくなっていました。

 

したがって、私もアンチャン(大人)になるために、金北山登頂を目指さなければならないのです。

 

【登山】

登山口001

車は4WDの軽トラで防衛省管理道路(通称 防衛道路)から右手に折れて新保側沿いを登って行きます。このあたりは、まだ舗装されていますが、直ぐに砂利道が始まります。

 

杉林の道001

 

杉林を抜けて登って行くと金井地域の水源地でもある初盛りダムが見えてきました。

 

初盛りダム001

 ダム湖の横の狭い道を更に進むと、目的の沢口登山口の標識が見えてきます。

 

沢口登山口-1

 

ここから登って行くと、清水が大量に流れる「梵字の清水」に出会います。ここで、水分補給です。

 

梵字の清水

 

梵字の清水から直ぐに兵庫に到着します。ここからいよいよ本格的な登山道が始まります。金北山はそのものがご神体でもあるので、入り口には鳥居が建てられていました。

 

兵庫-001


しっかり、一礼して登山を開始です。

杉林を抜け、すこし明るくなったなと思ったらブナ林が始まりました。


ブナの林-001

 

そこから少し歩を進めると三段滝の表記が見えてきます。それと同時に水が流れ落ちる音も次第に大きくなってきました。しかし、三段滝の標識から下を覗いてみたのですが木の葉に隠されているのか、姿は何も見えませんでした。もしかしたら落葉している時期でないと滝の姿は拝めないかもしれません。


三段滝-001

 

更に歩を進めると地面に倒れた追分の標識が見えてきました。追分からはスケトウザレ方面と神子岩経由方面に道が分岐しています。標識では、片辺へと金北山へとなっています。スケトウザレは、最短コース90分で登れるようですが、一般向けではないとのことで、右方向の神子岩経由を目指しました。

 

追分-001

 

更に進むと金北山へと神子岩への標識が見えて、道が二股に分かれています。

とにかく右のルートを選択して進みます。

 標識-001

 

ここから神子岩までのルートに最初の難所であるロープ場がありました。かなり急な登りで息も絶え絶えに登って行きました。

 

ロープ場-1

 

この急斜面を超えるといくらかなだらかな尾根伝いの道となり、神子岩が見えてきます。

 

神子岩-001


神子岩の合流地点から金北山の縦走路まで標準タイムで1.2時間 1.5Kmの距離です。

麓からは見える神子岩は、天狗岩を尾根伝い下がった場所に見えます。

神子岩-003

 

神子岩のあたりは、ガレ場となっていて慎重に登る必要があります。ですので少しずつ登って行きました。

 

そこから更に進むと天狗岩の標識が現れます。

天狗岩-002

 

天狗岩あたりは、レンゲツヅジの群生地らしく多くの株からオレンジ色に膨らみつつあるつぼみの色が広がります。もう1週間遅れていれば満開の花で埋め尽くす景色が楽したと思います。

天狗岩は、下の写真、右端が由来と思われます。天狗の鼻の様な岩が見えました。

天狗岩-004

天狗岩-001

 

天狗岩から縦走路まで直ぐかと思ったのですが、以外と長い道のりでした。そうこうしていると大きな雪溜まりが見えてきて、標識をみると縦走路に合流したことが分かりました。ここからもう少しです。標識では5分で到着となっています。

 

縦走路-001


ここから山頂へは、急斜面に張り付く雪溜まりから溶け出した水たまりを避けながら登って行きました。

縦走路-002


そして、やっと山頂に到着です。山頂のパノラマをご覧ください。

 

国仲平野を一望するパノラマです。

山頂パノラマ001

山頂の金北山神社両側は、自衛隊レーダー基地の跡になります。

山頂パノラマ002

 

そして、この登山では、いろいろな花に出会いました。

 

金北山道の花-001

金北山登山の総時間は、約3時間でした。私にとってはかなりハードに感じたコースです。初めての金北山登頂、やっとアンチャンになれました。

 

佐渡の最高峰を目指す登山をご紹介しました。海や平野に加えて1000mを超える山もあるのがこの島ならではです。標高差に景勝地が生まれる。金北山へのルートは、一般的なドンデン山から尾根伝いの縦走ルート以外にも、横山登山口、栗の沢登山口、姫ヶ沢登山口、妙見登山口、そして、今回の沢口登山口がありますので、いろんなルートを楽しんでいただければと、思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。


こんにちは。
佐渡市役所 金井地域センター地域おこし協力隊の伊藤です。

 

佐渡市 地域おこし協力隊では、毎月2回 定例の会議を実施し隊員同士の情報交換などを行っています。

 

今回は、私 伊藤が月の進行役となりましたので、他の隊員に金井地域を知ってもらうため、金井の視察会を実施しました。

 

視察した場所は、小学校や保育園が集まる金井の文教エリアとも言える場所にある「伝統文化と環境福祉の専門学校」と大佐渡山脈に近い場所に位置する大規模なバラ園「三太郎農園」です。それぞれの訪問内容をご紹介いたします。

 

【伝統文化と環境福祉の専門学校】

成果展示-001
副校長から学校の説明を受ける協力隊員

佐渡は、神社やお寺など宮大工を必要とする多くの建築物が存在する島です。そういった建物を教材として活用した実習を行いながら技術獲得できる専門学校として島外からも学生が集まってくるのがこの専門学校なのです。

 

今回の隊員視察では、そういった生徒の制作物などの展示品を見学させていただきながら、後藤副校長からご説明をいただきました。



社殿-001

学生が制作した社殿

社殿-002

JAPAN WOOD DESIGN奨励賞を昨年受賞


木造社殿は、佐渡産のアテビ(ヒノキアスナロ)を使い、学生が制作しています。このような社殿は、島外にも奉納されるなどの実績があります。全国的に高齢化や人口減少により神社の維持管理が難しい地域もあるようで、このような社殿のニーズは地域の手助けとして高まっていると思われ、良い取り組みに繋がっているようです。


技能五輪大会-1

技能五輪大会での課題作品

若者が自分たちの技術レベルを競う大会として技能五輪が毎年開催されてます。その大会への出場も行っています。

社殿-003
 正確に再現された社殿の模型


社殿-004

中まで緻密に作り上げられています


 社殿の複製を正確に行い、模型が作り上げられていました。他にも五重塔などの制作物がいくつも展示されています。学生たちはこのように模型を作る実習を行うことで、将来宮大工として手がけるであろう神社仏閣の技術を習得しているのです。今回、その成果を垣間見ることができました。

 

【三太郎農園】


三太郎農園は、佐渡に限らず新潟県内でも大規模バラ園としてバラ好きな人はご存じだと思います。月刊CAREREL(キャレル)のオープンガーデン特集では、バラが咲きほこる様子が表紙となったのが、このバラ園です。

 

今回訪問したときは、ちょうど駐車場の藤棚は藤の花で埋め尽くされていました。他にも、白い色の藤や八重咲きの藤なども咲いてくれており、思いがけず花を楽しむことが出来ました。

満開の藤001

駐車場の藤棚

満開の藤002
園芸品種の藤の花


バラ園の花は、つぼみが大きく膨らんでいる状態で、あと10日ほどで開園となる時期でした。タイミング良くお客様がいらっしゃらないときにオーナーの野螻(ノゲラ)さんからお話を伺うことが出来ました。

園全景

開花間近のバラ園


お一人で作り上げたバラ園の規模、経営状況、苦労話など協力隊メンバーでお伺いし大変参考となるお話をしていただけました。これから咲きほこるバラを観るため、改めてこのガーデンに訪れたいと思います。

ポピー-001

開花するポピー

現在、園内には500品種 600株のバラが植えられています。

毎年、飽きられないようにいろいろと工夫を凝らしているそうです。最近では広場を作ってこども達が楽しめるようにシャボン玉が飛ぶ仕掛けや、噴水、ブランコ代わりのハンギングチェアー、ピカチューもどこかにいるようです。

 

なんとお子様は無料、大人は昨年からワンコイン500円となっているそうです。

 

園内を散策すると至る所にベンチも置かれていて、ゆっくりとくつろぎながらバラを観賞できます。


ばらばら-001

かろうじて咲いていたバラたち



佐渡のイメージは、島、トキ、海、金山、景勝地、神社仏閣、山などが観光のイメージだと思いますが、まだまだ知らない佐渡があると言いたくなります。

  

この日は運良く快晴で、大佐渡山脈が見渡せ、おいしい空気とさわやかな風を感じながら、こころが豊かに感じるひとときを過ごすことができました。

 
バラ園は、5月24日金曜日に開園します。ご興味をもたれた方は、是非とも訪れ、のどかで、ゆったりとした時間を過ごしていただきたいと思います。

集合写真

当日見学させていただいたメンバー



Googleマップの三太郎農園 

※スマホでQRコードを読み込んでリンクから場所の表示が出来ます。
QR-1



こんにちは、金井地域センター 伊藤英敏です。

 

地域おこし協力隊として着任してから3度目の春がやってきました。佐渡の桜も終わりを迎え、現在では山桜が美しい景観を見せてくれています。

 

前回は、走りとなる山菜を紹介させていただきましたが、王道となる山菜が既に続々と芽吹いてくれています。前回に引き続き、春の楽しみとして佐渡の山菜をご紹介いたします。

 

といっても、佐渡特有の珍しいものはありませんが。

 

佐渡では植物を荒らす動物も少ないことから、多くの山菜楽しめます。前回は、自宅周辺で採れる山菜としてワサビの花、コゴミ、ウドを紹介しました。

今回は、もう少し山の方に足を延ばしてワラビ、コシアブラ、タラの芽を収穫してきました。

ワラビ&コシアブラ


■ワラビの収穫

■ワラビの収穫

■ワラビの収穫

車でほんの1分で目的の山に到着です。山には既に思いのほかワラビが芽を出しており次々と収穫することができました。一つ見つけると次々とワラビを発見。あっという間に袋いっぱいになり、これ以上必要ないので次の山菜を探しました。

わらびフィールド-2

■タラの芽の収穫

タラの芽もだいぶ大きくなり、ちょうどよいサイズは残るほどです。高いところに一つ芽を見つけ、とげがあるので慎重に収穫しました。


タラの芽収穫-001

■コシアブラ

コシアブラは、あまり日の当たらない大きな木の下の日陰に育つようです。収穫に意識をとられその様子を写真に収めることを忘れてしまいました。

コシアブラ1

収穫したコシアブラはとりあえず井戸水で洗います。ちなみに下にはワラビもあります。

■ワラビの下処理

ワラビを洗ったら、茎の固いところを見ながら取り除きます。同じように芽の部分もつまんで取り除きます。

ワラビ処理済み-001

いよいよ処理したワラビのあく抜きを行います。最近は重曹をつかっておこなうようですが、我が家の薪ストーブから出る天然の灰を使ってあく抜きを行っていきます。

 

まずは、ワラビに灰を適量振りかけて、灰を軽くまぶします。


ワラビあく抜き-001

あとは、熱湯をワラビがひたひたになるまで入れます。この状態で6時間から7時間そのままにして、あく抜きを行います。


灰を付け置くワラビ

6時間後、灰を洗い流してきれいな井戸水で再びあく抜きを行います。この後、水があくで変色するようなら再びきれいな水にかえます。最終的に澄んだ水になったら完成です。


灰を洗い流したワラビ

■ワラビの料理

下処理したワラビを適当なサイズに切り分けて、簡単に味付けします。

完成ワラビ


私は、シンプルに酒、みりん、だし醤油を少々濃いぐらいに煮出しただし汁を作って、ワラビを漬け込みます。出来たものがこのような感じです。


小鉢のワラビ

ワラビのヌメリと歯ごたえが独特の触感を生みます。とてもおいしくいただきました。

■コシアブラの料理

コシアブラは、天ぷらにするのが多いかもしれませんが、私は炊き込みご飯が一押しです。

コシアブラ独特に風味を感じられてとてもおいしくいただけます。

 

まず、コシアブラですが、洗ったコシアブラのヘタをとって葉っぱと茎部分をお好みのサイズに切り分けます。少々固い茎も炊き込んだら意外と柔らかくなります。コシアブラの量は、お好みです。今回結構な収穫があったのでたっぷりお米が見えないぐらい入れました。

 

醤油ベースの炊き込みご飯は、定番の方法です。手抜きの方法でお米、だし醤油、酒、みりんを加えたら、切っておいたコシアブラを敷き詰めます。残りは、いつもの通りお米の量に必要なお水のラインまで水を入れます。

 

これで、炊き上がるのを待つだけ。とってもおいしそうにでき上がりました。

コシアブラ調理-1

炊込みコシアブラ-3


タラの芽は、この後天ぷらや胡麻和えにしていただこうと思います。

タラの芽-2


ご覧いただきまして、ありがとうございました。



こんにちは、金井地域センター 伊藤英敏です。

 

地域おこし協力隊として着任してから3度目の春がやってきました。丁度4月15日は、佐渡新保八幡宮の祭りの日です。同じタイミングで桜が満開です。ひさしぶりに美しい桜の元で祭りが行われます。

残念ながら、私は家族に不幸があり、今年は祭りに関わることが出来ないので、鬼太鼓を積極的に味わうことが出来ません。

新保宮-002

祭りの準備をする境内

 

春、佐渡では山菜も一斉に芽吹きだし食でも楽しみな季節です。今回は、佐渡の春に楽しめるものとして山菜の楽しみ方をご紹介いたします。

 

佐渡では植物を荒らす動物も少ないことから、多くの山菜が楽しめます。今回は、自宅周辺で採れる山菜として山ワサビの花、コゴミ、ウドを収穫しシンプルに調理してみました。

 

ついでに、勝手に庭に生えているミツバも味わいました。

 IMG_7589_002

この季節、最初の頃にカラシ菜、次に山ワサビの花など私が好きなピリ辛の食材が直売所でも売られたりします。この辛みを味わうためには、ひと手間掛けなければならないのですが、失敗すると辛みが失われますので、一気に下処理をしていきます。

 

■山ワサビの下処理

IMG_7590

先ずは、キレイに洗った山ワサビの花を塩でもんでいきます。

 

IMG_7591

塩を振ったら、板ずりで塩揉みしていきます。

 IMG_7594

もみ終わったら、熱湯(80度)に10秒つけて上げたら直ぐに絞ります。

 

この後、適当なサイズに切って、盛りつければ終わりなのですが、そのまま何もせずに放置すると辛み成分で鼻にツーンとくることがなくなってしまうので、フタがついた容器で保管します。食べるときは、その都度、容器から盛りつけていただきます。


IMG_E7608


IMG_7610

出来上がりはこんな感じです。

■ウドのバター炒め

ウドは新鮮なものに味噌を付けていただいたり、天ぷらにしていただいたりします。

ですが、私はバター炒めがお好みなので、今回もそのように調理しました。

IMG_7601

バターを溶かしたフライパンに塩とコショウで味付けします。


IMG_7602

出来上がりは、こんな感じです。柔らかいけどウドの風味も感じられて、私はこれがお好みです。


■その他

 

ミツバコゴミは湯がきました。

IMG_7598

ミツバは、おひたしにしました。

IMG_7600

コゴミは、茹でてマヨネーズでいただきました。

このあたりのコゴミは、既に大きく葉を伸ばし始めており、もう終わりなのですが、これから標高を上げていくことで、GWあたりでもまだまだ楽しめます。

 

もちろん、コゴミ以外の山菜でも標高により収穫時期が変わってきます。佐渡は、近くに1000メートルを超える山もそびえている、豊富な自然環境が凝縮され変化に富んだ島なのです。

 

いかがですか、佐渡では海の幸だけではなくて、山菜も豊富です。これからも、タケノコ、ワラビ・ゼンマイ・コシアブラ、タラの芽、フキなどが楽しめると思います。

 

まだまだ、知らない山菜もありそうなので、チャレンジしていこうと思います。

 

ご覧いただきまして、ありがとうございました。

 



 


こんにちは、金井地域センター 伊藤英敏です。


大和田公民館-1

 

佐渡では、11月下旬から荒れ模様の天気が続き、夜は雷と強風が家を揺さぶる音にびっくりして目が覚める日もあります。一方で、昼間は雲の隙間から太陽の光が差し込み、美しい虹が頻繁に架かる季節でもあります。これからは、本格的な日本海側の冬が訪れ、雪の季節が迫っていることを実感しています。

IMG_5616

IMG_5570

 

さて、今回は金井地域の公民館活動をご紹介いたします。

私が住んでいる金井地域の大和田集落では、1119日の日曜日に大和田公民館展(文化祭)が行われました。この活動は、佐渡の各地区で行われていると思います。また、金井コミュニティーセンターでは1125日(土)、1126()の2日間、金井展も開催されました。これは、金井地域の方々の創作活動の成果を毎年発表する場となっています。

 

そして、大和田の文化祭ですが、コロナ禍の影響もあり2年ぶりの開催となりました。今回、この文化祭に私も参加させていただきました。おもしろいこころみもあり内容をブログに掲載させていただきます。

 

大和田集落の文化祭は、地域住民の方々が日頃から取り組む創作活動の成果を発表する場となっています。

展示内容としては、作品の展示、子ども達が作成した作品展示、婦人会の成果展示等に加え、婦人会を中心として自分の手作り品や使わなくなった物を持ち寄ったフリーマーケット、集落の方々が育てた農産物を持ち寄って販売する農産物販売などになります。

 

じんのび、婦人会展示-1
婦人会-1



展示作品-1

こども会-1



産直&フリマ-1

もちろん、果物や野菜は取れたてで市場価格よりも安く。オープンから直ぐに売れていく状態です。フリーマーケットも同様でした。

 IMG_7061
農産物の販売

 

特筆すべきは、通常であればこのような販売で得られる収益が、参加者自身の収入となるところですが、ここではその売り上げが集落の子ども会活動に活用されます。

つまり、住民が公民館活動を通じて子ども会を支援するために、いろいろな品々を年に一度用意し直接支える活動を行っているのです。

 

展示品には、それぞれ名前が付けられていて、だれがこれを提供したのか、作ったのかも分かります。目に見える支援の取り組みです。展示する人、売る人、見る人、買う人そしてそれを運営する人が思い思いに参加し、やりがいを感じながら地域に繋がっているのだと感じました。

 

この集落でも子どもの人数が少なくなっており、心配なお話も伺っております。しかし、ご紹介したように、これからも地域の住民が直接子どもたちの成長と地域の未来を支えたいという思いが共有され、コミュニティが築かれていくのだと思います。

 

こんにちは、佐渡市役所 金井地域センター 伊藤です。


金井地区のイベントとして「かないいねマルシェ」が開催されます。

今回は、あらたに伝統文化と環境福祉の専門学校の学生さんから箸づくり体験のワークショップを出店いただきます。

箸完成-1

佐渡市の金井地区にある伝統文化と環境福祉の専門学校には、全国各地から宮大工などの伝統的建築技術を学でいます。今年からは、公務員学科やまちづくり・観光ビジネス学科なども新設され佐渡の地の利を活かした学びの場へと広がっています。

 

「かないいねマルシェ」では、そんな専門学校の学生さん達が檜を材料に箸づくりの体験を提供いただきます。

箸と言っても形はそれぞれです。今回は、全体が四角形になっている「角箸タイプ」、丸型になっている「丸箸タイプ」などがからお好みのタイプを選んで制作をしていただきます。

 

ワークショップのお申し込みは、下記のサイトから行ってください。

制作過程

箸作り用の治具に箸の元となる角材をセットし固定します。

①箸セット_001


② カンナで箸頭から箸先へと自分の持ちやすいサイズに細く削っていきます。

②カンナで削る_001



③ 終わったら順番に箸を回し他の面も削り、4つ全ての面を削ります。

③回して削る_001

④ 次に、箸先を細く削ります。

④先細く削る_001


⑤ 紙やすりで全体に滑らかになるように、そして、自分に合った形になるよう整えます。

⑤紙やすり_001

⑥ これで箸の完成です。

⑥完成_001


 治具を使うと難しい箸づくりの作業も簡単にできるようになります。木工に限らずモノづくりでは、自作の治具によって精度の高い製品づくりがいたる所で行われているのです。

 

さらに、カンナがけで出た檜の削りクズは、袋に詰めて「香り袋」としてもご利用いただけます。

近くにおいて檜の香りを楽しんむ他、お風呂に入れてもいいと思います。

木くずバック_001


 いかがですか、自分自身で自分にあった箸をつくる。このチャンスにこだわりのMy箸を作ってみませんか。

是非、下記のリンクから申し込みをいただきますようお願いします。

 
かないいねマルシェロゴ小
「かないいねマルシェ」

qr_soshiki301041422_小
「かないいねマルシェ」ホームページ

QR_申し込みサイトURL OK

ワークショップ申し込みサイト


こんにちは、佐渡市役所
金井地域センター 伊藤です。


金井地区のイベントとして「かないいねマルシェ」が開催されます。マルシェに出店するワークショップには、昨年に続き「わら縄ない」として「あわじ結びのリース」「しめ縄」づくりを用意しました。

そして、新たに「なべ敷き」づくりの体験も用意することができました。

このページを見ていただき興味をもった方は是非、下記の申し込み情報から参加いただきますようお願いします。

鍋敷きをつくろう-2

「なべ敷き」をつるためには、二本取りでわらを長くなう技術が必要です。なぜかと言うと、なべ敷きの芯に長い一本の細縄を巻く必要があるからです。一回で細縄が出来ればいいのですが、穴に通しながら縄を巻き付ける作業の関係から途中で縄を継ぎ足す必要があり、この点もハードルになりそうです。何とか細い縄を長くなうことが出来れば「なべ敷き」づくりも比較的簡単につくることができると思います。


縄ない-1

縄ないのようす



頑張って、細縄をなってやる!

細縄づくりは、問題なし!

 

こんな方は、是非「なべ敷き」づくりの体験にチャレンジしてください。

毎年 佐渡の鬼太鼓用にわらじを作っている方々が指導者として教えてくれますので、安心してご参加ください。

かつて集落でどの家庭でもお釜さんでお米を炊いていました。炊けたお釜を置くためには「なべ敷き」がないと釜が簡単に倒れてしまいます。ですので、必ず「なべ敷き」は利用されておりました。一家にあたり前にあったモノなのです。

釜と鍋敷-1
 

しかし、今では一般の方々がわらを入手することも苦労されるようになりました。時代とともに「なべ敷き」にお目に掛かることはなくなっていきました。

現在では、佐渡観光の方々にお土産品として販売がされるようになりました。都会では、おしゃれなセレクトショップなどでも販売されており、人気の商品としてその価値も高まっているようです。

 

こんな品を自分自身で作ってみませんか。

「なべ敷き」づくりに是非チャレンジしてみてください。

 

ワークショップのお申し込みは、下記のサイトからお願いします。

 

「なべ敷き」の工程

今回、ワークショップでつくる「なべ敷き」の工程です。

①芯づくりは事前に用意した荒縄から行いますので、丸い芯づくりの難易度は低くなっています。

荒縄の芯-1

荒縄の芯


②荒縄の芯にわらクズを巻きます。

わらを巻いた芯-1

わらを巻き付ける


③さらにラフィア(ヤシの葉を加工した繊維)を巻き付けてキレイな芯の完成です。

ラフィアを巻き付けた芯-1

更にラフィアを巻き付ける


④最後に事前に作った細縄を芯に巻き付けていきますが、途中で足りなくなるので更にわらを継ぎ足しながら細縄を伸ばしてそれを芯に巻き付けて行きます。全体に巻けたら止めの作業をして完成となります。

細縄まき付け途中-1

細縄まき付けのようす


⑤お疲れ様でした。

なべ敷き完成-1

完成です

その他、昨年作成した「あわじ結びのリース」「しめ縄」も体験できます。初心者の方は、こちらの体験をおすすめします。

ワークショップでは、材料は用意されていますので、マルシェ当日は参加費に加えてハサミのご用意をお願いします。

あわじ結び01

「あわじ結びのリース」

しめ縄1

しめ縄

いかがだったでしょうか、できあがったものは、部屋飾りにも使えると思います。自分でつくった唯一無二の品を手に入れませんか。是非、下記のリンクから申し込みをいただきますようお願いします。
かないいねマルシェロゴ小

「かないいねマルシェ」

qr_soshiki301041422_小

「かないいねマルシェ」ホームページ



こんにちは、佐渡市役所
金井地域センター 伊藤です。


金井地区のイベントとして「第2回かないいねマルシェ」が10月14日(土)に開催されます。今回のマルシェでは、
ワークショップとして「かんなくずアート」や「楠木(くすのき)のアクセサリー」をつくる体験ができます。このページを見ていただき興味をもった方は是非、下記の申し込み情報から参加いただきますようお願いします。


さて、皆さん鉋(かんな)のクズ゙は、ご存じですか。

最近、家を建てるときの木材は製材でほとんどキレイな木材となっていて、大工さんがカンナがけをしている姿を見ることはなくなりました。DIYをされる方もせいぜい電動カンナを使うのでカンナがけで出るかんなクズは知らない人も多いと思われます。

鉋(かんな)は、木材の表面をキレイに加工するための道具です。この木材を削ったときに出るのが、「かんなくず」なのです。

かんなクズ-1

かんなクズ

一般の方は、なかなか「かんなくず」を見る機会も少ないと思います。この「かんなくず」にひと手間かければ簡単にアートフラワーをつくることが出来ます。でき上がりは、木のにおいが漂う淡い色合いのバラやボンボンです。つくった後も日が経つにつれて琥珀色に近づき、味わいあるものになっていきます。

アートフラワー-1

バラのアートフラワー


ワークショップで作成するアートフラワーはこんな感じです。

制作過程:

○先ずは、かんなクズを水に浸します。

 これは、制作過程でかんなクズが折れてしまわないようにするためです。

○次に、乾かない間にかんなクズをひねり少しずつ巻いていきます。

 バラの花より簡単なのはアロマボンボンです。型紙にかんなクズを巻き付けてヒモでまとめながらかわいいアロマボンボンに仕上げます。

アロマボンボン-2

アロマボンボン


アロマボンボン-1


その他、昨年と同様に神木でもある楠木(くすのき)のチップからアクセサリーなどを作ります。ペンダントやカトラリーレスト、キーホルダーなどあらかじめ用意した木のチップにサンドペーパーで形を整えながら作成していただきます。いずれも刃物は使わないので安心して制作を楽しめます。

楠木アクセサリー-001

楠木アクセサリ


いかがだったでしょうか。いずれも気楽に制作を楽しめる内容です。自分でつくった唯一無二の品を手に入れませんか。是非、下記のリンクから申し込みをいただきますようお願いします。

かないいねマルシェロゴ小
「かないいねマルシェ」

qr_soshiki301041422_小

「かないいねマルシェ」ホームページ

QR_申し込みサイトURL OK

ワークショップ申し込みサイト

こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

 

佐渡の春は、お祭りの季節です。この時期、佐渡の至る所で祭りが開催されています。金井地域では4月14日金曜日、15日土曜日に新保八幡宮で「新保まつり」が行われました。新保まつりは、「射手」を中心として先のブログでご紹介した「下り羽」などの神事が執り行われます。

 実際の全日程としては、「射手」は最終日の15日土曜日に流鏑馬を行うために13日木曜日からお宮に上がり3日間の神事に参列します。一昔前には、この3日間は境内にある籠所(こもりじょ)で過ごさなければなりませんでした。現在では、そこまでは行わないようです。

 今回は、例祭のようすとして「射手(いて)」と「下り羽(さがりは)」を中心にご紹介いたします。具体的にどのようなことが行われるのか、この神事に関わりがない方には知ることがないと思います。この機会にひとつの記録としてこのブログに残したいと思います。

 

【13日】「射手」が宮に向かう

射手宿にて神主からのお祓いを受け、出立します。

射手宿お祓い

お祓いのようす


出立-001

射手宿から出立


午後、「射手」は介添以下の付き人を引き連れて新保八幡宮を目指して射手宿を立ちます。道すがら、付き人達は「ザーザーホイ」と大きくかけ声を上げながら歩いて行きます。このかけ声がなぜ「ザーザーホイ」なのか現状では分かりませんでした。

出立-002

「ザーザーホイ」とかけ声を掛けながら歩みを進める

  

途中、宮に上がる前に体を清めるため、清めの場所に立ち寄ります。
禊ぎ場-1
禊ぎ(みそぎ)場

体を清めた後、宮に上がり最初のお祓いを受けます。

宮へ-1

本殿でのお祓いを終えて下がった後、本番15日に向けて流鏑馬(やぶさめ)の練習を行います。残念ながら15日は雨になり流鏑馬などの神事は中止になりましたので、幻の流鏑馬となりました。

流鏑馬-001

流鏑馬-002

「射手」による流鏑馬練習

【14日】宵祭り

あたりが暗くなる夜の7時、「射手」は介添を伴い露払い、太刀持ち等の付き人を引き連れ本殿に上がります。

宵祭り-4

宵祭り-3

宵祭り-1

神事のようす

本殿では、灯りを消し提灯の明かりを頼りに宵祭りの式典が執り行われます。

宵祭り-2
宵祭りの「下り羽」

最後に「下り羽」の披露がありました。「下り羽」は神の使いがお越しになることを知らせるため、お囃子でお向かいするものです。宵闇の中、幻想的な神事が執り行われました。【追記】

 

【15日】例大祭

この日も例祭式典が本殿で執り行われます。

例大祭本殿へ-001

例祭のため本殿へ

例大祭式典-001

神事のようす


例祭式典が終わると本殿前で鬼太鼓が奉納されます。

鬼太鼓-001

鬼太鼓が終わると、再び本殿で射手行列のために祭礼が執り行われます。

「射手」は流鏑馬を行うためのお祓い、御神輿のための神幸式(しんこうしき)が行われました。

流鏑馬神事-001

流鏑馬のための神事のようす


神幸式(しんこうしき)は、神輿渡御のために神霊が宿った御神体などを神輿に移して渡御するために行われます。

神輿式典-001
 
神幸式

 

最後に「下り羽」の披露がありました。

 

 下り羽

流鏑馬の衣装姿-1
流鏑馬の姿

鬼太鼓が行われたあたりから雨模様となりました。射手行列、流鏑馬は残念ながら中止となりました。

この後雨の中、「射手」は鬼太鼓を先頭に射手宿に向けて帰路につきました。

 射手宿へ-001

射手宿への行列

 

ご紹介したこのような神事はまだ佐渡のあちこちで執り行われています。しかし、人口減少の影響で各集落の祭りの番にあたった組は「射手」の確保にご苦労されながらも何とかこのような祭典が維持をされているようです。

伝統を守るため、いつまでも続けていただきたいのですが、現実は益々厳しい状況にあると、印象を持ちました。

線-2

【新保まつり】

新保まつりは、金井地域の金井新保、西方、大和田の3集落の産土神(うぶすながみ)である新保八幡宮とその別当である大慶寺のお祭りです。

例年415日に4組の鬼太鼓が各戸をまわって悪魔祓いの舞を行い、新保八幡宮に集結し鬼太鼓が神社正面で乱舞する。その後に射手行列(流鏑馬(やぶさめ)・下り羽など)の神事が行われます。

 

こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

 

佐渡の春は、お祭りの季節でもあります。金井地域では4月15日土曜日に新保八幡宮で「新保まつり」が行われました。新保まつりは、射手を中心として先のブログでご紹介した下がり羽などが参加し神事が執り行われます。鬼太鼓は、射手の露払いの役割も担い、神事と関わりながら各所で鬼太鼓を披露します。

 

金井新保、西方、大和田各集落の鬼太鼓は、この日に向けて準備を行ってきました。今回も大和田集落鬼太鼓の集大成となる一日をご紹介いたします。

 

鬼太鼓は、朝早く始まります。集落の各家を回って厄除けのための鬼太鼓を披露していきます。まずは、朝6時に稽古の拠点でもある薬師堂にて奉納舞をスタートさせ、各家への門付けを行います。我が家には、朝一番に来ていただきました。

門付け001
早朝から集落内の門付けを行います

門付け002

 

雄鬼、雌鬼の衣装は、研智会で用意されますが、袖の部分は鬼役がそれぞれの考えで個性のある生地を用意するのだそうです。どんな人が踊っているのかも、この袖の特徴で分かるそうです。

鬼の袖-001

それぞれ黄色とピンク色の袖を付けていました

 

当日の様子を動画でまとめました。新保八幡宮の境内で鬼が舞う姿をご覧ください。

 

一日の様子をまとめたダイジェスト版

雄鬼の新保宮奉納舞



雌鬼の新保宮奉納舞

映像でも迫力はお伝えできたと思いますが、やはりその場所で観るのとは大きく違います。若者達が力を振り絞って鬼太鼓を奉納する姿はとても感動的です。是非、来年の4月15日午後3時に新保八幡宮へお越しいただきたいと思います。

 先にもお伝えしたように、鬼太鼓は射手を頂点として神事が執り行われます。

神社境内で鬼太鼓の奉納が終わると射手が籠もる籠所(こもりじょ)へ移動し金井新保2組と西方・大和田に分かれてそれぞれの籠所の前で再び鬼太鼓を披露します。

 

籠所-001

籠所-002
西方・大和田集落の鬼太鼓を射手の前で披露しています

 
籠所での披露が終わると、今回は雨で中止となりました射手の神事である射手行列、流鏑馬を待ちます。

その後、射手と合流し露払いとなり先陣を切って射手の住まいである射手宿に射手を届けることになります。帰路では、辻辻で魔除けとなる鬼太鼓を舞ながら移動していきます。道すがら、太鼓やかけ声を聞きつけて近くの家からの見物客を巻き込みながら歩を進めます。

帰路射手行列-001
 
帰路射手行列-002

帰路射手行列-003
辻辻で舞う鬼太鼓

 

射手宿に到着したら、あたりは暗闇に包まれます。その中で改めて鬼太鼓の披露があります。

 

射手宿-001

射手宿-003

射手宿での鬼太鼓

射手宿に射手を届けた後、研智会の方々は射手宿にて祝宴をいただいた後、薬師堂に移動し最後の舞を奉納して祭りの一日を終えることになります。


線-2

【現在の大和田 鬼太鼓】

大和田の鬼太鼓は、国仲系の鬼太鼓で2匹の獅子が絡む勇壮なものです。時代に合わせて先人達が勇壮の中にも華やかさを加えた鬼の舞、絡み合う獅子舞にしようと皆川の金子紋助氏を師事し習得したのが現在の大和田鬼太鼓だそうです。スピード感がある立ち振る舞いや低い姿勢での躍動感ある動きが取り入れられ、以来多くの観衆から高い評価を受けているそうです。

鬼太鼓001
 

【新保まつり】

新保まつりは、金井地域の金井新保、西方、大和田の3集落の産土神(うぶすながみ)である新保八幡宮とその別当である大慶寺のお祭りです。

例年415日に4組の鬼太鼓が各戸をまわって悪魔祓いの舞を行い、新保八幡宮に集結し鬼太鼓が神社正面で乱舞する。その後に射手行列(やぶさめ・下り羽など)の神事が行われます。


こんにちは、金井地域センター 伊藤です。


今回も「かないいねマルシェ」のスピンオフ企画として金井のいいコト探しとして、新保まつりの射手行列でお囃子を行う「下り羽」(さがりは)の稽古風景をレポートします。お邪魔した日は、最後の稽古だったようで、通し稽古が何回かに渡って行われました。

 

稽古と平行して新保まつりの準備作業も着々と進められています。神社境内入口の のぼり旗を掲げる幟竿(のぼりざお)の準備も既に終わっていました。



のぼり旗準備-1

新保宮のぼり竿


「下り羽」は六、七才の男子二人による太鼓打ち、十才くらいの男子二人の鼓打ち、二十才ぐらいの男子二人の笛吹き、それに大人が両側に二人ずつ付いた囃し方で編成されている。「下り羽」と神輿担ぎは金井新保だけが参与します。(引用:佐渡金井町史、八幡宮より)

 との記述がありますが、現在は、少子化の影響も大きく祭り番の集落からこのような子ども達を集めることは叶わない状況となっています。従って、集落の方々は苦労しながら「下り羽」を行える人を何とか集めて祭りを維持しているのだそうで、参加メンバーには2歳や5歳の方もいらっしゃるそうです。


下がり羽指導者-1

指導者の菊池保直さん

 

私は最初「下り羽」の言葉を聞いたとき何だろうと思いました。佐渡では「下り羽」は、祭り囃子(まつりばやし)のことだそうです。私の想像では、祭り囃子に「下り羽」といった曲も存在するようですので、その曲が流れ流れて祭り囃子そのものを「下り羽」と呼んだのではないかと考えました。

しかし、佐渡島内それぞれの祭りで「下り羽」の曲調が異なっているそうで、あっけなく仮説が崩れてしまいました。


後日、「下り羽」について教えていただきました。

そもそも「下り羽」とは、祭りの最初に神の使いがお越しになる前に「神の使いがお越しになる」とお囃子よって皆に知らせるために行われるのだそうです。

もともと「下破」「下端」「下葉」などと呼ばれておりますが、佐渡に伝わり「下り羽」と変化したようです。他に「下り端」などや矢が神の通る場所を切り開く意味で「下り矢」とする地域もあるそうです。【追記8/25

 

【参加者の稽古風景】

太鼓-1

太鼓打ちのお二人



鼓-001

鼓(つづみ)打ちのお二人

笛-1

笛吹きのお二人

 

「下り羽」は、祭りの神事として前々日から儀式が始まります。指定されたそれぞれの場所に出向き曲を奏でるそうです。尚、祭り当日の下り羽は、鬼太鼓の奉納舞が終わった後の射手行列で見ることが出来ます。


集合写真-2
「下り羽」参加者の方々です

 

【新保まつり】

新保まつりは、金井地域の金井新保、西方、大和田の3集落の産土神(うぶすながみ)である新保八幡宮とその別当である大慶寺のお祭りです。

例年415日に4組の鬼太鼓が各戸をまわって悪魔祓いの舞を行い、新保八幡宮に集結し鬼太鼓が神社正面で乱舞する。その後に射手行列(やぶさめ・下り羽・神輿など)の神事が行われます。

 
【新保八幡宮 例大祭】

2023年 4月 14日(金)

宵祭り

神事  19:00から20:00
 下り羽


2023年 4月 1日(土)

例大祭 

神事 13:00から14:30

鬼太鼓奉納 15:00から

神幸神輿行列、下り羽 16:00から
流鏑馬

開催地

金井新保 新保八幡宮・大慶寺

住所

952-1208 新潟県佐渡市 金井新保 乙1109-1

 

さど観光ナビ情報

https://www.visitsado.com/event/9052/



こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

 

佐渡の春は、お祭りの季節、金井地域では4月15日土曜日に新保八幡宮で「新保まつり」が行われます。

すでに桜も満開です。祭り当日は、桜も散っているかも知れません。

 

新保宮の桜-2

すでに満開となった参道の桜です


 佐渡市大和田集落の鬼太鼓を掲載して参りましたが、稽古も終盤となってきましたので、お面をつけての通し稽古も行われると伺いました。今回は、稽古最後の取材として再び薬師堂を訪れました。

 薬師堂では、祭りの準備も滞りなく進められ、衣装も順調に整えられています。鬼が掛ける襷(たすき)の後ろ飾りもお手製の水引が新調されていました。


後ろヒモ飾り-1

 3月から稽古が行われていましたので、前回と比べても体力が付いてきていて、通し稽古も1回から更に面をつけて2回目の稽古も行われていました。

面を付けての稽古では、面によって鬼の表情がこちらに迫ってきて、人が舞っていることを忘れてしまう迫力があり、リアルな舞に圧倒されてしまいました。
本番では衣装を着けて舞いますし、更にお客さんの反応が会場の雰囲気に拍車をかけてより感動を呼ぶ奉納舞になるのだと思います。

 【通し稽古】面無しの稽古と同時に叩き手の姿を画面左上でご覧ください


鬼役の方に伺うと、「お面をつけると視野も狭まり足下もおぼつかなくなるため、探り探りの舞となり、更に体力を奪われる」とおっしゃっていました。

【通し稽古】雌鬼の面で舞います


【通し稽古】雄鬼の面で舞います

 

獅子舞の稽古は今も1人で行っていますが、本番は獅子に前後に2人が入ります。したがって、頭役と尻役の2人が躍動ある獅子らしい動きになっていきます。

本番の奉納舞では、各集落から4組の鬼太鼓が一同に出ます。佐渡でも鬼太鼓の奉納舞としてこの規模は珍しいと思います。観衆もそれぞれの地域から多くの方が訪れて賑やかなひとときとして春の一大行事を楽しみます。

当日は、天候に恵まれることを切に願ってやみません。

 この後、本番のようすも取材できればと思います。


【現在の大和田 鬼太鼓】

大和田の鬼太鼓は、国仲系の鬼太鼓で2匹の獅子が絡む勇壮なものです。時代に合わせて先人達が勇壮の中にも華やかさを加えた鬼の舞、絡み合う獅子舞にしようと皆川の金子紋助氏を師事し習得したのが現在の大和田鬼太鼓だそうです。スピード感がある立ち振る舞いや低い姿勢での躍動感ある動きが取り入れられ、以来多くの観衆から高い評価を受けているそうです。

大和田の鬼太鼓-1

【新保まつり】

新保まつりは、金井地域の金井新保、西方、大和田の3集落の産土神(うぶすながみ)である新保八幡宮とその別当である大慶寺のお祭りです。

例年415日に4組の鬼太鼓が各戸をまわって悪魔祓いの舞を行い、新保八幡宮に集結し鬼太鼓が神社正面で乱舞する。その後に射手行列(やぶさめ・下り羽・神輿など)の神事が行われます。

 

開催日

2023年 4月 15日(土)

時間

鬼太鼓奉納:15:00から

神幸神輿行列、下がり羽:16:00から

開催地

金井新保 新保八幡宮・大慶寺

住所

952-1208 新潟県佐渡市 金井新保 乙1109-1

 

さど観光ナビ情報

https://www.visitsado.com/event/9052/

 



こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

 

新潟県内でも開花宣言が聞かれ、いよいよ桜の季節が始まりました。今年の桜は早いですね。

佐渡の春は、お祭りの季節でもあります。金井地域でも4月15日土曜日に新保八幡宮で「新保まつり」が行われます。今年は、祭りまでに桜は待ってくれなさそうです。

 さて、今回も前回につづき大和田集落鬼太鼓の稽古風景をレポートいたします。やはり鬼太鼓は太鼓の音と舞の共演を感じていただきたいので前回以上に動画中心で掲載させていただきます。

 この日も三々五々大和田の薬師堂にメンバーが集まり、それぞれの考えで稽古が行われています。

太鼓稽古-1
早くから学生も集まり叩き手の稽古を行っています

 最近は、どこの地域も同じかも知れませんが、研智会(青年会)でも年々集落の若者も少なくなり会員不足、踊り手不足が続いているそうで、35歳までだった会の年齢制限もメンバー確保のために40歳から50歳へと年齢枠を広げざるを得ない状況となっています。

そのような集落の厳しい状況ではありますが、鬼太鼓の稽古には、集落の学生達も参加してくれています。話をうかがうと「鬼太鼓が好きだ」と返してくれました。地域の鬼太鼓を愛し研智会をリスペクトし仲間と稽古に励んでいました。これから、鬼太鼓を支えるも頼もしい若者達です。



学生が叩く太鼓の音です。裏打ちでココまでの完成度は素晴らしい

先ほどの研智会は、大和田集落鬼太鼓の団体名です。研智会は、もともと教育振興を目的に明治24年に集落の青年同士が結束し設立されたそうです。昔から若者の団結心や向上心も強かったんですね。

その後、教育環境は大きく変貌したため、今では若者の団体である鬼太鼓の団体名として残ったようです。


獅子の稽古

獅子は、大和田の鬼太鼓では演舞の中後半に鬼と絡み合う重要な役割を担っています。鬼と同様に獅子にも雄雌(オスメス)がありやや黒っぽい頭が雄、雌は赤っぽくなります。獅子頭の重量は意外と重く、これを長く持つのはかなりの体力が必要です。腰の痛さをこらえながら踊り手はがんばっておられるわけです。

雄の獅子面-1

雄の獅子頭


雌の獅子面-2

雌の獅子頭


そうこうしていたら、雄鬼の通し稽古が始まりました。鬼役の辻さんは経験者でもありこの時期に通し稽古を観ることが叶いました。これから益々仕上げていくのでしょうが、出来映えは、もう直ぐにでも奉納が出来るほどです。


鬼太鼓 冒頭編

鬼太鼓は、まず一般的なフレーズの太鼓の音から始まります。序盤のシーンだけまとめています。

 


鬼太鼓 獅子編


鬼太鼓で鬼と獅子が共演する場面です。鬼と獅子が絶妙に絡み合う練習風景を見ただけでもワクワクする感覚になります。鬼の面や衣装が加わると更に迫力が増すのだと思います。本番が待ち遠しいです。


鬼太鼓 全編(雄鬼)


通し稽古は、約16分あまり行われました。終わった後、鬼役の辻さんは、体力を使い果たしたようすで、ぐったりしていました。人を引きつける舞は、限界までの体力が必要なんですね。

稽古後グロッキー-1

稽古後グロッキー-2

完全にお疲れのようすです


傍らでは、祭り当日に向けてワラジの用意も始まっていました。ワラジのヒモが縛ったときに痛くならないよう和紙を丁寧に巻いて準備していました。

わらじ-1

ワラジはネットで調達しているそうです

写真のようにワラジが大量に購入されていました。これをまつりの門付けと神社の奉納のために一日で履き潰すことになるそうです。

 これから本番に向けて面をつけての通し稽古が行われます。次回は、更に勇壮な舞をお届けできると思います。

 

現在の大和田 鬼太鼓

大和田の鬼太鼓は、国仲系の鬼太鼓で2匹の獅子が絡む勇壮なものです。時代に合わせて先人達が勇壮の中にも華やかさを加えた鬼の舞、絡み合う獅子舞にしようと皆川の金子紋助氏を師事し習得したのが現在の大和田鬼太鼓だそうです。スピード感がある立ち振る舞いや低い姿勢での躍動感ある動きが取り入れられ、以来多くの観衆から高い評価を受けているそうです。

大和田の鬼太鼓-1

 

新保まつり

4月15日(土)開催されます

開催日

2023年 4月 15日(土)

開催地

金井新保 新保八幡宮・大慶寺

住所

952-1208 新潟県佐渡市 金井新保 乙1109-1

鬼太鼓奉納 

15:00 新保宮境内スタート


さど観光ナビ情報

https://www.visitsado.com/event/9052/

 

こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

 

3月になりました。関東では、もう桜の開花宣言が行われたそうですね。春の始まりを感じたと思ったらあっという間に春が駆け抜けていきそうです。

佐渡の春は、お祭りの季節でもあります。金井地域でも4月15日土曜日に新保八幡宮で「新保まつり」が行われます。

 

新保まつりの特徴は、拝殿前で4組の鬼太鼓が舞いを奉納します。地域住民が待ちに待った鬼太鼓。金井新保2組と西方、大和田各1組の計4組同時に舞が披露にされる様子は観客と鬼が一体となり春の喜びを体現するにぎやかなお祭りになります。

かないいねマルシェLOGO

今回は、「かないいねマルシェ」のスピンオフ企画、「金井のいいコト探し」として大和田集落 研智会の鬼太鼓を稽古風景からお伝えしたいと思います。

私ですが、大和田は生まれ育った集落です。しかし、高校を卒業し佐渡を離れた私にとって鬼太鼓の稽古を観るのは初めての体験でした。今回、なにかワクワクする気持を感じながらの取材となりました。

 

Blog001

極彩色に彩られ本堂での稽古、伝統を受け継ぐ最高の場所です


稽古は、3月10日より大和田集落の薬師堂内にて行われます。この時期、夜になるとどこからともなく太鼓の音が鳴り渡り集落の住民は「おんでこ(鬼太鼓)の稽古がはじまったな。」と祭りが近いことを知るのです。

 

薬師堂は、瑠璃堂の別称を持っています。堂内に入ると極彩色に彩られた彫刻に圧倒されます。この堂内で鬼太鼓の稽古が夜7時から行われています。その時間になると仕事を終えたメンバーがポツポツと集まって稽古を行います。

丁度、私が到着した時に、辻さん(雄鬼役)、本間さん、岩渕さんの3名がいらっしゃいました。

本間さんと岩渕さんは、貴重な今年の新人だそうです。特に本間さんは20代であり新しく新世代が加入してくれたと辻さんも喜ばれていました。

 

新人のお二人は早くから来て、太鼓の練習に励んでいました。

鬼太鼓、稽古の様子です。

Blog002
新人で基本フレーズを繰り返し叩いていました


本堂の正面には、二対の鬼面と二対の獅子頭が置かれています。鬼のお面の髪は、馬の毛が使われています。この長い髪の毛は、独特の所作である首を振るしぐさの時に大きくなびき躍動感をさらに演出するために必要で、馬の毛でないとダメだそうです。



鬼髪がなびく-1
こんな感じでなびきます


基本動作の繰り返し-1

基本動作を繰り返し稽古する鬼役のお二人

鬼役のお二人は、太鼓のリズムに合わせて基本動作を繰り返していました。この動作は相当な体力を消耗するようで、終わった後は汗だくになっていました。

 

そうこうしていると、ベテランの池野さんが太鼓を叩きだしそれに合わせて笠井さん(雌鬼役)が通しの踊りを舞い始めました。ほぼ初日にここまでの完成度で舞えるのですから、本番の舞が楽しみになります。




Youtube 通し稽古

現在の大和田 鬼太鼓

大和田の鬼太鼓は、国仲系の鬼太鼓で2匹の獅子が絡む勇壮なものです。時代に合わせて先人達が勇壮の中にも華やかさを加えた鬼の舞、絡み合う獅子舞にしようと皆川の金子紋助氏を師事し習得したのが現在の大和田鬼太鼓だそうです。スピード感がある立ち振る舞いや低い姿勢での躍動感ある動きが取り入れられ、以来多くの観衆から高い評価を受けているそうです。


大和田の鬼太鼓-1

新保まつり

4月15日(土)開催されます。

開催日

2023年 4月 15日(土)

開催地

金井新保 新保八幡宮・大慶寺

住所

952-1208 新潟県佐渡市 金井新保 乙1109-1

 

さど観光ナビ情報

https://www.visitsado.com/event/9052/


こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

 

2月の雪も解け、気がついたらもう3月になりました。いよいよ草木が芽吹きはじめる季節となって参りました。

この時期の金井新保・西方・大和田の各集落は4月の新保まつりに向けて祭りの準備を行う季節になります。

 

かないいねマルシェLOGO

昨年の「かないいねマルシェ」で「わら縄ない」のワークショップを出店いただいた西方集落では、4月15日に行われます新保まつりの準備として、鬼太鼓で使われる草鞋(わらじ)づくりを行うと西方集落の清水俊英さんから連絡をいただきました。

 

鬼太鼓の鬼は、草鞋(わらじ)を履いて舞います。市販の草鞋(わらじ)もありますが、耐久性がなく、足になじむ前に使えなくなってしまうそうです。やはり手作りの草鞋(わらじ)でないとうまくないそうです。

 

新保まつり鬼太鼓-1

 

この草鞋(わらじ)づくりは、代表の小岩井麻弥さんが発起人となり2016年から行われています。1年はコロナ禍の影響があり今年で7回目となるそうです。
(すばらしい取り組みですね!)

今回は、
2
23日(木)西方公民館で協力者の方々が集まり、草鞋(わらじ)づくりが行われました。

 西方わらいじ作りの様子001

清水さんコメント-1


西方わらいじ作りの様子002


草鞋(わらじ)づくりには、芯となる縄を4本通し、わらで編んでいきます。この作業を正確に効率よくすすめるために写真のような治具(加工の補助具)を活用しながら作業をすすめていました。

西方わらじ作りの治具


 草鞋(わらじ)づくりが出来ようになれば、草履(ぞうり)づくりなどいろいろ応用が利きそうですね。

この地域でも廃れつつある草鞋(わらじ)作りですので、これからも草鞋づくりが継承されていくことを願っています。

西方わらじ-1

完成した草鞋(わらじ)です

しっかり補強もされていて丈夫に仕上がっています



この後も祭りまでの様子や祭りのレポートをしていきたいと思います。お楽しみに

 

【新保まつり

 開催日

 2023 4 15日(土)

 開催地

 金井新保 新保八幡宮・大慶寺

 住所

 〒952-1208 新潟県佐渡市 金井新保 1109-1

 

さど観光ナビ情報

https://www.visitsado.com/event/9052/


※ページの最後に更新情報を追記しました。 令和5年2月7日

こんにちは、金井地域センター 伊藤です。


 今回は、例年2月2日の夜から行われる「毘沙門宵祭り」の準備作業として平清水の子ども会が絵馬竹灯ろう作りを行うと伺い、お邪魔してきました。

 しかし、残念ながら今年も毘沙門宵祭り行われないと伺いました。私も子どものころからこのお祭りがあったことは知っていました。よく「毘沙門さん」と親しく呼ばれていたのを覚えています。昔は佐渡島内から多くの参拝者が商売繁盛を祈願するために訪れていたことを聞いていたので、一度その様子を見たかったのですが、今回もコロナ禍の影響もあり中止になったとのことです。

 

ですので、作成した竹灯ろうは「平清水公民館」の前に飾られることになりました。絵馬については、毘沙門堂に奉納されるそうです。

 

それでは、お邪魔した絵馬竹灯ろう作りをレポートさせていただきます。

【願いを絵馬に】

絵馬の材料は、参道沿いにそびえる「百足杉(むかですぎ)」の枯れ枝から作ったそうです。

この絵馬を作成したのは、集落の今泉さんです。今泉さんからは、「毘沙門堂の参道沿いにある百足杉の枯れ枝が参拝者に危険がおよぶ懸念があった。その前に枝払いを行った。その百足杉の枝を再利用として毘沙門宵祭りに向けて絵馬を作成した。今日は、集落のこども達に願いを書いて奉納してもらうことにした。」と説明をいただきました。

百足杉-1
<参道沿いにそびえ立つ百足杉>

百足杉標柱-1

<百足杉は、市指定の文化財なのです>

百足杉の説明-1

<百足杉の由来が書かれています。木を傷つけられないので、千年以上の樹齢として推定しているようです>

百足杉年輪-1

<百足杉の枯れ枝の断面、枯れ枝なのにとても重かったです>

一般的な杉と違って板状になった絵馬の年輪はとても緻密で、ざっと年輪を数えただけでも100年位はありました。この枯れ枝を再利用して絵馬を作り、そこにこども達が願い事を書いてくれました。


絵馬無地
<年輪が緻密な絵馬です、地域の今泉さんが作成しました。百足杉のパワーをいただけそうです>


下記は、できあがった絵馬です。こども達の純粋な願いが綴られていて、心がほっこりしました。

いいですね。



絵馬①

絵馬②

絵馬③

絵馬④

絵馬⑤

絵馬⑥

絵馬⑦

絵馬⑧

絵馬⑩

絵馬⑪

絵馬⑨


【竹灯ろうをつくる】

 子ども会の関根会長から作り方や注意事項についての説明がありました。

竹灯ろう説明

事前に切り出しておいた竹にこども達が思い思いのデザインを下書きします。

竹灯ろうデザイン

<どんなデザインにしようか悩んでいます>

竹灯ろうデザイン②

<なかなか筆が進まないようす>
竹灯ろうデザイン③
<今年の干支はうさぎ年、下書きが完成しました>

下書きをもとに竹にドリルで穴をあけていきます。竹は滑りやすく、手元も不安定です。最初に指導者から穴あけについて注意事項の説明がありました。その後、こども達も緊張しながら集中して穴をあけていました。

 

竹灯ろう穴開け⑥

竹灯ろう穴開け①
<小さいお子さんも両手を使って穴あけをがんばっていました>
竹灯ろう穴開け1③

竹灯ろう穴開け②

竹灯ろう穴開け④

竹灯ろう穴開け⑤
<たくさんの穴あけを粘り強く上手に行っています。精一杯、力が入ります>

竹灯ろう穴開け積み④
竹灯ろう①

みなさんたくさんの穴あけをがんばりました。こんないい感じで竹灯ろうが完成しました。この後に灯りを入れて公民館に飾ります。

竹灯ろう②

竹灯ろう③


夕暮れが近づき、灯ろうの点灯と飾り付けを行いました。灯りを入れるとほのかに揺れる灯りがあけた穴からもれて、とってもステキでかわいい竹灯ろうになりました。

竹灯ろう④

<全ての灯ろうが完成しました>

 

こども達も楽しく一日を過ごしたようすで、あるお子さんから「とっても楽しい」とお話を伺いうれしくなりました。

イルミネーション

<公民館にもイルミネーションが飾り付けられました>

平清水集落も高齢化が進み住民も少なくなっていますが、移住者も受け入れながら住民間の良い関係を築かれている地域だなと改めて思いました。子ども会も地域住民の支援を受けながら会の活動を行っています。こういった取り組みによって地域の灯りが途切れないよう、がんばっているのだなと思いました。
紹介させていただいた活動は、初めての試みだそうです。「毘沙門宵祭り」とともに長く引き継がれていくことを願っています。

 
【追記】
昨日(令和5年2月6日)より、佐渡市役所本庁舎の正面玄関内に「竹灯ろう」と百足杉で作った「絵馬」が展示されています。庁舎にお越しの際にご覧ください。

庁舎展示-1

庁舎展示-4





佐渡地ビールSADO LAND BEERのご紹介 


こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

今回、「かないいねマルシェ」に出店いただいた「クッチーナ」さんが製造販売するクラフトビールを紹介させていただきます。

 

佐渡の金井地区は、大佐渡山脈の麓に広がる地域であり、その豊な水を利用してかつては酒蔵も何件か存在していたと聞いています。今は、加藤酒造(金鶴)の酒造工場が日本酒を製造している地域でもあります。

 

「クッチーナ」さんは、もともと食堂と居酒屋の飲食店を経営されています。コロナ禍による飲食店経営の危機感から新規事業としてクラフトビール製造に約1年前から取り組まれています。従って、飲食店でもありますがブルワリーでもあるのです。

クッチーナ-外観

「クッチーナ」のオーナーである長岡さんのご厚意でブルワリーを見学させていただきました。今回は、その工場のようすを紹介します。

  

【寸胴鍋が2つと冷凍庫があればビールがつくれる】

最初の寸胴では、仕込み槽として麦汁までを作ります。もう一つの寸胴では沸騰釜として麦汁にホップを加えて煮た後に冷却し発酵・熟成します。

 

■クラフトビールの仕込み行程について

丁度このときに「KINZAN(ゴールデンエール)」を仕込み中で既に潰したモルト(麦芽)と真之介が寸胴に投入されていました。


寸胴



まず仕込む前にモルト(麦芽)を潰して寸胴に入れるのですが、これはエキスのしみ出しやすくするためだそうです。
破砕機

この機械で麦芽(モルト)潰します


つぶし方は、麦のカラもそのまま潰します。それは、皮が濾過の役割をしてくれるそうです。

麦芽は、水飴の原料でもあり糖分が豊富なのでその糖分がアルコールに分解されることになります。その後に発酵・熟成行程前で投入されるビール酵母が糖分を食べてアルコールを出してくれます。

 

仕込みの行程では、液体の中のでんぷん質が麦芽糖に変わるように温度管理を行います。この作業が終わると濾過をしながら隣の寸胴へ麦汁を移動させます。寸胴に残った絞りカスにはまだエキス残っているので、さらにお湯をたしながら二番絞りとしてとなりの寸胴に麦汁を移していきます。移したら沸騰させます。これは、殺菌やいやなニオイなどを飛ばすために沸騰させるのだそうです。

しぼり工程

一番絞りの絞りかすにお湯を加え二番絞りを行い、移ったら沸騰させます



この後、沸騰処理が終わったら沸騰釜(二番目の寸胴)を冷やします。ビール酵母は、30度以上で死んでしまうそうで、できた麦汁を冷まして20度まで下がったらそこにビール酵母を入れるのだそうです。

 

仕込み全体の時間は8時間から10時間掛かるそうです。(煮込んで冷えた麦汁に酵母を入れ冷凍庫内のビニール袋内に移すまで)

 

■発酵・熟成へ

ビールの仕込みが終わったら、床置き型の冷凍庫にビニール袋を入れその中に仕込んだビールを移動させます。その後、冷凍庫で発酵・熟成されるのです。

 

発酵・熟成する冷凍庫の電源の先には、0.1度単位で温度管理が出来るサーモスタットが繋がっていて常時庫内の温度管理が行われます。

発酵・熟成



冷凍庫を使っているのは、外付けのサーモスタットが電源をONOFFするので冷凍庫でも問題なく温度管理ができるからだそうで、なるほどです。

貯蔵・熟成期間は約1ヶ月必要で、その期間が過ぎればビールができあがります。完成したビールは、樽詰めされ保管されます。

樽

今回のように一度の仕込みで150L(350mlビン400本ぐらい)の製造ができます。この工場内で仕込みから瓶詰めまで全て行っています。

 

2階には、原料のモルト(麦芽)の保管庫や樽詰め、瓶詰めなどを行う機材がそろっていました。

 

このように、工場設備も工夫されていて小スペースでコンパクトに配置され、最小限の投資が行われ、ローコストに製造が可能な工場でありました。

小さな地域で個性的なクラフトビールを製造し我々が味わえる、クラフトビールがとても身近に感じられ、金井地域にこのようなビール工場がある事を自慢できる事はとても嬉しく感じました。

 

私もこの後にクラフトビールをいただきました。それぞれ特徴があり、それぞれに製造者の意図が感じられ特徴ある味わいを楽しむことが出来ます。ビール製造を始めて1年位で佐渡の酒屋さんや飲食店、ホテルで使ってもらっているそうです。見つけたら是非、味わってみてください。また、近々新潟の三越伊勢丹やイオンさんへも出荷されるそうですので、新潟の方にも飲んでみていただきたいと思います。

ふるさと納税の「さとふる」等でも登録されているようです。

 

■現在販売されているビールの種類は

beerラインナップ-1


写真の左から

1,ONDEKO インディア・ペールエール ホップを大量に加えたビール

 

2,OKESA ベルジャンホワイト

小麦を使用しコリアンダーシードやオレンジピール入り

 

3.KAYANOMI スタウト 黒ビール カヤの実入り

 モルトと黒く炒ったモルトを使っている

 カヤの実をそのまま炒って砕いている

 

4. HONEY FRESH LEMON ハニーエール

はちみつを原料としたエールビール。蜂蜜の香りとコク、なめらかな口あたり、レモンの甘酸っぱさが特徴

 

5.KINZAN ゴールデンエール 新之助入り

 今回、仕込んでいたビール

 

6.KANZOU ペールエール カンゾウとアップルミント入り

 カンゾウは、佐渡の生産者から入手している

 風味のバランスを取るためにアップルミントを入れている

 

7.TANEMAKIZARU ヴァイツェン 小麦入り

小麦麦芽を使用したドイツの伝統的なビール

 

8.ECHIGOHIME 佐渡産越後姫入り

 イチゴの風味が香るビール。スイーツとともに楽しめます
越後姫


■これからの予定

 近々、ラベルのデザインが変更されるそうです。

 今後は、工場をもっと大きくしたいとのことでした。工場も大きくして、多くの方々から味わってもらえるようにこれからもがんばっていただきたいと思います。

 

SADO LAND BEER FACTORY

〒952-1209
新潟県佐渡市千種88‐1
☎ 0259-67-7900

ブルワリー

今年の「かないいねマルシェ」では、コロナ禍もありみんなで楽しくビールを飲むことが出来なかったので、来年以降は皆で楽しくビールを楽しめる時が訪れることを祈っております。これからも地元のビールSADO LAND BEERを応援して行きたいと思います。

 

こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

  

平清水は、大佐渡山脈の麓に藤津川がつくった谷が集落を縦断し、その谷の丘陵地に集落が広がる自然豊かな場所です。そして山脈が湛える豊富な水によりわき水や清流が流れる川となり地域を潤し農作物が豊かに育つ土地となっています。
Blog_IMG_5695

<平清水集落から大佐渡山脈を望む>


「かないいねマルシェ」では、平清水から関根さん・菊池さん・齋藤さんに参加いただきました。

 今回は、その中の関根さんをご紹介させていただきます。


blog_img_7795
<「かないいねマルシェ」販売のようす>

関根さんには、スコーンを販売していただきました。

スコーンの主原料である小麦や米は、関根さんが経営される「せきね農園」で栽培され自家製粉された小麦粉や米粉を使って焼かれました。

Blog_収穫された小麦-1
収穫された小麦



つまり、このスコーンは、一から自分で種を蒔き、育て、収穫し、製粉し、調理までおこなったこだわりの品なのです。

スコーン写真1


Blog_スコーン写真2

<スコーン>



このスコーンの原料である小麦に注目して、現在のようすを紹介させていただきます。

 Blog_IMG_5686


<むぎの若葉、里山の紅葉、緑と紅葉色のコントラストが美しい麦畑



【小麦の栽培】

麦は、10月にタネを蒔いて、来年の6月に収穫が行われます。今の時期は、麦が芽をだし育っている状態でこの時期から麦踏みを行い霜柱対策や根張りを促す作業が行われるそうで、既に一度こどもたちが麦を踏んでくれたとおっしゃっていました。

 

このあと雪が降り積もりますが、麦は雪の下でじっと耐えて春を待ちます。雪が溶ければ成長をはじめ収穫の6月までに大きく育つのだそうです。

 

種まきは、トラクターに播種機を取り付けて行っていますので芽吹きの間隔は均等にキレイに並でいました。

Blog_IMG_5691
<若葉がキレイに並ぶ>


麦は、2年連作した後は水田として利用すされます。関根さんは、農地の有効活用を考えながら、耕作地を変えているそうです。


Blog_IMG_5687

Blog_IMG_5689

<麦の耕作地は南に広く広がっています>



麦畑の耕作面積は、家の近くの3反とその他の場所で6反の計9反歩(約9,000㎡)で栽培されています。以前に伺ったときは栽培面積が3反だったので、利用者からの問い合わせも多く面積を広げたようです。

 

その他、「せきね農園」では、大豆の栽培も行われており、丁度天日で大豆を干していました。
Blog_IMG_5692

<大豆も天日で干されれば、いっそうおいしい大豆になりますね>

大豆は、乾燥後に豆の選別を行うそうで、意外と手間暇がかる作物なようです。


Blog_IMG_5693

<関根さんご夫婦>

 

関根さんは、友人がきっかけで佐渡に来ていろいろな地域で暮らした後、平清水集落に定着されたそうです。移住者であるお二人は、佐渡で出会って結婚され、ここで一生暮らすと考えていると伺いました。

 

夫婦お二人でできるだけ無農薬をコンセプトに酒米・お米・小麦・大豆などの穀物栽培を中心に取り組まれています。その収穫物から自分たちで引いた粉でスコーンを作って販売するなど、日々意欲的に取り組んでいる姿に自分もがんばろう!といった気持がわいてきます。

地域との関わりも大切にされ集落行事にも積極的に参加されるなど潤いのある田舎暮らしを実践されているのだと感じました

 

お二人は、冬の農閑期に河原田の本町会館で「一粒万倍市」を主催されています。先ほどご紹介したスコーンがお求めになれます。次回の出店時には覗いてみていただきたいと思います。

 

ホームページ

佐渡平清水 せきね農園

https://sado-sekinenouen.com/


金井地域センター 伊藤です。

10月15日(土)「かないいねマルシェ」を無事に開催することが出来ました。このマルシェは、集落から出店参加をいただき金井地域の賑わい作りを目的としていました。当日は、天候にも恵まれて多くの方々から来場いただき、その目的を達成することができました。

マルシェに関わっていただいた皆様には、感謝しかありません。この場を借りて御礼申し上げます。


会場の様子-1

「かないいねマルシェ」では、飲食店・フリーマーケット・ワークショップなど各地域から趣向を凝らした出展をいただきました。ワークショップは西方集落から「わら縄ない」、貝塚集落から「楠木でアクセサリーづくり」の出店がありました。

 かないいねマルシェロゴ小


今回は、西方集落の「わら縄ない」のご紹介をいたします。

 

【金井地域のわら細工】

私が担当している金井地域では、米作りが盛んに行われています。古くから米の収穫後に「わら」を使った生活必需品づくりが盛んに行われていたようです。蓑(みの)、筵(むしろ)、草鞋(わらじ)、わらぐつ、縄(なわ)などの製品が作られてきました。現在では、機械化も進み「わら」を利用することがなくなり長く時が経ったことでノウハウも徐々に途絶えてしまっています。

縄細工の例001













わらぐつと蓑


草鞋(わらじ)は、佐渡の神事である鬼太鼓の鬼が今でも履いて踊りますので需要は高く、自分たちで作った「わらじ」の方が一般品より耐久性が高く喜ばれるようです。


わらじ

【ワークショップの内容】

「わら細工」が衰退した状況で金井地域の西方集落では、埋もれつつある「わら細工」の技術を残すために「わらじ」作りなどの取り組みを行ってきました。

「かないいねマルシェ」では、ベーシックな技術として「わら縄ない」から体験いただき「リース作り」、「しめ縄作り」とステップアップしながら1時間の体験をいただくコースを用意しました。


  あわじ結びとしめ縄

縄ないの種類:

 ・右縄(一般的な縄)

日常生活のなかで多く使われたのは右縄(右になう)です。この縄を使っていろいろなわら細工を作る事が出来ます。

 細わら


 ・左縄(しめ飾りなどの縄)

しめ飾りは、神聖なモノであるため縄も左縄(左になう)とされています。

   左なわ

こういった基本的な技術を習得していただく事で「リース」や「しめ縄」を作ることできます。


【ワークショップ開催準備】

「かないいねマルシェ」の開催に向けて、縄ないの材料集めを行いました。佐渡では、9月から稲刈りが始まります。その時期を待って「わら」の確保から準備を始めました。

下記の手順のように「わら縄ない」を行うためには、いくつかの行程を経て「わら」を用意する必要があります。

 

わら縄ないの準備

①わらの収穫

今は機械化により「わら」も細かく裁断されてしまいます。わら細工用の「わら」を確保するためには、手刈りするか、コンバインの裁断機をストップ(動かなくする)させてそのまま落ちた「わら」を拾い集める方法になります。今回は、コンバインが刈った後に残ったわらを拾い集めました。

わら集め


 ②はざがけ

 そのままでは、水分を多く含んだ状態なので、軒下にかけて「わら」を乾燥させました。


  はざがけ

 ③わら打ち

「わら」は、そのままでは固くて「縄ない」には使えません。昔は、手仕事として横槌を使ってワラをたたいて柔らかくしていました。その後、近年までは、わら打ち機を利用して加工していました。

 しかし、最近ではわら打ち機がある場所も貴重になりました。佐渡では、達者の共同作業場にわら打ち機があることがわかり、その機械を利用し柔らかくさせていただきました。

  わら打ち

【なかいいねマルシェ開催準備】

縄ない

下処理をして柔らかくなった「わら」を取り根元を結び、その結び目を右足の指で押さえる。わらを2つの束に分け左の手で分けた「わら」をV時にとって、右手と左手をコすりあわせながらん縄をなっていきます。
この基本技術を身につければ、急にヒモが必等な時にハギレを利用して作ることも出来ます。

リース作成

リースにつかった「あわじ結び」は、水引きによく使われます。結びの両端を引っ張るとさらに固く結ばれるのが特徴です。その形から「末永く付き合う」という意味を持ち、結婚祝いやお見舞い、退院祝いのほか、謝礼や餞別、葬儀などの弔事に利用されています。

リース作りは、「あわじ結び」を細縄で作ります。アクセントとして赤く熟した野いばらの実をつかい中央に飾りました。


リース作り

正月飾り(しめ縄)の作成

しめ縄飾りは、正月飾りとして歳神さまを迎えるために清められた場所を示し神様を迎える家だということを表すために玄関に飾ります。

しめなわづくり


【その他のわら細工】

「わら縄ない」は、わら細工の基本技術です。この基本技術を活用していろいろな作品へチャレンジする事が出来ます。今でも生活の中でも活用出来るものもあります。皆さんもご興味いただき「わら細工」のバリエーションを増やしてみてください。



   その他のワラ細工



次回のイベントでも面白い「わら縄ない」が出来ないかと考えています。
ご覧いただき、ありがとうございました。



このページのトップヘ