佐渡市地域おこし協力隊サイト

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わらじ

こんにちは、金井地域センター 伊藤です。

 

2月の雪も解け、気がついたらもう3月になりました。いよいよ草木が芽吹きはじめる季節となって参りました。

この時期の金井新保・西方・大和田の各集落は4月の新保まつりに向けて祭りの準備を行う季節になります。

 

かないいねマルシェLOGO

昨年の「かないいねマルシェ」で「わら縄ない」のワークショップを出店いただいた西方集落では、4月15日に行われます新保まつりの準備として、鬼太鼓で使われる草鞋(わらじ)づくりを行うと西方集落の清水俊英さんから連絡をいただきました。

 

鬼太鼓の鬼は、草鞋(わらじ)を履いて舞います。市販の草鞋(わらじ)もありますが、耐久性がなく、足になじむ前に使えなくなってしまうそうです。やはり手作りの草鞋(わらじ)でないとうまくないそうです。

 

新保まつり鬼太鼓-1

 

この草鞋(わらじ)づくりは、代表の小岩井麻弥さんが発起人となり2016年から行われています。1年はコロナ禍の影響があり今年で7回目となるそうです。
(すばらしい取り組みですね!)

今回は、
2
23日(木)西方公民館で協力者の方々が集まり、草鞋(わらじ)づくりが行われました。

 西方わらいじ作りの様子001

清水さんコメント-1


西方わらいじ作りの様子002


草鞋(わらじ)づくりには、芯となる縄を4本通し、わらで編んでいきます。この作業を正確に効率よくすすめるために写真のような治具(加工の補助具)を活用しながら作業をすすめていました。

西方わらじ作りの治具


 草鞋(わらじ)づくりが出来ようになれば、草履(ぞうり)づくりなどいろいろ応用が利きそうですね。

この地域でも廃れつつある草鞋(わらじ)作りですので、これからも草鞋づくりが継承されていくことを願っています。

西方わらじ-1

完成した草鞋(わらじ)です

しっかり補強もされていて丈夫に仕上がっています



この後も祭りまでの様子や祭りのレポートをしていきたいと思います。お楽しみに

 

【新保まつり

 開催日

 2023 4 15日(土)

 開催地

 金井新保 新保八幡宮・大慶寺

 住所

 〒952-1208 新潟県佐渡市 金井新保 1109-1

 

さど観光ナビ情報

https://www.visitsado.com/event/9052/



金井地域センター 伊藤です。

10月15日(土)「かないいねマルシェ」を無事に開催することが出来ました。このマルシェは、集落から出店参加をいただき金井地域の賑わい作りを目的としていました。当日は、天候にも恵まれて多くの方々から来場いただき、その目的を達成することができました。

マルシェに関わっていただいた皆様には、感謝しかありません。この場を借りて御礼申し上げます。


会場の様子-1

「かないいねマルシェ」では、飲食店・フリーマーケット・ワークショップなど各地域から趣向を凝らした出展をいただきました。ワークショップは西方集落から「わら縄ない」、貝塚集落から「楠木でアクセサリーづくり」の出店がありました。

 かないいねマルシェロゴ小


今回は、西方集落の「わら縄ない」のご紹介をいたします。

 

【金井地域のわら細工】

私が担当している金井地域では、米作りが盛んに行われています。古くから米の収穫後に「わら」を使った生活必需品づくりが盛んに行われていたようです。蓑(みの)、筵(むしろ)、草鞋(わらじ)、わらぐつ、縄(なわ)などの製品が作られてきました。現在では、機械化も進み「わら」を利用することがなくなり長く時が経ったことでノウハウも徐々に途絶えてしまっています。

縄細工の例001













わらぐつと蓑


草鞋(わらじ)は、佐渡の神事である鬼太鼓の鬼が今でも履いて踊りますので需要は高く、自分たちで作った「わらじ」の方が一般品より耐久性が高く喜ばれるようです。


わらじ

【ワークショップの内容】

「わら細工」が衰退した状況で金井地域の西方集落では、埋もれつつある「わら細工」の技術を残すために「わらじ」作りなどの取り組みを行ってきました。

「かないいねマルシェ」では、ベーシックな技術として「わら縄ない」から体験いただき「リース作り」、「しめ縄作り」とステップアップしながら1時間の体験をいただくコースを用意しました。


  あわじ結びとしめ縄

縄ないの種類:

 ・右縄(一般的な縄)

日常生活のなかで多く使われたのは右縄(右になう)です。この縄を使っていろいろなわら細工を作る事が出来ます。

 細わら


 ・左縄(しめ飾りなどの縄)

しめ飾りは、神聖なモノであるため縄も左縄(左になう)とされています。

   左なわ

こういった基本的な技術を習得していただく事で「リース」や「しめ縄」を作ることできます。


【ワークショップ開催準備】

「かないいねマルシェ」の開催に向けて、縄ないの材料集めを行いました。佐渡では、9月から稲刈りが始まります。その時期を待って「わら」の確保から準備を始めました。

下記の手順のように「わら縄ない」を行うためには、いくつかの行程を経て「わら」を用意する必要があります。

 

わら縄ないの準備

①わらの収穫

今は機械化により「わら」も細かく裁断されてしまいます。わら細工用の「わら」を確保するためには、手刈りするか、コンバインの裁断機をストップ(動かなくする)させてそのまま落ちた「わら」を拾い集める方法になります。今回は、コンバインが刈った後に残ったわらを拾い集めました。

わら集め


 ②はざがけ

 そのままでは、水分を多く含んだ状態なので、軒下にかけて「わら」を乾燥させました。


  はざがけ

 ③わら打ち

「わら」は、そのままでは固くて「縄ない」には使えません。昔は、手仕事として横槌を使ってワラをたたいて柔らかくしていました。その後、近年までは、わら打ち機を利用して加工していました。

 しかし、最近ではわら打ち機がある場所も貴重になりました。佐渡では、達者の共同作業場にわら打ち機があることがわかり、その機械を利用し柔らかくさせていただきました。

  わら打ち

【なかいいねマルシェ開催準備】

縄ない

下処理をして柔らかくなった「わら」を取り根元を結び、その結び目を右足の指で押さえる。わらを2つの束に分け左の手で分けた「わら」をV時にとって、右手と左手をコすりあわせながらん縄をなっていきます。
この基本技術を身につければ、急にヒモが必等な時にハギレを利用して作ることも出来ます。

リース作成

リースにつかった「あわじ結び」は、水引きによく使われます。結びの両端を引っ張るとさらに固く結ばれるのが特徴です。その形から「末永く付き合う」という意味を持ち、結婚祝いやお見舞い、退院祝いのほか、謝礼や餞別、葬儀などの弔事に利用されています。

リース作りは、「あわじ結び」を細縄で作ります。アクセントとして赤く熟した野いばらの実をつかい中央に飾りました。


リース作り

正月飾り(しめ縄)の作成

しめ縄飾りは、正月飾りとして歳神さまを迎えるために清められた場所を示し神様を迎える家だということを表すために玄関に飾ります。

しめなわづくり


【その他のわら細工】

「わら縄ない」は、わら細工の基本技術です。この基本技術を活用していろいろな作品へチャレンジする事が出来ます。今でも生活の中でも活用出来るものもあります。皆さんもご興味いただき「わら細工」のバリエーションを増やしてみてください。



   その他のワラ細工



次回のイベントでも面白い「わら縄ない」が出来ないかと考えています。
ご覧いただき、ありがとうございました。



 佐渡には稲わらや竹など地域のさまざまな資源を活かした手仕事が受け継がれてきています。岩首集落では、私たちの周りからほとんど消え去ってしまった「ぞうり」や「わらじ」が今でも細々と作られています。そして、これらは、島の鬼太鼓やさまざまな神事に使われていて、佐渡の伝統を支える、無くてはならない工芸品となっています。

 通常わらじは稲わらで作りますが、岩首では、「フトイ」(地元ではオオイとかウウイと呼びます)という植物の茎を使って作る方が結構いらっしゃいます。稲わらよりも繊維に弾力があり、はき心地がよいのが特徴です。

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昨年のことになりますが、岩首に来たのが良い機会だと思い、私も地元の手仕事の先生のおばあさんに教わりながら、ぞうり作りに挑戦しました。左右の大きさを揃えるのはもちろん、つま先やかかとの形を整えるのが難しく、おばあさんたちに手取り足取りをしてもらいながら仕上げました。

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おばあさんたちは小さい子どもの頃から稲わら細工に親しみ、技術を身に着けてきました。おしゃべりしながらも手を休めることなく、次から次へとぞうりやわらじを作り上げていくのは、熟練のなせる技だと思いました。
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今年(令和2年)に入って岩首集落のわら細工名人のみなさんが新聞や冊子に紹介されました。 1月の新潟日報には、わらじ作り名人のみなさんが紹介されました。
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4月には、佐渡文化財団発行の「佐渡の手仕事」という冊子にぞうり作り名人が紹介されています。
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みなさんのお歳は7080代!現役で作り続けています。「この歳になっても働けることがありがたい」とお話されます。やりがいをもって働き続ける姿は、生き生きとしていて、素敵な人生を過ごされているように見えます。私も岩首の人のように、ていねいに年を重ねながら元気に長く働いていけたらいいなと思います。まずは、みなさんからひとつひとつ知恵や技術を教えていただこうと思います。




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