佐渡市地域おこし協力隊サイト

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ジアス

佐渡島の岩首昇竜棚田を楽しんでいただくツアーを企画いたしました!
『岩首昇竜棚田ピクニックツアー』『田んぼの生き物探しツアー』です。
日本で初めて、世界農業遺産(GIAHS)に認定された佐渡島の農業・農村を体感できる期間限定のツアーです。夏休みの自由研究の題材にもいかがでしょうか?

『岩首昇竜棚田ピクニックツアー』

催行日:令和元年8月1日(木)、2日(金)、6日(火)、7日(水)、27日(火)、28日(水)、 30日(金)、31日(土)

 時 間:9時30分~12時30分

岩首昇竜棚田
江戸時代から受け継がれてきた岩首昇竜棚田。標高300
mを超える山間に460枚ほどの小さな田んぼが広がります。棚田・海・集落を一望できる展望小屋までの約1kmを歩くピクニックツアーです。

ピクニックの前には、岩首談義所(旧岩首小学校)でお昼に食べる棚田米のおむすび作りをします。お昼の準備ができたら、ピクニックのスタートです。

 このツアーでは、地元ガイドが一緒に歩くので棚田のことをはじめ、ここに住む人だからこその話を聞きながらゆっくりと登っていきます。地元ガイドと一緒なので、通常入ることはできない絶景ポイントでの写真撮影も可能です。

 山の上の展望小屋に着いたら、自分で作った棚田米のおむすびでお昼ご飯!ここで食べるごはんは格別です。

 時には、景色を眺めながらゆっくりと歩くのも楽しいものです。

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(これは春の風景です)


おむすび


『田んぼの生き物探しツアー』

催行日:令和元年8月3日(土)、4日(日)  2日間限定です!

 時 間:9時30分~12時30分

※ このツアーは、歩きません。

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(写真はイメージです)
田んぼはお米を生産するだけでなく、トンボやカエルなど色々な生きものを育んでいます。実際に田んぼに入って、生き物たちを探してみませんか。生き物好きの地元ガイドがご案内します。どろんこになって、どんな生き物に出会えるかお楽しみに!
生き物探しの後はピクニックツアーと同じように、展望小屋で自分たちで作った棚田米のおむすびのお昼ご飯です。

生き物探しツアーに参加者全員に「岩首昇竜棚田の生き物図鑑」をプレゼント!

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(写真はイメージです)

どちらのツアーも同じ価格です。未就学児は無料。高校生以上は大人料金になります。

レンタカー付きの場合

  大人:3,130(子供:2,330円)~ 

ンタカーのランク、人数によって変わります。

 ②体験のみ(レンタカーなし)の場合 

   大人:2,300円(子供:1,500円) 

 

お問い合わせ、申し込みは、ハッピー佐渡トラベルへ 電話:0259-58-8088

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新しい年を迎えました。今年は雪が少ない佐渡です。

岩首集落では昔から守り続けられている小正月行事(賽の神(さいのかみ、せいのかみ)、どんど焼き、鳥追い)がおこなわれています。いずれも五穀豊穣や無病息災を願って続けられてきている行事です。これらの行事には、集落の子供たちが大きな役割を果たしています。

1月14日「賽の神」がおこなわれます。これは厄払いの行事で、子供たちが各家の前で一斗缶や空き缶を叩きながら次の文句を唱えます。


賽の神かんじん とうどや さんぎりちょう 大もうけ 小もうけ  

あっちの家は繁昌し こっちの家は上作し 

銭も金もわくわく 賽の子は13人 銭も金もわくわく


集落の大人たちは今でもこの文句をスラスラと唱えられます。子供の頃の記憶は、何十年経っても残っているんですね。 

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昔は、家々の壁を叩いていたそうですが、今は壁の代わりに缶を叩きます。
一生懸命叩くので、缶がへこんでいきます。

岩首郷土史によるとこの行事は、明治の頃から始まったそうです。集落の大人たちが子供だった頃は、男子中学生が担っていたそうですが、子供が少なくなった今は小学生も加わっています。

供たちが回ってくると、各家ではお菓子や果物などを渡します。昔は、お茶碗にお米を入れ渡していたそうです。お米が貴重品だったことがうかがえます。

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集落全戸を回ると日が暮れます。そんな中、缶を叩く音と子供たちの文句が響きました。

翌日15日は「どんど焼き」です。島内ではトウドヤとかトウライヤと呼び名がいろいろあります。岩首では、7日に子供たちが集落の家々を回り、飾ってあった松やしめ縄を集め、それらを焼きます。

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この火で焼いたお餅とイカを頂きました。この火で焼いたものを食べると病気災難を除けると言われています。

最後は、どんど焼きの灰に水を加え炭を作り、その場にいる人の顔に塗っていきます。大人も子供も関係ありません。顔中に塗られます。子供たちに混ざって大人も加わり大騒ぎです。これも健康を願っておこなわれる立派な習わしです。

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炭で黒くなった顔で家路につきました。
鏡を見て驚きましたが、今年は元気に過ごせそうです。

16日は「鳥追い」です。田畑を鳥の被害から守ることを祈念して行われます。朝まだ暗い430分、子供たちが集落を3周し、最後は神社で唱えます。

京の鳥と 田舎の鳥と 渡らぬ先に 七草あてて トホンボー
四郎左エ門の田の畦に 白い黒い寒鴉 追うて頼む 田の神さん トホンボー
十六日は 月の出 粉餅のか欠片は 今朝ばかり トホンボー

小正月行事は子供たちの役割が大きく、それを集落の大人たちが見守り、支えています。こうして昔からの年中行事を集落が大切にし、受け継いでいくんだと感じました。これからもこの農村文化を守り続けてほしいと思います。

佐渡めぐり塾とは…

佐渡市の委託事業で、佐渡生きもの語り研究所と地域おこし協力隊が共同企画する、世界農業遺産について親子で楽しく学ぶ体験プログラムです。

 

昔から伝わる民話があり、田んぼを守りながら貴重な藁を使う暮らしが今でも続けられている達者集落が、今回の舞台になりました。

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まずは、
「むかーしむかし、とんと昔にあったとさ…」

生まれも育ちも達者集落である85歳のおじいちゃんから、集落にまつわるお話を聞きました。

『安寿と厨子王』『山門洞クシキ』という2つの民話も聞きました。
お話に出てくる、「逢う坂」「お地蔵さんの清水」「山門洞」などは、今も集落に残っています。

 

それらをポイントに集落内を歩くスタンプラリーに出発!


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大事なポイントや民話が描かれている巻物マップに、子供たちはわくわく!
(スタッフの手作り!がんばった甲斐がありました!)


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ポイントでスタンプを押してもらい、アイテムをゲットしていきます。


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「もっと歩きたかった~」という声もありました。


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昼食。
はぜ架けしたお達者米と、お母ちゃんたちの手料理の数々。
サザエご飯、きのこ汁、煮しめ、ぜんまい炒め、…どれも美味しくてお腹いっぱい!
ごちそうさまでした!


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午後いちばんは、藁についてお勉強。

漢字からわかるように、「」は「くらい価値が」だったそうです。


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昔、日常的に使われていた藁で作られた様々な道具。

編む技術がすばらしいです!


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いよいよ、子供も大人も初めての藁草履作りの時間。

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苦戦しながら、手取り足取り教えてもらいながら、なんとか親子で両足分完成…したかな。
「不格好でも履ければ草履だよ~」とお母ちゃんは言います♪

教えるお母ちゃん達はイキイキとしていました。
若い人との交流がとても楽しくて、元気をもらったそうです。

 

藁を手に入れるには田んぼの稲作を維持していかなくてはなりません。

田んぼを守る事は、生活そのものや技術など暮らしを守る事にもつながります。

世界農業遺産、ジアスは奥が深いですね。

達者集落のみなさん、大変ありがとうございました。

 

次回:20183月新穂潟上集落にて(予定)


佐渡めぐり塾もとうとうシリーズ最終回となりました。3月の連休初日、いつものように雨雲と睨めっこしながら金井を出発、目指すは高千の池野牧場さんです。

池野牧場さんで車を降りると、牛舎から「ゥモーーーーー!」とひっきりなしに聞こえる牛たちの声。池野さんの声もかき消されるほどの大きな鳴き声に、子どもたちも少しビビり気味。

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大きな声の原因は、仔牛にお乳を飲ませたい母親たちが、モウ抗議していたのです。仔牛がお乳を飲まないと、母親もお乳が張って辛いのだそうです。

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「待たせてごめんね」と、参加者で成牛と仔牛の間にある柵を外してあげると、仔牛たちは一目散に母親の元へ駆け込んでいきました。抗議の声もひと段落したあとは、早速グループに分かれて牛舎内の掃除と、餌やりをしました。

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大きな塊のビニールを裂くと、中身は乳酸発酵させた草がロール状に。独特な発酵臭がします。牛は4つの胃袋を持っていて、1番大きな第1の胃袋が満たされるまで、長い舌を干し草に巻き付けながら、どんどんと平らげて行きます。(第1胃の容量は約100ℓだとか...)大動物の食欲を間近で感じた瞬間でした。

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代わって中学生と高校生には、牛舎内の掃除をしてもらいました。初めて間近で接する大きな牛たちに戸惑いながらも、池野牧場の従業員の方々に教えてもらい、足元の糞をかき集め、きれいになった場所には新しいもみ殻をまいて行きます。近くで接してみると、それぞれの性格が何となく見えてきます。神経質な牛、新参者の私たちにも動じない牛、人懐っこく近づくとザラリッと舐めて来る牛。

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干し草の他に、稲わらも一緒に食べさせます。干し草も、稲わらも、池野さんの農場で刈り取ったものです。牛たちの部屋にまいてあげたもみ殻も、池野さんの育てたお米のもみ殻。そして、掃除してかき集めた糞は、堆肥となって田畑の土を豊かにしてくれます。

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前回のめぐり塾in鷲崎では、ワカメや魚の残さを堆肥化し、米づくりをしている農家さんに登場してもらいましたが、今回は牛が身近にいるからこその、循環する農の仕組みも発見することができました。ほんの少し前までは、各家庭に1頭は牛がいて、当たり前だった農村の暮らしが、池野さんの元にはまだ残っていました。

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牛舎での体験後、お昼ご飯を挟んで、池野さんから6月頃から始まる林間放牧について、少しお話していただきました。昭和40年代には島内で3,000頭いた牛たち。高千では飼育している牛のほとんどが林間放牧されていました。しかし、徐々に軒数が減り、今ではドンデン山での放牧は、池野さんの牛数十頭だけに。牛たちが食むことで美しく保たれてきたドンデン高原の芝も、池野さんの牛たちだけでは間に合わず、荒れ始めているのだそうです。

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林間放牧の様子がイメージできたところで、午前中に作業をした牛舎とは別の、少し山へ入ったところにある牧場へと足を延ばしました。海岸段丘の田んぼを抜けると、運動場でのんびりする佐渡牛たちが。ここにいる牛たちは種付けを終え、春には山へと上がる予定です。山を知り尽くしたベテラン牛が、若い牛たちを連れて行ってくれるのだそうです。夏にドンデンに上がったら、彼女たちに会えるかもしれませんよ。

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めぐり塾in高千の最終目的地は、佐渡牛の競りが行われる「高千家畜市場」。JA佐渡の菊池さんに案内していただきました。年3回行われている牛市には、県外からも買い付けに関係者がやってきます。佐渡生れの仔牛たちが、いずれ名高いブランド牛になるわけです。次回の牛市は4月2日。ご興味ある方は、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。(佐渡牛についてはこちら

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そして、めぐり塾恒例のこびりは、参加者の期待を裏切らない「佐渡牛」でした。色んな意味で貴重なお肉を、最後にみんなで味わいました。

「牛の世話をして、最後に肉を食べることで、より牛農家さんの仕事や命を頂くことが身近に感じられた」

参加された方の感想から、池野牧場さんでの体験に始まり、市場の見学、こびりまで、詰め込み過ぎたかな?と心配もありましたが、一日を通して様々なことを感じてくれたのだと、嬉しく思いました。

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全てが循環し、巡っていた仕組みだからこそ、その一つが欠けることで、うまく回らなくなってしまう。世界農業遺産(GIAHS)って、きっとその仕組みのなかにある、小さな片鱗ひとつひとつなのかもしれません。

その片鱗を拾い上げ、気付くきっかけ作りをこれからもしていきたいな。


最後に、今年度佐渡めぐり塾開催にあたり、ご支援ご協力をいただいた行政、現地の皆さま、そして楽しんで参加して下さった参加者の皆さまに感謝申し上げます。
4回に渡って素晴らしい写真を撮って下さっためぐり塾スタッフと、「一緒にやろう」と声をかけてくれた(一社)佐渡生きもの語り研究所さん、ありがとうございました!

 

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