金井地域センター 伊藤です。
10月15日(土)「かないいねマルシェ」を無事に開催することが出来ました。このマルシェは、集落から出店参加をいただき金井地域の賑わい作りを目的としていました。当日は、天候にも恵まれて多くの方々から来場いただき、その目的を達成することができました。
マルシェに関わっていただいた皆様には、感謝しかありません。この場を借りて御礼申し上げます。
「かないいねマルシェ」では、飲食店・フリーマーケット・ワークショップなど各地域から趣向を凝らした出展をいただきました。ワークショップは西方集落から「わら縄ない」、貝塚集落から「楠木でアクセサリーづくり」の出店がありました。
今回は、西方集落の「わら縄ない」のご紹介をいたします。
【金井地域のわら細工】
私が担当している金井地域では、米作りが盛んに行われています。古くから米の収穫後に「わら」を使った生活必需品づくりが盛んに行われていたようです。蓑(みの)、筵(むしろ)、草鞋(わらじ)、わらぐつ、縄(なわ)などの製品が作られてきました。現在では、機械化も進み「わら」を利用することがなくなり長く時が経ったことでノウハウも徐々に途絶えてしまっています。


草鞋(わらじ)は、佐渡の神事である鬼太鼓の鬼が今でも履いて踊りますので需要は高く、自分たちで作った「わらじ」の方が一般品より耐久性が高く喜ばれるようです。

【ワークショップの内容】
「わら細工」が衰退した状況で金井地域の西方集落では、埋もれつつある「わら細工」の技術を残すために「わらじ」作りなどの取り組みを行ってきました。
「かないいねマルシェ」では、ベーシックな技術として「わら縄ない」から体験いただき「リース作り」、「しめ縄作り」とステップアップしながら1時間の体験をいただくコースを用意しました。

縄ないの種類:
・右縄(一般的な縄)
日常生活のなかで多く使われたのは右縄(右になう)です。この縄を使っていろいろなわら細工を作る事が出来ます。
・左縄(しめ飾りなどの縄)
しめ飾りは、神聖なモノであるため縄も左縄(左になう)とされています。
こういった基本的な技術を習得していただく事で「リース」や「しめ縄」を作ることできます。
【ワークショップ開催準備】
「かないいねマルシェ」の開催に向けて、縄ないの材料集めを行いました。佐渡では、9月から稲刈りが始まります。その時期を待って「わら」の確保から準備を始めました。
下記の手順のように「わら縄ない」を行うためには、いくつかの行程を経て「わら」を用意する必要があります。
■わら縄ないの準備
①わらの収穫
今は機械化により「わら」も細かく裁断されてしまいます。わら細工用の「わら」を確保するためには、手刈りするか、コンバインの裁断機をストップ(動かなくする)させてそのまま落ちた「わら」を拾い集める方法になります。今回は、コンバインが刈った後に残ったわらを拾い集めました。
②はざがけ
そのままでは、水分を多く含んだ状態なので、軒下にかけて「わら」を乾燥させました。

③わら打ち
「わら」は、そのままでは固くて「縄ない」には使えません。昔は、手仕事として横槌を使ってワラをたたいて柔らかくしていました。その後、近年までは、わら打ち機を利用して加工していました。
しかし、最近ではわら打ち機がある場所も貴重になりました。佐渡では、達者の共同作業場にわら打ち機があることがわかり、その機械を利用し柔らかくさせていただきました。

【なかいいねマルシェ開催準備】
■縄ない
下処理をして柔らかくなった「わら」を取り根元を結び、その結び目を右足の指で押さえる。わらを2つの束に分け左の手で分けた「わら」をV時にとって、右手と左手をコすりあわせながらん縄をなっていきます。
この基本技術を身につければ、急にヒモが必等な時にハギレを利用して作ることも出来ます。
■リース作成
リースにつかった「あわじ結び」は、水引きによく使われます。結びの両端を引っ張るとさらに固く結ばれるのが特徴です。その形から「末永く付き合う」という意味を持ち、結婚祝いやお見舞い、退院祝いのほか、謝礼や餞別、葬儀などの弔事に利用されています。
リース作りは、「あわじ結び」を細縄で作ります。アクセントとして赤く熟した野いばらの実をつかい中央に飾りました。

■正月飾り(しめ縄)の作成
しめ縄飾りは、正月飾りとして歳神さまを迎えるために清められた場所を示し神様を迎える家だということを表すために玄関に飾ります。
【その他のわら細工】

次回のイベントでも面白い「わら縄ない」が出来ないかと考えています。
ご覧いただき、ありがとうございました。